戸隠|大自然の中でゆる~いキャンプを。山好き筆者:慶屋

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2018.09.17

アウトドアといえば夏!といった方は多いだろうと思うが、僕は暑さが非常に苦手なところもあり、キャンプをやり始めた頃に数回やって以来夏のキャンプはできる限り敬遠するようにしている。代謝が良い体質のせいか夏場はとにかく蚊に刺される。蚊の習性として、活動が活発になる気温帯があり約20℃~30℃と言われている。夏の昼間は30℃後半まで上がるのでその時間帯は何事もないのだが、夕方辺り日が落ちて少し涼しくなり、そろそろ晩ご飯の用意でもするか~~!といったタイミングで急に活動し始める。いつの間にか刺された足首のかゆみに耐えながらの夕食、夜に寝袋に入ってもかゆみとの戦い・・・。というような感じで、夏はとにかく「暑さ」と「虫」に苦しめらるのだ。とはいえ、夏のカラッと晴れた青空を見ていて、アウトドアが好きな人間が家でおとなしくDVDを見ている訳にはいかない。こういう時は、アクセスのいいファミリーキャンプ場よりは、標高の高いキャンプ場などを選ぶと涼しく過ごすことができる。


というわけで、今回は長野県にある『戸隠(とがくし)キャンプ場』へ。すぐ隣に戸隠イースタンキャンプ場があるが、こちらはまた別のキャンプ場なのでお間違えなく。埼玉県からは関越道から上信越道に乗り約3時間半。長野県は信濃町にある信濃町ICで降りたらキャンプ場まではもうすぐそば、高速を降りてから約20分ほどで到着。こちらのキャンプ場はフリーサイトと区画サイトがあり、下の方がフリーサイトで上に行くと区画サイトとなっている。フリーサイトは傾斜がきついところやトイレの数も限られているので、広い敷地ではあるが設営場所を少し見極める必要がある。区画サイトはもともと牧場であった敷地を綺麗に整地されていて、一つ一つが広めに作ってあるので2ルームテントを持って行ってもすんなり設営できる広さだ。

家を出発するとき埼玉県は雨だった。アウトドアはある意味天気との戦いであったりもする。なにしろ雨や風が強かったりすると設営撤収がなにしろ厄介だからだ。いくら行ってみたいキャンプ場とはいえ。土砂降りや強風の中でテントを張ってキャンプする人などなかなかいないだろう。実はこの日は群馬県にキャンプをしに行く予定だったのだが、ものの見事にまんべんなく雨の予報。しかし、数日前から3種類の天気図を見比べて直前まで予報を見た結果、長野は晴れる!と確信した。雨が降り始める前に、前日夜のうちに車に道具を積み込み、準備をしておいて当日雨の中を出発。関越道を走らせ上信越道に乗る。長野に向かう途中で長いトンネルに入る。雨の中突入したはずのトンネルを抜けてみると雨が止んで晴れ間が見えた。・・・勝った!!読み通り、その日は全国的に雨だったのに上信越・北陸地方だけが晴れていた。天気を読みきったこの『達成感』たるやこの上ない。そんな気分で草原で寝転ぶ。うーん、最高の優越感(笑)こういったことも、僕の中ではアウトドアを楽しむ一つの要素となっている。


ここは敷地内にまだ牧場が残っている。入場料がかかるが、一人200円で入ることができる。種類こそ少ないが広大な敷地をゆったりと過ごしている風景を見ることがきる。うさぎを抱っこしてみたり、ゆったりと歩きながら牧草をむさぼる馬や牛を見ながらホーミーを鳴らしてみたり。牧場の入り口付近に軽食店があり、長野ならではのお蕎麦や、これまた牧場ならではのソフトクリームがいただける。また、車でキャンプ場を出て少し下ったところに「戸隠神社」がある。観光名所で、この日も観光客もとても多くの方が来ていた。今回は山の中にあるという「奥社」に行ってみようと思う。


駐車場に車を止め中に入っていくと、砂利道というか山道というような感じにはなっているが、人が4人くらいは並んで歩けそうなほどの道がひたすら山の上の方へと伸びている。1,2kmほど進んだところに、中間地点というような感じなのだろうか大きな門が見えてくる。そこをくぐると目の前には樹齢100年を超える杉の木が並んでいる。テンションが上がったと同時にどこか背筋がピンと伸びるような気持ちになり、自然の息吹を取り入れるべく深く深呼吸をしてまた歩き始めた。中間の門を超えてから道幅がやや狭くなっていく、すこーし傾斜がきつくなったかなぁ?なんて思っていたら急に手を使いたくなるような坂道、そこから最後のお堂までのラストスパートは少し難易度高めの道になっていく。1000mを超える山でしばらく歩いてきた体にムチを打つように目の前のゴールに向かう。

