MSRでソロ用テント&シェルターを選ぶならこれ!テント選びのポイントも合わせてご紹介
目次
山岳テントをひと言で例えると、「山での生活を可能にする道具」と表現できるでしょう。
衣・食・住を野外で楽しむアウトドアにおいて、住を担うのがテントです。自然の環境に耐えられる強靭さや携帯性、快適性が問われるのは、他の山道具と同じこと。ソロキャンプやソロ山行でも、求められる機能に違いはありません。
「少しでも信頼のおけるテントを選びたい」と、誰もが考えることと思います。
そこで本記事では、信頼性に定評があり、各分野のプロからも指名されるMSRのテントをご紹介します。テント選びのポイントも解説しますので、テントの基本を知っていただけるでしょう。
ぜひテント選びの参考にしてください。
MSR(Mountain Safety Research:マウンテンセーフティーリサーチ)とは
MSRはアメリカ合衆国ワシントン州の登山用品メーカーです。クライミング用品の安全性と信頼性の研究を目的に、ラリー・ペンバシーにより設立されたのは、1969年のこと。
70年には、アルミニウムシャフトを採用した初のピッケル「イーグルアイスピッケル」を発売。登山用としては初の分離型ストーブや、1973年に発売した「マウンテンテント」は、遠征登山や救助活動に従事するプロフェッショナルに指名されました。
中でも、1982年に登場した分離式ストーブ「ウィスパーライトインターナショナル」は、MSRの象徴的存在として多くのバックパッカーに愛されてきました。燃料は無鉛ガソリン、ホワイトガソリン、灯油の3種類を使用でき、シンプルな構造はメンテナンスも容易で、耐久性に優れていたからです。
MSRの製品は総じて信頼性が高く、過酷な環境下でも安心して使用できるでしょう。それは、今回ご紹介するテントでも同じことが言えます。
MSRは現在、テントやストーブのほか、スノーシューやショベルなどのスノーギアも展開しています。
ソロ用テント選びはここをチェックしよう
テントを選ぶ前に、まずはテント選びのポイントを確認しておきましょう。
テントの種類
テントは構造により、いくつかの種類に分けられます。
- ダブルウォールテント
- シングルウォールテント
- 自立型
- 非自立型
どのテントにも一長一短がありますが、初心者がテントを選ぶなら「ダブルウォール+自立型」テントをおすすめします。
ダブルウォールの自立型テントがおすすめ
ダブルウォールテントは、通気性のよいインナーテントと防水性の高いフライシートを組み合わせたテントのこと。二重構造で結露しにくく、前室があるため使い勝手がよいのが特長です。
また、自立型テントはポールを交差させ、立体的に設営します。そのため、非自立型テントと比べて設営が簡単で、どんな地面でも立ち上がります。設営場所を選びません。
重量や収納のコンパクトさでは「シングルウォールテント+非自立型」に敵いませんが、最近では1kgを切るダブルウォールテントも増えてきました。
もしテントの種類選びに迷った場合は、「ダブルウォール+自立型」を選べば間違いないでしょう。
使用人数:居住性と軽量化
テントの種類が決まれば、次に使用人数を選びましょう。どのくらいの広さのテントを、何人で使うのかを考えます。
もちろん広いほうが快適ですが、その分だけ重量が増します。しかし、ソロ用途であっても、重量や収納サイズを許容でき、快適性を重視するのであれば2人用以上のテントがおすすめです。
快適性を重視するなら、ソロ用途でも2人用以上がおすすめ
筆者の主観も多分に含まれますが、1人用テントはかなり窮屈です。その窮屈さは、次のデータを見れば想像していただけるでしょう。
経産相の「主要寸法項目の年代値別平均値」によると、男性の肩幅の平均値は約45cmです。それに対して、テントの1人あたりのスペースは、JIS規格で180cm×55cmと定義されています。
これでは、テント内に荷物を置くと、ほとんど余分なスペースがありません。快適性を重視するなら、2人用以上のテントをおすすめする理由がここにあります。
もちろん、装備の軽さやコンパクトさを重視するなら、1人用テントやシェルターを選んでください。
この他にも、テント内の高さや重量などのバランスも考慮したいところ。重量はダブルウォールテントで2kgを切れば、十分に軽量といってよいでしょう。
3シーズン用か、4シーズン用か
テント選びにおいて、春、夏、秋の3シーズン用か、1年を通して使える4シーズン用を選ぶかも悩ましいところです。もし、春〜秋にかけてのテント泊がメインなら、3シーズン用モデルを選びましょう。
