源流テンカラ釣り たいしょーの想い出釣行記#1山形の源流「最初の装備は重かった」
12月にマウンテンシティ様よりインタビューを受ける機会を頂き、YouTubeチャンネル「源流居酒屋よーこ」の開設経緯などをお話しさせて頂きました。
今後、こちらでは「たいしょーの想い出釣行記」と称して、テンカラ釣りを始めてからの失敗談や体験談などを、少しずつご披露したいと思っています。
これから、源流釣りを始める方の参考になれば幸いです。
テンカラをやってみたい!源流行ってみたい!
憧れの源流風景(山形ではありません)
源流テンカラ釣りをやってみたいと思い、自分で見様見真似で道具を揃え、もちろん毛鉤は釣具屋で購入し、何度も川に通いましたが、釣れません。いえ、その前に毛鉤が前に飛んでいかないのです。
たまたま毛鉤が遠くまで飛んだとしても、別に狙ったポイントがあるわけではなく、したがってどこで魚が食いついてくるかのイメージなんてものもないわけで、たまたま魚がバシャッと出ても、合わせることすらできず、、、というか合わせることが必要だと言うことさえ知らず、ん?今魚が出たよなー、釣れないなー、なんて事をしては、釣れなくてストレスたまるものだから、すぐに餌竿に持ち替えるという繰り返しでした。
このままでは、いつまでたってもテンカラで釣ることができない!
そう思った自分は、とあるテンカラの会の門を叩きました。
釣り雑誌に出てくるようなメジャーな、コワモテ揃いのところには怖くて行けず、和気藹々と楽しそうに取り組んでいるところを選びました。
そこで、キャストの仕方から毛鉤の結び方、魚のつくポイントなど基本的なことを教えて頂きました。そして、何度か日帰り釣行を経験し暖かくなってきた頃に、いよいよ源流泊、そう!恋焦がれた「源流泊釣行」のお誘いを頂きました。
もう仕事帰りに何十回と池袋の登山用品店とアウトドアショップを覗いては、あれにしようかこれにしようか悩んで悩んで、最後は店員さんに背中を押してもらって、総額20万円くらいのお買い物をしてしまいました。
当時の装備は??
一言で言うと、荷物の分担という概念がなく、ほとんど全て個人装備が基本でした。
もしかしたら、遭難対策で全て個人持ちだったのかも知れませんが、当時は言われるがまま準備をしていましたので、本当の所はわかりません。
お互いのイビキがうるさいんだと聞いたことがありますが、個人個人のテントでも安眠妨害するくらい皆イビキが凄かったので、それについては無意味でした。
団体装備といえば、大きなブルーシートくらいのものでしたね。
ザックがパンパン(群馬の渓にて)
2人なのに個人テント(山梨の渓にて)
<源流釣りを始めた頃の装備>
- 鍋、フライパン、ガス、バーナーヘッド、まな板、ナイフ、食器類、調理器具全般
- 1〜2人用テント
- シュラフ、シュラフカバー、アルミマット
- ランタン、ヘッデン、蚊取り線香、プラティパス(水筒)
- 食料、飲み物、調味料
- パイプ椅子
- チェーンスパイク
- 着替え、レインウェア上下
- 釣り道具、釣りベスト、ナタ、ランディングネット、キープ用網
- 70ℓザック(上記を入れる為、必然的に大容量)
- ザックカバー
こんな感じだったので、1泊の釣行でも重量は20kgをゆうに超えていました。
何度かこの会で源流泊に連れて行っていただきました。
しかし、この会は大所帯だったので、御多分に洩れず人間関係に疲れてしまい数年で辞めてしまいましたが、テンカラの基本を教えていただいて感謝しております。
1人で源流泊できるのか?
辞めたは良いけど、1人で安全に源流泊できるのか?
どこへ行ったらいいのか?
悶々としていたある日、登録だけして殆ど使っていないSNSでメッセージが届きました。
「一緒に釣りをしませんか?」
SNSで知り合った人といきなり源流なんて色んな意味で怖くて行けませんので、吉祥寺で顔合わせをしようと言うことで初デートをした時は、かなりドキドキしました。
彼は山形出身でした。
山形県のとある村に、滅多に釣り人が来ない渓流があるとのこと。
そこは彼が山形で就職して青春時代を過ごしていた頃に開拓した場所でした。その後東京の会社に転職して時が経ち、釣りを再開したいが源流は1人では怖いし、都会生活に慣れた彼は車を持っていない。
そう車出しとクマ対策でナンパされたんです。
新しいパートナーと、山形で源流泊!
