キャンプ女子Kajoが行く!〜長野・飯綱山登山レポート〜vol.9

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2018.11.03


こんにちは、Kajoです。

今回の記事は、長野県からお送りしています。
東京駅から北陸新幹線「はくたか」で約1時間半、長野駅に到着します。
到着時刻の22時間際、今回の旅のアテンドの友人から「牟礼駅集合」が掛かりました。
しなの鉄道に乗り換え妙高高原行きの手動ドアの電車に乗り換え、牟礼駅へ。

 

フランスのボーヌのトレッキング記事で、現地のアテンドをお願いした友人との久しぶりの再会を喜ぶ間も無く、言われるがままに準備をし、向かうは飯綱山南登山口

飯綱山南登山口から開始

月が綺麗な夜、ひっそりと冷えゆく秋の飯綱、初めての夜間登山・ナイトハイクに挑戦です。

 

友人「すっごい朝日見ようぜ」

 

それではみなさん改めまして、当日決行・まるでミステリーツアーのような幕開けの長野県・飯綱山への登山の様子をお届けします。

 

装備:

・リュック(Columbia(コロンビア)「ロートン」30L)
・靴(SALOMON トレランシューズ)
・水1.5L
・非常食(フランスパン・パンチェッタ・チーズ・豚汁セット・りんご)
・シングルガスセット
・ナイフ
・寝袋(モンベル アルパインダウンハガー650)
・ヘッドライト、ランタン

 

服装:

・インナーキャミソール(UNIQLO)
・インナーフリース①(薄手のノースフェイス)
・アウターフリース②(ノースフェイス)
・アウターソフトシェルブレーカー(モンベル)
・ショートパンツ(Columbiaコロンビア)

所要時間:5時間

 

な、何も見えない・・・

今回のチョイスは長野っ子の友人セレクト。長野在住の友人が事前に聞き取りを実施、地元で毎年登っているという友人父からは手書きのオリジナル地図を託されました。

 

「幼稚園児でも登る。」
「若いやつは2時間で山頂、1時間で下山」

という友人父からの言葉に、「え〜、すっごく早く着いちゃったらどうしよ〜?」
などと調子に乗った会話をしながらのスタートです。

飯綱山は「北信五岳」と呼ばれる、長野県北部にある聳える5つの山のうちの一つで、それらは飯綱・戸隠・黒姫・妙高・斑尾を指します。

 

第二釈迦如来にお参り

飯綱山は古くより山岳信仰。
13体の石で出来た仏様が、点々と登山道に鎮座されています。
ちなみにこちらの13仏縁起、一つずつお参りすることによって悩み事が解消され、願いが叶うといいます。


ちなみに悩み事が思い当たらなかった
ので、「これからたくさん山に登りたい」という一方的な宣誓的祈願をかけました。


4体目までは余裕でしたが、あれ・・・全然・・・着かない!
この時点で、「早く着いちゃったら〜」などという冒頭のセリフを撤回。

途中は切り株に腰掛けて休憩をしたり、月明かりにうっとりと山の音を聴きながら、
楽しく登ります。

11体目に出会う。「ここまできたら大体5合目!」

友人父に「駒つなぎの場が大体五合目」と聞いていた、第一目的地にようやく到着しました!
登山口からここまで、休憩を2度挟んで1時間半。
足場が見えないこと、距離感がわからないことの2点から、予測スピードより遥かに遅れを取っています。

「友人父の基準タイムおかしいよね・・・」
でもいいんです、急がない・焦らない、安全第一のナイトハイクです。

 

途中、鎖のついた岩場に一人ざわつく

ちなみに途中、あまりにも静かに木々の影の狭間から月が覗く様は、しばらくの間私を励ます風景であり香りであり音となりました。

楽しい楽しい、とルンルンでひたすら登る私に、友人が

「そういえば熊が出るって言ってたな!」

 

!?

