映画は追体験だ!人生観が変わるおすすめ山岳映画3選と番外編1本

2016.11.05

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登山に行きたくても行けないなら、登山の映画を見ればいいじゃない!ということで今回は、筆者が実際に観た登山が主題の映画を「邦画編」「洋画編」「ドキュメンタリー編」に分けてご紹介します。それに加えて、登山が主題ではないけれど、山のシーンが印象的に使われている映画も独断と偏見でピックアップしてみました。観たら人生観が変わっちゃうかも?必見です。

登山が主題!邦画編「劔岳~点の記~」

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新田次郎の同名小説が原作の本作は、剱岳の登頂を目指す人々を描いた作品です。明治末期、陸軍による山岳測量プロジェクトの一環としてこれまで未踏峰とされてきた剱岳に登って測量するよう依頼された寡黙な測量官である柴崎芳太郎を中心に、測量隊や案内人がさまざまな困難に直面しながら登頂するまでが描かれています。所属している陸軍からの圧力や日本山岳会との登頂争いなど、政治的な側面も絡めて語られるところも見どころのひとつです。 空撮やCG処理に頼らず、山小屋やテントに泊まりながら撮影したという丁寧な撮影の甲斐あってか、厳しくも美しい剱岳をありありと映し出すことに成功しています。個人的には、明治末期の登山装備を見て、「あんな装備で登っていたのか!」と驚くと同時に、歩荷(ぼっか)という人々の存在を初めて知ることができた意味でも、観て良かったと思える映画でした。歩荷に関しては、同じく新田次郎の著作「強力伝・孤島」にも描写があります。

登山が主題!洋画編「運命を分けたザイル」

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「ザイル」という単語を一般の人にも知らしめたのはこの作品がきっかけではないでしょうか。切るか切らないか、それが究極の選択になるというザイルの印象を植え付けた本作は、実話をベースにドキュメンタリータッチで仕上げられています。ザイルを切る/切らないというモチーフは、本作以降あらゆる山岳文学にオマージュされていますよね。最近の例でいえば、小栗旬主演の「岳」でも、長澤まさみ演じる山岳救助隊員が同じ選択を迫られるシーンがありました。

しかし本作は、このエピソードがフィクションではなく、実際に起こった実話だという点でその他の作品と一線を画しています。本作でも本人たちがナレーションで参加しており、真に迫った描写が見る者を圧倒します。普段我々が生活し慣れ親しんでいる常識や道徳が山では通用せず、生きていくためには自然の法則に人間が合わせていかなければならない厳しさは、山に登ったことのある人にしか分からないのだということを痛感します。それでもなお人間が山に登るのは、それを超えたところに、通常では感じ得ない命の輝きや強烈な「生」への実感があるからなのでしょう。山に登りたい人もそうでない人も、一度は見ておくべき傑作映画です。

登山が主題!ドキュメンタリー編「北壁に舞う」

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日本を代表する名登山家・長谷川恒男をとらえたドキュメンタリー映画である本作は、1979年に登頂に成功したグランドジョラス北壁での模様が収録されています。約174時間の長きにわたるこの挑戦は、長谷川本人の姿はもちろん、無線で頻繁に連絡を取り合う彼の奥さんとの関係にもぜひ注目してみてください。登山家を身内に持つということがどういうことなのか、という視点でも考えさせられる本作は、あらゆる意味で「映画は追体験である」ということを実感させてくれるでしょう。仮に自分がサンデークライマーであっても、長谷川とともに山に登り、生死の境を垣間見る気持ちになり、観終わったあとは一つの登山経験を終えたような感覚に陥ります。

山が印象的な番外編「楢山節考」

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最後に、筆者が独断と偏見で選んだ「山のシーンが印象的な映画」をご紹介します。今村昌平監督、緒形拳主演の「楢山節考」は原作、映画ともに非常に話題となり、映画は1983年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞しています。貧村の姥捨て山伝説をモチーフにした物語で、緒形拳演じる主人公辰平が自分の母親を山に捨てに行くまでを描いています。貧村の描写もかなり衝撃的ですが、なんといっても母親であるおりんを演じる坂本スミ子の迫真の演技は必見です。終盤、辰平がおりんを山に捨てに行く際に雪が降ってくるのですが、降りしきる雪の中で老婆おりんが一人山に座って辰平を見送る姿は、山の荘厳さをこれ以上ないというほど高めています。

画面に写される山自体は、エベレストやアルプスなどに比べると取るに足らぬほど平凡であるにも関わらず、古くからの人間と山との関わり方について言葉を使わず一瞬で魅せる手腕は、さすが今村監督と言えるでしょう。映画そのものも百点の面白さなので、まだ見たことがないならぜひ見てみてください。

あいにくのお天気の日は登山映画で造詣を深めよう

山岳映画は様々な楽しみ方ができます。純粋に映像美を楽しむものとして、パートナーとの関係を楽しむロマンスものとして、一瞬の判断が生死を左右するサスペンスものとして…。課題解決能力という面でいえば、自己啓発的に楽しむこともできるかもしれません。しかしすべての山岳映画に共通するのは、山の凄絶な美しさと人間のちっぽけさの圧倒的なまでの対比でしょう。結局のところ、自然の前で人間はあまりにも取るに足らない存在であるという事実と、それにも関わらず、心持ちと行動次第で生き抜いていけるという希望は、登山するしないに関係なく、あなたの人生に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。熱くなりすぎましたが、登山に行けない休日は、山岳映画を見るなんて過ごし方もありではないでしょうか。その後の登山も、きっと深みが増すはずですよ。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

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