源流テンカラ釣りのリアルがここにある!料理も魅力の「源流居酒屋よーこ」チャンネル徹底取材!

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2020.12.04

この度、YouTube『源流居酒屋よーこ』チャンネルのたいしょーさんに取材させて頂きました。(動画はよーこさん と たいしょーさん が作成)
源流テンカラ釣りと源流での美味しそうな料理が評判で、チャンネル開設から1年少々で登録者が約3万人(取材時点)と要注目のチャンネルです。

※山岳エリアで上流域の魚を狙う釣りを源流釣りといい、生き餌やルアー(疑似餌)を使用せず毛鉤のみを使用する釣りをテンカラ釣りと言います。

 

この源流テンカラ釣りの醍醐味やポイント、そして「源流居酒屋よーこ」チャンネルの魅力を余すことなくお伝えしていきます。

何か今とは違う別の釣りを模索している方や源流釣り/テンカラ釣りを始めたい方、キャンプ飯が好きな方はぜひぜひ最後までお付き合いください!

岩魚の姿作り


ー初めまして。マウンテンシティ編集部です。この度は取材にご協力頂きありがとうございます。まずはじめに、たいしょーさんの釣りの経歴など簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか?

釣りは幼少期より父に連れられ、海、山、湖、何でもやらされました。当時はあまり好きではありませんでしたね。学生時代はスポーツを各種やりましたが、社会人になり仕事が忙しくスポーツは相手がいないと出来ないことから疎遠になっていました。

しかし、一人でも楽しめるという理由から、気がつけば釣りを再開していました。里川での餌釣りに始まり、その後、人工物の無い景色の中で釣りがしたくなり源流に興味を持って、源流関係の雑誌で見たテンカラに憧れ、源流釣り/テンカラ釣りを始めたのは40歳近くなってからです。


ー若い頃から釣りに没頭していたというわけではなかったのですね、意外でした!YouTubeチャンネルは「源流居酒屋よーこ」、インスタグラムでは「源流居酒屋たいしょー」とありますが、お二人の関係性や撮影/編集、料理などの分担などをお聞ききしてもよろしいでしょうか?

たいしょーとよーこは夫婦です。動画撮影はGoPro1台で交代で撮影しています。編集は100%よーこです。逆に料理はメニュー考案から調理まで99%たいしょーです。全部自力で作りたいというこだわりはありますね。

最近は、よーこが積極的にメニュー案を出してくれるのでフムフムと参考にしたりもしています。

サラミと乾燥野菜の炊き込みご飯

(左奥から)きゅうりと茗荷の梅しそ和え/きゅうりスティック&ニンニク味噌/カラムーチョ/ピスタチオ/油揚と茗荷のポン酢和え/岩魚刺身

ベーコン、きゅうり、チェダーチーズのホットサンド


ー役割が決まっていて上手く分担なさっているのですね。恥ずかしながら源流テンカラ釣りというものをお二人を通じて初めて知ったのですが、このジャンルを選んだきっかけについて教えてください。

雑誌で見た沢で焚き火をして星空を眺めながら酒を飲む風景に憧れて、源流釣りを始めました。同時に毛鉤一つで渓魚と対峙するスタイルがカッコイイなと感じテンカラを始めました。
よーこはスーパーで売られている肉や魚が綺麗にパッケージされた姿をいつからか不思議に思うようになっていったそうで、そんな時、屠殺場に見学に行く機会があり、見終わった後に「もっと最初から知りたい」という思いが生まれたそうです。それで狩猟と釣りをやろうと決めたとのことでした。
当時、釣りやってる友達は一人もいなくて、いろんなところで釣りやりたいアピールをしていたらしく(笑)
いろんな釣りをかじりかけたところで、シンプルで日本伝統の釣り方であるテンカラ釣りにすごく惹かれ、気付けばこればかりやっています。


ー源流テンカラ釣りをメインとされていますが、ズバリ源流釣り/テンカラ釣りの魅力は何でしょう?

