登山初心者の方へ 水筒の選び方とおすすめ!
目次
ザック、登山靴、レインウェアと同じく登山必需品の水筒。
登山中は思った以上に汗をかいていて、4~5時間の日帰り登山でも発汗量は成人男性であれば約2リットル前後にもなります。喉が渇いていなくても、こまめに水分補給をすることで脱水症状を防ぎ安全な登山をすることが出来ます。
そんな登山必需品の水筒にも、さまざまな種類がありますので登山初心者への水筒の選び方とおすすめをご紹介して行きます。
登山での水分補給の必要量と準備量は?
登山する山や天候などの条件によって異なりますが、一般的に登山での汗などによる脱水量は【 脱水量(ml)=5(ml)*×体重(kg)×行動時間(h) 】という公式で計算することが出来ます。計算例として「60kgの方が5時間の登山」をした場合、【 5(ml)×60(kg)×5(時間)=1,500ml=1.5ℓ 】となり、かなりの脱水量になります。人間の身体は約70%が水分ですが、3%の水分が失われると脱水症状が現れると言われていますので、こまめな水分補給が大切です。
登山は有酸素運動ですから、筋肉に負荷が掛かれば発熱し汗を多くかいてしまいます。特に初心者の単独登山の場合には、意識していなくても思っている以上に登山ペースが早くなりがちで注意が必要です。また登山には「汗をかかずに登れ」という、汗による脱水に注意するようにとの格言がある程です。
登山の準備中に行程をしっかりと確認し、必要な飲料水の量を計算しておくことが大切で、更に言えば計算量(ℓ)の小数点以下を切り上げた量の飲料水を持参するのがおすすめです。なので上記の計算を例にあげれば1.5ℓではなく2ℓの飲料水を用意しておくことで、何か不測の事態が起こったとしても対応することが出来ます。
水筒は幾つかに小分けする事がおすすめ
登山の時には水筒を小分けにして持参することをおすすめします。登山初心者の方には、水筒を幾つも持ち登山するのは面倒くさいと言われる方もいらっしゃいますが、小分けにした方が良い理由を幾つかご紹介して行きます。
①:水分補給の目安
登山時期にもよりますが、特に初夏から夏本番の暑い時期の登山では汗をかくことが多く、登山初心者の方は気が付かないうちに水筒内の飲料水を飲み切ってしまう事があり、残りの登山行程に支障をきたす場合があります。水筒を小分けにしておけば、一度に飲み切ってしまう心配がない事と自分の水分補給のペースの目安が分かり、次の登山に役立ちます。
②:水筒の強度に対する信頼性の補填
山の状況によっては登山中に水筒が破損してしまう事がないとも言えません。ザックや腰周り等の取り出しやすい位置に水筒を下げている事が多いと思いますが、岩場の多い登山道などでぶつけたり、落下させてしまった場合に水筒が破損してしまう事があります。水筒を分けることで、水筒破損へのトラブル対応が可能になります。
③:ザックのバランス取り
水筒を小分けにする事でザックの中に収納する手間は増えますが、最近の水筒には色々な形状があり逆に荷物のバランスを取る事に使用出来ます。水筒の種類によっては緩衝材としても利用する事が可能な物もあります。
次の事項からは、登山におすすめの水筒を紹介して行きます。
サーモス FFZ-801F 0.8L
サーモスのスポーツボトルタイプの水筒で内容量は0.8ℓと大き過ぎず、小さ過ぎずと丁度良いサイズで春から秋口までの3シーズンの登山に持って行くには、おすすめの水筒です。
①:真空断熱仕様で保冷
言わずと知れたサーモスの真空断熱仕様になっており、特に初夏から夏場の暑い時期には氷を入れてキンキンに冷した水やスポーツ飲料を入れておける保冷専用の水筒となっています。
②:長い保冷時間
FFZ-801Fの保冷時間は、10℃以下で6時間となっており4~5時間の日帰り登山であれば氷も残るほどの長い保冷が可能です。
③:保護用の専用ポーチが付属
FFZ-801Fには専用のポーチが付属しており、肩紐で首から掛けたりハンディー部分をザック等に掛ける事も可能です。またポーチの底部分が堅牢に出来ており、水筒を落としても大丈夫なようになっています。
④:本体重量が0.4kgと軽量
内容量が0.8ℓあっても、水筒本体の重量が0.4kgと軽量に出来ていて登山装備品での重量負担が少なくおすすめです。
あくまでも保冷専用の水筒ですので、冬場の寒い時期には使えませんが3シーズンを通して使える優れものです。
ナルゲン Tritan 広口0.5ℓ
ナルゲンのプラスティックボトルは、Tritanシリーズをはじめ全ての製品が簡単には割れない本体強度を誇り、登山用の水筒として初心者から上級者まで幅広く愛用されています。
①:落としても簡単に割れない強度
ナルゲンのプラスティックボトルは元々、研究用試薬ボトルの製造から始まっていますので、登山中の落下による衝撃などにも強く割れ難いのが最大の特徴です。
②:液漏れをしない独自構造のキャップ
ボトル本体の強度と同じく、研究用試薬が漏れないようにパッキン無しでも、しっかりと締まる独自構造になっておりザックの中で逆さになっても液漏れをしない優れものです。
③:耐用温度の広さ
ボトル自体の耐用温度が-20℃~100℃までと、どんな環境や温度にも壊れることなく対応が出来ます。
夏の暑い時期には水を入れたまま凍らせても良し、冬場には熱いお茶やお湯を入れても良しと幅広く使えます。ただしボトル本体には保冷保温性能はありませんので、専用のケースを購入する必要はあります。
登山に最適な基本性能を有するプラスティックボトルで、ボトル本体に目盛りが入っているので残量も分かるおすすめのアイテムです。
プラティパス SoftBottle 1.0ℓ
プラティパス社のソフトボトルシリーズの最大の特徴は、登山途中に中の飲料水が無くなったら、小さく丸めて収納できることです。また見た目は、プラスティックバックですが備えている機能は大したものです。
①:3層のラミネート構造で見た目以上に丈夫
薄いプラスティックを3層に渡って張り合わせた構造になっており、先の尖ったような鋭利な物で突いたりしなければ破れることはありません。
②:BPAフリー素材で出来ており安全
BPAとは「ビスフェノールA」という素材で、ポリカーボネートやエボキシ樹脂といったプラスチックの原料になります。ホルモンや神経に悪影響を与える物質として一部の国では使用禁止、または厳しく制限が掛かっているものですが、プラティパス社の製品には一切使用されておらず安全です。
③:そのまま冷凍やボイルしても大丈夫
飲料水を入れて凍らせて登山に持って行ったりしても破裂することなく使用出来ます。また耐熱温度も90℃ありますので、冬場には少し冷ましたお湯を入れても問題ありません。
見た目以上に、高機能なプラスティックバックなので、登山の飲料水用ストックバックとしておすすめです。
安全な登山の為にも、丈夫な水筒を!
水筒にもさまざまな種類がありますが、登山用として選ぶ時は「丈夫」、「軽量」、「使い易さ」を重視して選んで行くとご自身の登山スタイルに合った物が見つかると思います。ただ山では何があるか分かりませんので、命綱である飲料水をしっかりと保護できる少し大き目の水筒を選ぶことをおすすめします。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。