山林が売れない!所有者が困ったときの3つの処分方法で確実な売却を目指す!
目次
山林を売ろうとしても、売れないケースは少なくありません。
なぜなら山林は一般的に市街地から離れており、運用のためには山林運用の知識を要するからです。家を建てる場合も宅地化が必要な条件となってしまいます。
お店や会社が利用しようと思っても、市街からのアクセスが不便なケースが多いです。利用のためにはお金をかけて、木の伐採や土地の調整を行わなければいけません。
結果として一般の人や会社から、「土地は欲しいが山林ならいりません」と言われてしまうわけです。
山林を売ろうとしても売却できず困ってしまったときは、一体どうすればいいのでしょうか。
この記事では山林所有者が困ったときの処分方法を3つご紹介します。
山林が売れない!困ったときの3つの方法をご紹介
山林が売れないと「山林の処分はできない」と諦めてしまいがちです。
安心してください。山林の処分方法は何も売却だけではありません。売れないと困っているときは別の方法で対処すればいいのです。
山林の売却ができず困っているときは、以下の3つの方法を検討しましょう。
- 相続放棄
- 寄付
- 山林の引き取り
3つの方法の中にはタイミングが限られているものもあります。
売却以外の方法を上手く活用するためにも、手続き方法だけではなく「その方法が使えるタイミング」についても知っておくことがポイントです。
【山林が売れないとき①】裁判所で相続放棄する方法
山林が売れないときの対処法のひとつに相続放棄があります。相続放棄とは相続時に裁判所でできる「遺産すべてを受け取らない」という手続きです。
相続放棄をすることで山林を含む遺産を手放せます。自分が相続人に該当するケースは相続放棄を使って、売れない山林を処分することが選択肢のひとつになるのです。
相続放棄の手続きは前述した通り裁判所で行います。ただし使うための条件やタイミングがあり、山林処分の際は知っておきたい注意点もあります。
山林が売れないときに相続放棄する|手続きの流れ
相続放棄は裁判所が管轄する手続きです。手続きには相続放棄の申述書といった書類が必要になります。
申述書(手続きの申込書のようなもの)は、以下の年齢に合わせて裁判所ホームページからダウンロード可能です。
申述書の他に、相続放棄する人の戸籍謄本などを添付しなければいけません。
相続ケースによって、申述書に添付する書類が変わってきます。どの書類が必要かは、裁判所のホームページで確認可能です。
まずは相続放棄に必要な書類を確認し、申述書をはじめとした必要書類を準備するところからスタートしましょう。
必要書類がそろったら、収入印紙800円分(相続放棄1人分)と切手を添えて提出します。必要な切手については手続き先の裁判所に確認してください。ケースによって必要な切手が変わってくる可能性があります。
相続放棄に必要な書類を提出すると、以下の流れで手続きが進みます。
- 相続放棄の照会書が届く
- 照会書を記載して裁判所に返送する
- 続放棄申述受理通知書が届く
続放棄申述受理通知書は、相続放棄の手続きを確かにしたことを示す書面です。この書面が届けば相続放棄は無事に終わったことになります。
途中で出てくる照会書とは、アンケートのような簡単な書面です。
相続放棄についての質問が書かれていますので、必要事項を記載してから送り返してください。返送を忘れると手続きが進みまないため、注意が必要です。
相続放棄は「遺産を受け取れない」「期限」など3つの注意点がある
相続放棄には「遺産を受け取れない」「期限」「必ず認められるわけではない」という3つの注意点があります。
相続放棄は相続を放棄する(遺産を放棄する)ための手続きです。相続放棄をすると山林だけではなく、預金や有価証券といったその他の遺産も一切受け取れませんので注意してください。
たとえば山林以外にも多額の預金がある場合は、相続放棄をすることで預金まで放棄することになります。手続きにより後悔しないようにしてください。なお山林だけの相続放棄はできません。手続きの際は慎重に判断する必要があります。
相続放棄には期限もあります。相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」という期限が定められているのです。