源流へ赴く理由は、釣り以外の自然の豊かさや厳しさを体感出来るからです。もちろん奥地に行けば、無垢な渓魚がウブな反応を見せ、大物が釣れたりもしますが、そこが一番の魅力ではありません。苦労して山を越えた後の手付かずの大自然。木々のざわめき、鳥のさえずり、虫の声、沢の音、焚き火の炎の音、小さな小さな音でも鮮明に聞こえてくる人工的な音が一切ない世界がそこにはあります。
テンカラは、シンプルなんです。竿と糸と毛鉤。毛鉤も多くて2種類。その中であの手この手で魚と勝負するわけです。毛鉤の打ち込み方、流し方、誘い方、浮かせ方、沈め方、合わせ方、、、制約があるからこそ創意工夫の可能性が無限大なんです。


ー制約があるからこそ可能性が無限大。いろんな物事にも応用できそうで深いですね…。逆に源流釣りを始めたての頃の失敗談などありますでしょうか?もしあればそれを踏まえての気をつけているポイントやノウハウなど教えて頂きたいです。

まず、どんな装備を揃え、どんな技術を身につければ源流釣りに行く事ができるのか?が全く分かりませんでした。当初は色んな道具を揃えすぎて25Kgを超え重くてバテていましたね。

体力に自信があっても、常に軽量化を意識した装備にするべきです。余力を残して行動せねばならず、限界にチャレンジしていては命に関わってしまいます。その最大のキモが重量です。

テント→タープ。アルミ鍋→チタン。登山ザック→ULザック。ビール→ウイスキー。生野菜→乾燥野菜。など挙げればキリがありません。その中で、自分がこれだけは譲れないというものだけは、重さを無視して担いで行きます。

私は、よなよなビール、一眼カメラと交換レンズ、ビリー缶は欠かせません。それ以外で重量を削ぎ落とす努力をしています、自重以外は(笑)


ー自重以外はですか(笑)でもハードな源流釣りを定期的に行っていれば、それ自体が体重管理やトレーニングになっていますよね。前の質問と重複してしまいますが、これから源流釣りを始める初心者へのアドバイスやメッセージなどありますでしょうか?

源流釣りには、体力、知識、技術が必要となります。安全管理の様々なセオリーも存在します。やはり経験者に手解きをお願いする方がいいと思います。釣りの会、沢登りの会、怖がらずに門を叩くことをお勧めします。

また、安全に帰ることを最優先してください。そして少しずつステップアップを繰り返してください。一気に高いレベルを目指すのは危険です。

自力で釣行する際には、ネットや書籍などで事前調査をし計画を緻密に立てます。登山のルート記録や沢登りの会の遡行記録などが大いに参考になります。遡行ルート、時間管理、装備、食材、撤退基準、増水時のエスケープルートなど、帰ってきたらそれらの答え合わせをすることで、自身の実力が分かり次の計画へ反映出来ます。足りなかった技術と知識はトレーニングし補うことが必要です。

読図能力&判断力(地図を読む力、現在地が分かるノウハウ、現在地が分からなくなったらどうするか)、ザイルワーク、クライミング、火起こし、ビバーク、滝に落ちたらどうするか、川を渡る技術、、、自分の能力を超える現実を突きつけられたときに如何に平静を保ち対処できるか、、、、等々です。サラリーマン釣行で起こりがちな事故は、どうしても今日帰らなければならない、、、と、雨で増水した川を前に半日〜1日様子を見る余裕がなく、無理に渡渉したり、事前調査をしていない山越えルートに突っ込んで迷ってしまったりという事故が多いと思います。地形図とGPSは必須だと考えてください。

こう話すと何やら厳しい感じがしてしまいますが、現代は調べようと思えば情報は入手できますので、事前の予習や準備をしっかりして臨めばきっと楽しい沢旅になる事でしょう。


ー詳しいアドバイスをありがとうございます。初心者には非常に為になる話です。話は変わりまして、源流居酒屋よーこチャンネルでは料理も見所の一つですが、メニューなどはどのように決めていらっしゃるのでしょうか?先ほど料理はたいしょーさんの役割という話もありましたね。こだわりなどお聞きしたいです。

はい、メニューは私が殆ど決めますが、よーこや同行者の希望を聞くこともあります。

食材と調味料は、最も重い装備の一つですので多い少ないなど無駄が出ないよう緻密な計画を立てます。朝昼晩、全て事前に決めていますが、たくさん釣れた場合の特別メニューにも対応できる調味料を準備しています。

一般家庭とは違い、軽量な食材と調味料で如何に満足感のある料理を作るかが源流居酒屋のこだわりです。自分で発案した物もあれば、料理レシピサイトなどを参考に源流向きにアレンジしている物もあります。

料理の一番のモチベーションは「源流でそんなの作れるの?」というサプライズ感です。その他のこだわりとしては、軽量化と緊急時の燃料確保の意味も含めて、なるべくガスを使わず焚き火で料理をしています。

岩魚の握りずし

岩魚の焼き枯らし(骨酒用)

冷やし中華(お昼ご飯)

ー調理についても制限の中で最大限の工夫をされているのですね。釣りについても料理についても、YouTubeでこういった発信を心がけているというテーマなどはあったりするのでしょうか?

