初めての登山で筋肉痛を起こさないために!自分でできる予防と対策は?
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皆さんは登山ってどんなイメージですか? ゆっくり歩けばそんなに激しい運動ではないし、トレーニングしなくても登れそうですよね。でも実は、日常生活であまり使わない筋肉を使うため、下山した後ふくらはぎや太ももがひどい筋肉痛になることがあるのです。
階段を下りるのが辛くてたまらないといった事態を避けるために、筋肉痛のメカニズムと予防方法、下山後の体のメンテナンス方法をご紹介します。
筋肉痛ってよく聞くけど、どういう状態?
引用:写真AC
筋肉痛とは、その名の通り筋肉の痛みのことですが、そのメカニズムは実は解明されていません。運動により傷つけられた筋線維が修復する際の痛みというのが有力な説です。詳しく見ていきましょう。
筋肉を構成している線維の集まりを筋線維といいます。普段あまり使わない筋肉を使ったり、登山で長時間同じ筋肉を使い続けたりすることで筋線維が傷つきます。その筋線維を修復するために白血球などの血液成分が集まり始めます。これがいわゆる「炎症」が起こった状態です。筋肉が炎症を起こしているときには発痛物質が生産され、これを痛みと感じるのです。これが筋肉痛と言われています。
筋肉痛が発生する筋肉の動きとして、筋肉が引き伸ばされる状態の動きであることがわかっています。この動きのことを「伸張性収縮」といい、階段を降りたりする動作や、登山では下りの際の足の筋肉の動きが該当します。登りの方が筋肉に負荷がかかり筋肉痛になりそうなイメージですが、実は逆なのです。
登山で筋肉痛にならないための歩き方は?
引用:写真AC
では、下りの際に筋肉痛にならないためには具体的にどうすればよいのでしょうか? まずは登山前に全身の準備運動を行いましょう。普段トレーニングを行っていないのであれば、急激な負荷をかけないようストレッチなどを行うとよいでしょう。
下山中は、ストックを利用して足をフォローしてあげるのが一番です。ただし、ストックに体重をかけると手首を痛める原因になるので注意が必要です。体重を足にかけて下りるのではなく、なるべく後ろ足に体重を残すように下りましょう。大股ではなく小股で歩き、大きな段差より小さな段差を選びます。岩がごろごろしているようなところより、坂を選んで下りましょう。
筋肉の動きを補助するため、ふくらはぎ用のサポーターや、登山用のタイツなどを着用するのも効果的です。タイツには大きく分けてサポートタイプと着圧タイプの2種類があります。サポートタイプは筋肉の動きを助けたり、筋肉の疲労や関節への負担を軽減してくれます。着圧タイプは足に軽度の圧力をかけることにより、血行を良くして疲労を抑える効果があります。いずれも筋肉痛の予防や軽減に役立つアイテムですので、登山の際には着用してみてはいかがでしょうか。
下山後にできる、筋肉痛を和らげるための対処は?
引用:写真AC
筋肉痛のメカニズムが解明されていないのと同様に、筋肉痛を直す方法というのもはっきりとわかっていません。しかし、筋線維の修復が進むよう助けてあげること、それが筋肉痛を和らげる一番の方法です。具体的には、安静にしてなるべく動かさないことです。疲れたからと、ふくらはぎをマッサージするのは逆効果です。ひどい時はマッサージをした箇所が内出血を起こし、痛みが増すことがあります。
氷で冷やすのも、修復に効果があるかは実証されていません。反対に、熱すぎない温度の湯船につかり、血行をよくして修復を待つのが最も効果が高いようです。市販の湿布を貼るのも効果的です。消炎剤が入っているので、痛みが多少和らぐことがあります。
平地でできる筋肉痛にならないためのトレーニングは?
引用:写真AC
筋肉痛は、普段使っていない筋肉を使うことで痛みが発生するので、普段から登山で使う筋肉を鍛えておくことは非常に有用です。登山とよく似た動きは、やはり階段や坂道などを下ることです。同じタイミングで登りも行うと自身の体重で膝を痛める可能性があるので、できるだけ下りだけを行いましょう。
階段であれば登りはエレベータを使ったり、坂道であれば車で移動できるとベストです。最初は短い距離から、慣れてきたら登山の行程に合わせて数時間トレーニングしましょう。頻度は1日おきくらいにして、筋肉を休ませながらやると効果的です。
自宅でトレーニングしたい方は、自宅の階段や、電話帳を重ねて踏み台昇降運動をしても同じ効果が得られます。この場合、登りも行うことになるので、膝を痛めないようにすることが大切です。また、スクワットも筋肉を鍛えるのに非常に有用です。
登山の次の日も思いきり楽しむために
登山はスポーツジムに行くように会社帰りに気軽に行くことはなかなか難しいのですが、よく似た運動は普段の生活に取り入れることができます。いつも使っている駅の1つ前の駅で降りて歩いて帰ったり、下りのエレベーターに乗るのはやめて階段で下りるなど、ちょっとした工夫で実践に役立つトレーニングができます。
日ごろから登山で使う筋肉を鍛えておけば、筋肉痛になることも少ないでしょう。登山の次の日も痛みなく楽しく過ごせるよう、少しずつ準備をしておきましょう。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。