初心者の富士山登山の準備は、まずは何から?

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2017.05.17

引用:写真AC

日本最高峰である富士山は標高3,776.12m、登山愛好家でなくても一生に一度は登ってみたいと言われる山で人気がありますが、登山初心者が安全に山頂を目指すには色々と入念な事前準備が必要になります。

吹きっさらしの中、強風や急な気候変化、標高による酸素濃度の低下など1,000m級の登山とは全く違った過酷な登山でもあります。

そんな初心者の富士山登山で必要な準備についてご紹介して行きます。

 

富士山登山のベストシーズンはいつ?

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引用:写真AC

日本最高峰である富士山への登山は、残念ながら何時でも出来る訳ではありません。

富士山の開山期間は、以前は7月頭から8月末までの2ヶ月間でしたが、2013年に世界文化遺産に登録されてからは、登山者が増えた事もあり7月初旬から9月10日までと、少しだけ延長されています。

富士山登山のベストシーズンは7月下旬から9月と言われていますが、梅雨明け前の時期には天候が変わり易く初心者の方では避けた方が良い時期になります。初心者の富士山登山は7月下旬以降、8月に入ってから、さらに8月でもお盆のお休み中は、多くの登山者が訪れ混雑し山小屋の予約も難しくなりますので、平日に行かれることをおすすめします。

 

富士山登頂への登山ルートの選定

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引用:写真AC

富士山には大きく分けて4つの登山ルートがあり、それぞれに特徴がありますのでご紹介して行きます。登山時間は、休憩を含まない目安時間になります。

①:吉田ルート (登り約6時間、下り約4時間)
4ルートの中では最も登山者の多いルートで、山小屋も18ヶ所と多く初心者におすすめのルートです。また登山道が登りと下りで分かれていて歩き易いですが、最高峰の剣ヶ峰に行くには一番遠く富士山の火口を回る「お鉢巡り」が必要になります。

②:富士宮ルート (登り約5時間、下り約3時間)
富士宮ルートは登山距離が山頂まで約5キロ程と、一番行程が短いこともあり人気の登山道ですが、登りと下りの登山道が一緒になっているため非常に混雑するルートでもあります。

③:須走ルート (登り約6時間、下り約3時間)
富士山の樹林域からの登山開始となり、富士山の森林限界などの変化を堪能できるルートで、山小屋も吉田ルートの次に多い12ヶ所と登山初心者にもおすすめルートの一つです。ただ8合目から吉田ルートと合流しますので、混雑するのが難点の一つです。

④:御殿場ルート (登り約8時間、下り約3時間半)
登りも下りも登山行程が、最も長いルートで山小屋の数も5ヶ所と全ルートの中で一番少ないのが難点で、中級者以上の方向きのルートとなり初心者の方には厳しいルートです。

 

初心者の富士山登山で必要な装備品は?

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引用:写真AC

富士山への登山は、1,000級の山々での登山とは難易度が違います。標高が高いだけあって気温も低いため、持って行く装備品も防寒を意識したものを中心に準備した方が無難です。初心者の方に是非、装備して欲しいアイテムをご紹介します。

①:防寒用のミッドウェアとアウター
山開きをしたばかりの富士山には、雪が多く残っていて思っている以上に寒いです。標高が高くなるにつれ、さらに気温は下がりますので防寒用のミッドウェアとアウターは保温性能の高いものを必ず用意しましょう。

②:予備の水筒とハイドレーション
富士山山頂への長い行程では、かなりの汗をかいてしまいますので多めの水分補給が重要になります。また標高2,000mを超えると高山病にもなり易くなるため、特に初心者の方は頻繁に水分補給を行った方がより安心です。そこで歩きながらでも、簡単に飲料水が飲めるハイドレーションタイプの水筒がおすすめです。

③:サポートタイツ
サポートタイツは、その伸縮性でサポーター的な役目を果たしてくれるため登山中の足への負荷が軽減されます。富士山登山の場合、初心者向けの吉田ルートでも約6時間以上を登り続けますので、その効果は絶大です。是非、登山開始前にしっかりと準備して欲しいアイテムのひとつです。

 

富士山登山中の高山病への予防について

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引用:写真AC

初心者の富士山登山で、一番気を付けなければならないのが高山病です。高山病になると激しい頭痛や嘔吐などの症状が現れ、無理をして症状が重篤になると命に係わる事もあります。標高が2,000mを超えると発症する可能性があるとも言われますが、高山病になれば折角の富士山登山も断念しなくてはならなくなります。高山病の原因は、標高が高くなり空気中の酸素量が少なくなる事で体内の酸素が欠乏する事と、体内の水分が失われる事と言われています。そんな危険な高山病の予防方法についてご紹介します。

①:すぐに登山を始めない
登山口についても、直ぐには登山を始めず少しだけ休んで高所順応を心掛けましょう。初心者へのおすすめルートである吉田ルートの五合目でも標高は2,305mとかなりの高所になり、何もしなくても高山病になる危険性もあります。薄い酸素の状態に体を慣らすことが大切です。

②:ゆっくりと登る
登山開始から1時間を、意識的にゆっくりと登って更に高所順応させるようにしましょう。

③:呼吸を深くする
イメージ的には腹式呼吸のように、ゆっくりと深く呼吸をして酸素を取込みましょう。

④:水分を多めに摂取
高山病の原因の一つに水分量の減少がありますので、喉が渇いてなくても意識的に多めに水分をとるようにしましょう。

 

不安な初心者は登山ツアーを利用するのも方法

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引用:写真AC

富士山への登山が心配な初心者の方には、登山ツアーがおすすめです。10人程度までの少人数のパーティーを組んでの登山となり、富士山への登山に慣れたガイドの方が先導してくれ、途中でトラブルがあった場合などにガイドの方が対応してくれますので非常に安心です。

ウェブで調べると結構な数の富士山ツアーが掲載されていて、料金も1万円前後からと富士山の過酷な登山をサポートしてくれると考えればかなりリーズナブルに設定されています。またこの富士山ツアーには、初心者だけでなく中級者向けツアーや上級者向けツアーなどレベルに合わせたコースが各種用意されていますので、ご自身のレベルに合わせたツアーを調べてみることをおすすめします。

 

初心者の富士山登山には万全の準備が必要

初心者の方が富士山へ登山する場合の装備や注意点などをご紹介しましたが、特に高山病には注意が必要です。初心者の40%は高山病になるとの統計もありますので、登山前の準備と対策が安全な富士山登山への第一歩です。日本最高峰をゆっくりと自分のペースで楽しむことが大切です。

 

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。