なんだかんだ考えながらも足を止めることなく進んでなんとか到着。登山に慣れている方にしてみれば大したことのない道のりだったろうが、慣れていない僕にとってはちょうどいい達成感を味わうことができた。振り返ってみると眼下に広がる絶景!!・・・というのを期待してはいたが、道中の木々の背丈が高いので下界を見下ろすというような景色ではなかった。とはいえ、キャンプ場から見上げていた山々が同じ高さに見える。そこそこ上まで登ってきたんだなぁ。優越感にも似た開放的な気分だ。さて、みんなが並ぶ列についていきお参りをしよう。奥社の入口の屋根が見えてくるがその中は巨大な岩をくり抜き、そこに祭壇のようなものがある。最後までちゃんと登りきった自分への労いと無病息災を祈願する。

長野県といえば信州、信州といえば「信州そば」。というわけで、食べに行こうと車を走らせるとさっきまであいていたお土産屋さんだとか、旗が軒並み消えている。なんだか嫌な予感・・・。かろうじてまだ暖簾が掛かっていたお店に入ってみて、店員の方に一言聞いてみると「今閉めるとこでしたけどいいですよ」と。テレビでも何でもないというのになんて心優しい対応!申し訳なさも感じつつ感謝しながら入店しお蕎麦を注文する。安心したところで店内に目をやると、赤みがかった茶色の木材を基調として、暖色のライトで落ち着いた色調。4人がけのテーブル席がいくつか並んでおり、真ん中には一辺に3人が座れる四角いテーブル席、その中心には寒い時期に火を起こすのだろうか囲炉裏がある。実にいい雰囲気のお店じゃないか。


そっくりそのまま、コンセプトカフェだったり、洋酒を用意したバーを開けそうなほどおしゃれな空間だった。信州そばといえばくるみだれで食べるのが良いそうだが、まずは王道を感じてみないと気がすまない性格なので、まずはシンプルにいただく。そばの香りとつるっとしたのどごし、つゆの方も味が濃すぎずサバ節の香りが良く立っていて、文句なしにおいしいお蕎麦だった。ふらっと入ったお店が大当たりだとものすごく特した気分になる。こういう出会いをしたお店とか場所っていうのは、脳裏にしっかりと焼き付くので二度と忘れることはない。次に付近を通る機会があるならば、必ずまたお世話になると思う。次こそはちゃんと営業時間内に・・・。

今晩は何やらキャンプ場でイベントがあったらしく、戻ってみるとキャンプファイヤーをしていた。そんな中こちらといえば、昼間の疲れを癒すようにまずはビールをプシュッ!と。遠くに見る炎を見ながらちょうど良く酔っていく。みんなでわいわい賑やかにするのが嫌いなわけではないが、どちらかといえば、静かに過ごす方が好きなのだ。そろそろこちらも焚き火を始めたいところではあったが、フリーサイトの真ん中に設営してしまったがために周囲のテントとの距離も近く、焚き火は断念した。まぁ、離れたところで”でかい焚き火”があるからまぁいいだろう。


ランタンや焚き火の灯りも少なくなり、周囲の明かりがだんだんと消えてきた。本当なら自分のサイトからボケーっと夜空を眺めたいところではあったが、場内を登って行き、区画サイトエリアを抜けて牧場付近まで行ってみる。光源こそ少なくはなったが、ご丁寧にも、トイレの軒先とぽつんと建てられた炊事場電灯がものすごい光を放っていて、星を見るには正直少し邪魔だった。けど、両手で視界を遮り空に集中するとこれでも綺麗に見える。季節は違っていたとしても、いつもキャンプで見ている星は時間帯が一緒なので、ほとんど同じ星空を見ているはずなんだが、何度見ていてもなぜか飽きない。なにも動かないし、流れ星やUFOでもこない限りなんの動きもないのだが、それでもなぜか飽きないのだ。こればっかりは、僕自身のあくまでも”感性”なのでなにがどう良いかなんてうまく説明はできない。この感じがわかってくれる人にわかってもらえるだけで幸いだ。夏の夜、あまりの心地よさに仰向けで空を見ているうちに少々寝てしまっていたようだ。風邪をひかないうちに寝袋に入る。翌朝は、日の出直前に起きてコーヒーでも飲みながら周囲がだんだん明るくなってくるのを感じながらぼんやり。少しずつ片付けでもしますかぁ~。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。