 

カラビナでスタンレーのステンレス水筒をカンカンと鳴らしながら歩きます。
音を立てることで、「ここにいること」をアピール。
(熊の行動時間は早朝と夕方〜、熊鈴やラジオを大音量でかける、など熊除け対策は様々ですが、最近の熊には効かないとも言われています)


生き物の気配が確かに多く感じられ、ネズミかなぐらいに思ってたのですが、改めて気を引き締めます。

 

静かな夜の山に、元気づけのための昭和歌謡が響き渡ります・・・。

 

途中、息を飲むほどに凛とした月に出会う

少し細くなった熊笹ゾーンの小道を歩くと、長野市の夜景を一望。
月と木々の影、遠くの山にかかる霧の風景などが幻想的に浮かび上がります。
秋の山の素晴らしい夜の顔を全て詰め込んだかのような景色を見る一本道に、つい足を止めてうっとり。

ここからは残り40分間、本日の最終目的地である山頂手前の広場に向かいます。

と思いきや、途中凄まじい霧が立ち込め、山頂付近に現れる二重の鳥居に到着する頃には地面の岩が凍りはじめ、熊笹や葉っぱはパリパリに!

 

霜の降りる鳥居に注目

そこからさらに5分。
高尾山の現ご本尊は、飯綱大権現から勧請された御不動様だそう。
友人、こういった素晴らしい歴史も知っていたのかと思いきや、これらは全て翌日に出会った玄人たちからの教えです。

 

飯綱神社に到着!

 

登山開始から約2時間、山頂より10分手前の飯綱神社に到着しました。
この付近に、少しひらけたスペースがあるので、夜食にパンチェッタとフランスパン、カマンベールを温めたものを食べ、少々仮眠。
風も出て一際寒さを感じたので、仕込んできた豚汁もチャチャっと調理してあったまり、寝袋に入ります。
たたんで持ってきたモンベルのダウンも導入、それでも寒い。
いくら寝袋就寝・冬キャンプに慣れているとはいえ、今はまだ10月。

私の行動範囲である伊豆・富士山周辺エリアではこの時期考えられない寒さのため、心の準備ができていませんでした。

「さすが長野・・・」

キャンプ女子である私の荷物が少なくても良いように、と友人父に借りた登山用の一式は全てガチ勢向けのものだったので大変助かりました。

 

翌朝、広がる雲海

翌朝・・・ねえ・・・「すっごい朝日出てるよ!!!」
※「すっごい朝日見ようぜ!」と誘われました

隣の寝袋で寝こけてむにゃむにゃ言っている友人よ・・・。


お日様のすでに昇った飯綱神社前から、長野市一望の風景に立ち込める一面の雲海です。


うわああああああ

すっごおおおおおおおお
ヒィッ


よくわからない擬音が喉の奥から絞り出されるような、どの方位を見ても美しい雲海に言葉を失い、原始に帰りました。

 

飯綱神社鳥居と、雲海

1時間ぐらい見とれてました。
悩み事とか無いけど、無いけど!悩み事があったら全て吹っ飛ぶと思う。

8時を回れば続々と登山者の方々が登ってきて、「おはようございます」の挨拶が爽やかに飛び交う山の朝です。

 

ど迫力の霜柱!

朝ごはんはニンニクを焦がしトマト缶を投入、白飯を入れ温めてチーズをかけた簡単トマトリゾット。
りんごもカットして、コーヒーを淹れて、夢見心地で山の空気を楽しみます。

朝日に照らされる今回のチーム

太陽が出たことで、周囲の景色が見えてきます。
飯綱山から望む山々に、期待で胸を膨らませる私たち・・・(お前だけだという声が)

 

次はあの山に登りたい!

ど素人なので、目線の先に見える山が何かも分からぬまま、登りたいっ登りたいっという気持ちが先走ります。
この時、懸命にはしゃぐ私に、丁寧に山の名前と特徴・難易度を教えてくれた山の民、ありがとうございました。とても嬉しい。

神社から10分、山頂を目指します。

朝食の片付けを済ませ、一通りはしゃぎ倒したら、神社から約10分で到着するという山頂へ向かいます。
山頂につづく一本道は、熊笹に飾られ、白樺の木がいかにも土地の特徴を表します。

ついに山頂に到着!

思ったより本当にすぐ!道も良く、するすると来ました。
山頂にはすでに多くの人々が。
腰を下ろし休憩を取る人、山頂で朝食をとる人、思い思いに過ごされている様子が自由でお互いを尊重していてとても良かった。
※初心者なので全てのことに感動しています。

お昼前の山頂の様子

今回登った飯綱山は、山頂1917メートル。
頂上ではコーヒーを淹れ、しみじみと味わいます。
すごく率直な感想としては、
降りたくない。

頂上で出会った犬!健脚です。

午後の予定があったため、山頂では30分ほどゆっくりとし、下山です。

頂上からの戻りの道は、熊笹の一本道

太陽、尊い!
昨夜の冷え込みはなんだったのでしょうか、マメな体温調節が求められるほどの気温です。
なるべく汗をかかないように、降りるときもペースに気をつけます。

アザミかな・・・?