春〜秋のテント泊には3シーズン用がおすすめ
4シーズン用テントは「通年使用できる」とうたっていますが、実際には冬用テントです。厳冬期の環境に耐えられる素材や構造で作られているため、重量があります。もし、夏山登山に4シーズン用テントを使うのであれば、体力の消耗を覚悟しなければなりません。夏場に4シーズン用テントはオーバースペックなのです。
MSRのおすすめソロ用テント6選
テント選びのポイントをふまえた上で、ソロ用途に適した1人〜2人用テント&シェルターを厳選しました。テント選びの参考にしてください。
BACKPACKING TENTS:バックパッキングテント
軽量で優れた居住性を兼ね備える、3シーズン用テントのシリーズです。キャンプやハイキングで初めてテントを選ぶ人は、こちらのシリーズから選ぶとよいでしょう。
ELIXIR™ 2:エリクサー2
コストパフォーマンスの高い入門用テントです。やや重量があるものの、エリクサーはバックパッキングテントシリーズで、最も高い居住性を誇ります。
2本のポールを交差させるオーソドックスなドーム型テントの構造ですが、エリクサーは天井に短いポールを追加することで、室内空間を確保しました。耐久性も高く、価格や扱いやすさのバランスがよいモデルです。
HUBBA HUBBA™ NX:ハバハバNX
軽さと居住性を両立させたベストセラーモデルです。定員は2名、十分な空間を備えながら、総重量は2kgを切る軽量テントです。
ポールはイーストン社の「サイクロンポール」を採用しました。このポールは弾力性が非常に高く、高い耐風性を備えます。また、フロアやレインフライには「エクストリームシールドシステム」というコーティングを施し、耐水性も高めました。初心者にもベテランにもおすすめできる、完成度の高いモデルです。
MINIMALIST SHELTERS & WINGS:ミニマリストシェルター&ウイング
何よりも荷物の軽量化を優先したい、ミニマリストやウルトラライトハイカー向けのシェルター&タープのシリーズです。
THRU-HIKER MESH HOUSE 1:スルーハイカーメッシュハウス1
総重量:410g
フロア面積:1.86m²
室内最大高:96cm
収納サイズ:20×10cm
自立:×
総重量410g、収納サイズが20×10cmと、圧倒的な軽さとコンパクトさを備えるシェルターです。設営にはトレッキングポールや立木を利用し、ペグを打つことで自立します。本体はメッシュ生地で防水性がないため、ソロ用タープと併用するのがよいでしょう。
初心者には扱い方がやや難しいですが、とにかく軽量なシェルターを探している人には、願ったり叶ったりのモデルではないでしょうか。
THRU-HIKER 70 WING:スルーハイカー70ウイング
総重量:460g
フロア面積:6.5m²
室内最大高:可変
収納サイズ:23×10cm
自立:×
最大3人まで使用できる軽量タープです。先述のメッシュハウスとの組み合わせや、シェルターさえ利用しないタープ泊におすすめ。高温や高湿に対して優れた耐性を誇るエクストリームシールドシステムを採用し、耐水性も十分です。
ALL-SEASON TENTS:オールシーズンテント
耐久性が高く、厳冬期の登山にも耐えられる4シーズン用テントのシリーズです。冬場のテント泊を計画している人は、参考にしてください。
ACCESS™ 2:アクセス2
雪山登山やバックカントリースキーに対応した4シーズン用テントです。シンプルなフレーム構造で簡単に設営でき、両サイドの台形フレームにより、積雪に耐えられる剛性を確保しています。
居住スペースも十分。それでいて重量は1.86kgとハイスペックなテントです。MSRテントの中で、冬季テント泊の入門に最もおすすめのモデルといえるでしょう。
REMOTE™ 2:リモート2
厳冬期の長期登山に対応した4シーズン用テントです。先ほどのアクセス2に、より強固な耐風性能や、深い積雪にも耐えられる強度をもたせ、同時に快適性もアップさせたモデルです。冬季登山に挑戦するベテラン向けのモデルといえるでしょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。
日本オリエンテーリング協会 読図・ナヴィゲーションスキル検定:シルバーレベル|フルマラソンベスト:3時間29分|将来、狩猟にも挑戦すべく「第1種銃猟免許」と「わな猟免許」を2018年に取得したものの、都市住まいではなかなか活用できないのが悩みの種。 https://takashi-kawaguchi.com/