源流テンカラ釣りってすごいと思うんです。こんなに全身で自然を楽しむ遊びはなかなかないんじゃないでしょうか。

しかも実は日本の山岳渓流の地形に特化した釣りで、海外では日本の源流テンカラに憧れて居る人もいるんです。実はもはや日本の文化なんじゃないかなって思っています。

でもあまり知られてないんです。源流釣りってキツイので、若い人はあまりやらないんです。源流釣り師の高齢化が進んでいて、いつか「源流釣り」っていう文化はなくなるかもしれないなあと思っていました。

youtubeでこんな釣りがあるんだよって、文化として残したいという気持ちがありました。
あとは日本の自然の美しさを見てもらいたかったです。写真では伝わりきらないと思って、YouTubeという媒体で動画に残すことにしました。

ネーミングを【源流居酒屋】にした背景は、私達は釣りだけを楽しんで居るんじゃ無いことを伝えたかったからです。また、そのような心持ちで山に入ろうという自分たちへの自戒でもあります。

とかく釣り師は釣れた数と魚の大きさを競いがちです。それだけではなく、釣りを通じて四季折々の自然の美しさ、日本の原生林の美しさ、鳥や動物、山菜やきのこ、採って食べるという人間の営みの基本とその事への感謝を伝えたいと思っています。


ー源流釣りという文化の発信と自然の美しさやそれに対する感謝がテーマということですね。その発信にあたっての映像や写真にこだわりがあるとも伺っております。撮影ではどのような機材を使用されているのでしょうか?また機材の購入にあたって気をつけているポイントや撮影時のこだわりなどお聞かせください。

現在、動画はほとんどGoPro HERO 7 一台で撮影しています。ネックストラップを使用して、視聴者も一緒にその場にいるような、自分で歩いて自分で釣っている臨場感を味わえるような動画作りを意識しています。そのためにも手振れ機能が優秀な機材がいいですね。

また私たちの釣り旅は荷物を軽量化しないければいけないので、多くの機材は持っていけません。充電池を多く持って行きますが、4泊とかになるとやりくりが大変です。

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ー写真についてはいかがでしょうか?

写真はデジイチで撮っています。本体はSONYのα7ⅢでレンズはSEL1635GMやSEL70300Gです。もともと自分にカメラの趣味があったので、これはけっこう良いカメラです(笑)そして重いです。風景、釣った魚、星空写真などの静止画をより高画質で撮影しています。この写真を動画の中に入れ込むと、より源流の美しさを伝えられるように思います。

また近景の写真撮影が多いことから、基本広角レンズがメインで撮っています。撮影のポイントそしてはどこにピントを置くかが重要です。イワナを撮る際は「眼」。料理を撮る際は「盛り付けの一番高いところ」などです。良いレンズでもF値を下げすぎずF4〜5程度で、周辺をボカしすぎないのがコツです。

風景写真や人物などは光の当たるところと日陰の明暗が激しいので、露出をダイヤル調整し易い機種がお勧めです。またF値の低い明るいレンズであれば、暗闇での焚き火動画や星空写真などもバッチリ撮影できます。

GoProは暗さに弱いので夜の焚き火の動画や宴会風景などはこちらで動画を撮ったりもしますね。

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ーカメラのお値段にはビックリです(笑)本当に写真やカメラが好きな方でないと手が出ないような本格的なカメラですね!最後になりますが、これからチャレンジしたいこと、投稿していきたい動画ジャンルなど教えてください

実は来春、20年以上勤めた東京の会社を辞め、中部地方に移住する予定なんです。仕事もこれまでメーカー勤務でしたが、林業関連の仕事に就きます。

それに伴って、古民家の自力リフォームであったり、古民家暮らし(自家焙煎珈琲、草木染め、畑、薪ストーブなどなど)だったりも動画に出来ればと考えています。

また今の源流居酒屋のチャンネルは釣り旅がメインですが、2人とも元々自然の中で遊ぶこと全般が好きです。

狩猟、山菜採り、きのこ採り、海釣り等、動画にしたら面白そうだと思っていることはたくさんあります。実は二人とも猟銃所持者なんです。それとドローン撮影にも興味がありますね。

 

***

 

源流テンカラ釣り以外にもますます広がりを見せてくれそうな『源流居酒屋よーこ』チャンネル。

今回、取材をさせて頂き、釣りや料理・写真/動画撮影に強いポリシーを感じました。そういった強い思いがあるからこそ、共感を呼ぶ面白い作品が作れて、また長く継続していけるのだなと思った次第です。

たいしょーさん と よーこさんの今後のご活躍を楽しみにしています!この度は本当にありがとうございました。

 

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。