基本的に相続から3カ月以内がタイムリミットだと考えて、余裕を持って手続きを進めてください。相続放棄は、弁護士や司法書士に依頼することも可能です。
相続放棄は必ず認められるわけではないという点にも注意が必要です。山林を相続放棄したくても、遺産を使い込んだり、処分したりすると認められない可能性があります。
【山林が売れないとき②】寄付で処分する方法
売りたくても売れないときは「他人にあげてしまう」という方法があります。いわゆる寄付です。
寄付といえばお金を授受する印象はあるかもしれませんが、山林のような不動産を寄付することも可能です。
団体の中には寄付を受け付けているケースもあります。自治体も寄付を受け付けていますので、売れない山林を寄付の受付先に相談して「あげてしまう」ことも方法のひとつです。
山林が売れないときに寄付する方法|寄付の流れ
山林が売れないときに寄付を考える際は、寄付先に話を通しておく必要があります。
例えば少額を寄付するときなら、募金箱にそのまま投入すればいいだけです。また災害の際に金融機関を通して寄付する場合は、あらかじめ準備されている口座へ手順に従って振り込みをします。つまり事前に相談することはあまりありません。
山林の場合は不動産ですから、少額を募金箱などに寄付するケースとは訳が違います。寄付された先は山林の維持や活用を考えなければいけません。固定資産税や贈与税といった税金の問題もあります。そのため山林のような不動産を寄付するケースでは、事前に寄付先へお伺いを立てておくことが基本です。
寄付先に話して「山林を受けとります」という話になったら、山林そのものや権利関係を寄付先に引き渡すという流れになります。
寄付には「受け取ってもらえない」といった注意点がある
売れない山林を寄付によって処分するときは、「そもそも寄付を受け付けてもらえないケースがある」ことに注意が必要です。
寄付はあくまで寄付であり、押し付けではありません。自治体や団体に売れない山林の寄付を申し出ても、寄付を断られるケースもあります。なぜなら寄付対象の山林は「売れない山林」だからです。
すぐに売れてしまうような山林であれば、自治体や団体も利用価値を認めて寄付を受け付けてくれる可能性があります。しかし売れない山林の場合は、寄付を受けた先で維持管理に労力や金銭を費やさなければいけません。売れないもののために、金銭や労力を費やそうと考えるでしょうか。
価値のないもの(もらっても嬉しくないもの)を寄付として受け取る自治体や団体は、まずいないはずです。売れない山林の場合は寄付を打診しても「いりません」と即座に断られる可能性が高く、寄付は極めて難しいことになるでしょう。
ただし方法としては可能です。山林を欲しがっている団体や山林を運用している団体に根気強く声をかけてみれば、もらってくれる受け入れ先が見つかるかもしれません。
なお寄付の際は先方に話を通しておくことも重要ですが、税金や手続きも重要です。税理士や弁護士といった専門家にも相談しておくと、スムーズに寄付できます。
【山林が売れないとき③】引き取りサービスを利用する方法
山林が売れないときは、「サービスを利用して誰かに引き取ってもらう」という方法もあります。
寄付と同じではないかと思うかもしれません。引き取りサービスの場合は、引き取ってもらう側(売れない山林の所有者)がお金を払って引き取りしてもらうという点で違いがあります。
山林がどうしても売れない、だからこそお金を払って引き取ってもらうわけです。所有が負担になっている山林の場合、お金を払ってでも引き取ってもらった方が特になるケースも考えられるのではないでしょうか。
たとえば売れない山林の維持管理(税金含む)に、毎年50万円ほどかかっているとします。山林を引き取ってもらうためには30万円かかると提示されました。この場合だと山林引き取りサービスへ30万円払って、手早く山林を引き取ってもらった方が明らかに負担は軽くなるわけです。
仮に山林引き取りサービスへの支払いが50万円を上回っていたとしても、売れない山林の維持管理費用は2年で100万円になります。3年で150万円になるわけですから、将来的にかかる費用と比較すれば負担減になることでしょう。
山林が売れないときに引き取りサービスを利用する方法