長野の山を歩いて気付きますが、普段私がフラフラと遊びに入っている伊豆の山とは植物の種類が全く異なり、すごく素敵なドライフラワー状態になっています。
山の生態系を守るために、可愛いなあと眺めるだけですが、楽しい。

 

これがフォトジェニック・・・!

・一人でナイトハイクはマジで危険、友人がいてよかった
・秋の夜の長野は寒い、心の準備が必要
・行動食、すごく大事
・夜の山は道が凍る

熊笹を抜けながら、今回の登山を振り返ります。
みんな山を歩きながら何を考えてるんでしょうか?いつかヒアリングをしたいなあ。
ちなみに私は大抵、山で食べるご飯は美味しいなあとか、帰ったらコンポートを仕込もう、などなどごはんのことを考えていました。

 

所々に秋を感じます

帰りの道は、昨日見れなかった景色をひたすら楽しみます。
距離感も、昨夜なんとなく覚えている岩の形やルートで把握できるため、気持ちの余裕が違う!
色づく木々の葉っぱ、落ち葉から覗くきのこや、赤く色づく木の実など、眺めて歩くだけで心奪われます。

色づいた落ち葉で彩られた山道

あまり物欲がなく、欲しいものを聞かれればアウトドアグッズか美味しいものが思い浮かぶ私ですが、この美しさは額縁に入れて一人でこっそりと宝物にして、毎日愛でたいと思うぐらい美しかったです。

黄色に色づいた帰りのくだり道

下りは岩場があるものの、上りに比べて楽でした。
膝に負担のかかるシーンが多数あるので、トレッキングポールがあったほうが良いかもしれません。

 

ひたすら風景を楽しむ

何度も何度も足を止めて、首から下げた一眼レフで今の時期にしか見れない風景を切り取ります(友人が)。
写真も上手に撮れたら楽しいだろうなあ・・・。
ちなみにカメラはNiconのD5000、大学時代から使っています。

 

途中、トレランのトレーニングでしょうか、横を走り抜けるTシャツ姿の男性に感化され、最後の500メートルは走り駆け下りました。
ちなみにすごく筋肉に効きましたので、あまりおすすめはしません

スタートでありゴール地点の鳥居

写真からも伝わるでしょうか、本当に最初から最後まで楽しかったので、ひたすらふわふわしています。

 

ついついガッツポーズ

達成感しかありません。下山のタイムは2時間強、合計5時間ほど歩けば往復が可能です。
明るい時間帯なら、往路はもう少しタイムが早いと思います。あと、休憩たくさんとった!

 

無事の下山に、一礼

昨夜は全くの真っ暗でしたが、改めて無事安全に下山させていただいてありがとうございましたの気持ちを込め、一礼。

そして、そして・・・お腹が〜空いた〜〜!

 

長野といえばおやき!

車に乗った瞬間、猛烈にお腹が空いたと騒ぎ出す私。
友人の案内で長野市西部にある「鬼無里(きなさ)」へ。信州の美味しいもの、食べよう〜〜!
おやきは店によって中身の具材と皮に使用する粉の配合、作り方が違うんですよね。
いやはや、美味しすぎて写真のおやきは全てペロリでした!
帰りは温泉に寄って帰宅。

 

何だか夢を見ていたような、いつまでも朝の雲海と紅葉の黄色のベールの中に包まれているかのような、霊山に囚われたように数日間を過ごしました。

初めての長野での登山、山で出会った「いま見えている山は全部登ってる」玄人の民たちガチすぎる登山グッズを貸してくれた青ちゃん、騒がしい私をアテンドしてくれたフランス帰りの友人、皆のおかげで楽しく過ごすことができました。
ありがとうございました。

次回は同じく長野から、妙高山・温泉を目指してハイキングの様子をお伝えします!

 

文・Kajo
写真・Kei Sakata

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

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ライターの写真
Kajo
静岡県・伊豆出身。重度の放浪癖有り、海外経験は延べ25カ国に及ぶ。食中毒に4回当たるもめげぬ真性マゾの精神力と、「アルゼンチンは近い」と言い切るフットワークの軽さが売り。直感と好奇心をもとに、純粋に観察し大胆に発信をする。最近は岩場に住んでいる。