今なら、こんな草むらにテントは張りません。蚊とムカデと蟻だらけです。(山形)
今じゃ使わないザックカバー(山形)
焚き火料理が下手だった頃の食事。ご飯もインスタント。(山形)
なんのこだわりも感じられないブサイクな焚き火。美しくない。(山形)
彼も、テント派でした。
単独で釣りに行っていたはずなのに、3人用のテントでした。もちろん個人個人でテントを持つのは辞めて、これ一つで寝泊まりしました。後に、割り勘で新型の軽い4人用テントを買いました。まだ、タープ一つで寝るなんて想像だにしていない頃の話です。
初めて源流釣りをする人は、このステップを踏んで良いと思います。
回を重ねるうちに、自分のスタイルが出来てきて、取捨選択して行くようになります。
私の場合、今現在において大きく変わったのは以下の通りです。
◯テント → タープ
ブルーシートを一時使用し、現在はより軽量のタープに落ち着いています。
理由は、テントのポールほど重たいものは無いからです。そして、私達の行く源流テンカラのシーズンは、4〜9月です。春先は寒いですが、焚き火とシュラフ、ダウンジャケットがあれば凌げます。これだけで2kg近い軽量化です。4人用テントは価格も5〜6万しましたね。
◯パイプ椅子 →ウレタンマット
就寝時に敷くマットを、焚き火や食事の時に使用しています。
今は、地べたにマットだけで快適なテン場を探せるようになりました。
これも5〜600gの軽量化です。
◯フィッシングベスト →サコッシュ
好みと釣りスタイルの問題です。たくさんポケットが付いたベストは一見便利そうですが、そもそもテンカラ釣りはシンプルです。荷物が増える元になるので辞めました。現地までの山越えや沢登りの際は、汗を吸って重くなったり、藪に引っ掛かったりして不都合ですし。いざ川に出て釣りを開始する際、わざわざザックから出して着替える時間も手間も無駄です。ベストの重さと余計なものを増やさない効果で、これも随分と軽量化出来ます。
◯ザックカバー(レインカバー) →インナーバック
ザックカバーは、登山の方でも難儀している人が多いのでは無いでしょうか?ちょっとした雨なら凌げますが、土砂降りになると、ザックの外側だけカバーをしても雨水は背中側へと回り込んでザックの中は水浸し、カバーにも水が溜まってズレ落ちてきます。藪漕ぎで破れるし、外れるし、だんだん使わなくなりました。泳ぎも伴う釣りをするようになったので、インナーバックをザックの中に入れ、特に濡らしたくないもの(バッテリー、カメラレンズ、シュラフ)などは、二重に防水しています。
◯登山用ザック →ULザック
丈夫さと軽さは反比例して当然です。ただ、分厚い生地で丈夫なザックは、濡れて水を吸うと更に重くなる傾向があります。前述のようにザックカバーをしない訳なので尚更です。
そんなわけで、今はUL(ウルトラライト)系に近いザックで丈夫なものを探しながら使用しています。
◯調理器具
一番大きく変わったのは、これかも知れません。
以前はガスでの調理が殆どで、ガス欠が不安で1泊でもガス缶を2つ持っていきました。焚き火料理に目覚めてからは、2〜3泊でもガス缶1個で凌ぎます。
そうすると、焚き火の火力に強いアルミ製の焚き火缶(ビリー缶)メインの炊飯と調理になります。
ご飯も料理も美味しく仕上がるようになりました。
山形での釣りはどうだったのか?
尺クラスが、入れ食いでした。(山形)
フィッシングベストを来て、フライの毛鉤で釣るこだわりの無いテンカラ師。(山形)
前置きが、やたら長くなりましたが、山形の釣りは爆釣でした。
車止めから釣り開始ポイントのテン場まで、たったの2時間半の行程でした。後半の1時間は結構な急斜面をトラバースしながらの藪漕ぎでした。
友人は当時餌釣りで自分の下手なテンカラを不思議そうに見ていましたが、やってみる?と聞いても餌釣りの方が釣れると言って聞きませんでした。
しかし結局、4〜5回釣りに一緒に行く頃には、テンカラ竿を握っていましたね。
色々理由がありました。釣具屋にその都度エサ(ミミズ、ぶどう虫)を買いに行かなくていい。実は源流域と言うのは中流域のように餌となる川虫が豊富ではありません。
竿も軽くコンパクトで、餌の調達の必要がないというのが彼のテンカラ転向の理由でした。
そして、岩魚がヒットした時のドキドキ感に2人してハマっていくのでした。
こうして、まだまだ重い荷物を背負って、フライフィッシングの様に毛鉤ケースを4つも持ち歩くような釣りがしばらく続いたのでした。
つづく
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。