山林が売れないときに引き取りサービスを利用する場合は、サービスを提供している会社に相談しなくてはなりません。
サービス提供会社は山林を欲している人とつながりがあります。山林引き取りサービスを通じて山林が欲しい人や会社に引き取ってもらうという流れです。
手続きの流れは、山林引き取りサービスを提供している先によって違う可能性があります。まずは提供会社に相談してください。相談時に手続きの流れや引き取り時にかかる費用についても、しっかりと確認しておきましょう。
売れない山林を引き取りサービスで処分するときは「費用面」に注意する
山林の引き取りサービスは基本的に有償です。引き取ってもらうためにはある程度の費用負担が発生するので、十分に注意してください。
山林を売りたいけど売れない人の中には、
- 「山林を売ることで資金調達したい」
- 「いらないといっても不動産だから、相応の価格で買い取って欲しい」
と考える方もいらっしゃることでしょう。
山林引き取りサービスを利用した場合は、山林売却による資金調達は難しくなります。むしろ引き取りのための費用負担が発生しますので、「どうしても売りたい」という人には不向きです。
また引き取りのためには、手続きも含めてある程度まとまった金額が必要になる可能性があります。まとまった資金を準備できるかも考えたうえで、サービス提供先に相談してみましょう。
山林が売れないときは売却方法を見直すことも重要!売却をもう1度試す
山林が売れないときは「売却は不可能」と諦めがちです。
本当にそうでしょうか。
山林売却に一度失敗しても、その後に再挑戦することによって「売れない」が「売れた」になるケースもあります。
もし山林が売れないことで悩んでいる場合は、以下のポイントに注意してもう一度山林売却に挑戦してみましょう。
山林が売れないときは売却相談先を変える
山林が売れないときは、相談先が相応しくないことがあります。
たとえば「山林を売りたいなら不動産会社だろう」と思い、大手の不動産会社に相談したとします。しかし不動産会社からは、「山林は売れません」と言われてしまいました。相談先が大手だったため、所有者は自分の山林が売れないものだと思い込んでしまったのです。
不動産会社は業務内容や、力を入れている不動産の種類がそれぞれ違っています。また不動産会社によっても、扱いに差があるのです。宅地やマンションに力を入れている不動産会社に相談した場合、山林売却はどうしても難しいことになるでしょう。
しかし山林も扱っている不動産会社に相談すると、あっさり売却が成立することもあります。一度相談して断られた際や売れなかったケースの場合は、別の業者にも相談してみるといいでしょう。
山林所有者が身近にいれば情報収集する
山林所有者が身近にいれば、その人に山林売却について聞いてみてもいいでしょう。いわゆる情報収集です。
たとえば息子が父親所有の山林を相続したとします。息子は実家から離れて暮らしており、実家付近の山林事情には詳しくありませんでした。
実家の周囲には山林を所有している家が多いため、実家のご近所や亡父の友人に山林の売却について聞いてみたのです。結果、山林売却を扱っている不動産会社を教えてもらえました。
山林を所有している人のところには山林の情報が集まります。
わからないことがあれば、実際の所有者から情報収集する。大切なことです。
売れない山林を売るためにも、売れる会社や実際に売った方法を聞いてみてください。山林を欲しがっている会社や、個人の情報を教えてもらえる可能性もあります。
山林が売れないときの対処法まとめ
山林が売れないときは、「相続放棄」「寄付」「引き取りサービス」という3つの方法で処分できる可能性があります。
相続放棄は期限があり、相続時にしか使えないような注意点も多いです。所有している山林の特徴や事情を考えて、適切な方法を選択することがポイントとなります。
売却についても、「一度目で売れないなら今後の売却は不可能」と決めつけるのは早計です。相談先の会社や情報収集次第では山林が売れる可能性もありますから、売却についても相談先を変えてみましょう。二度、三度と挑戦することが重要です。
再度の売却に挑戦しつつ、寄付などの方法も同時並行で探ってみてはいかがでしょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。