キャンプ女子Kajoが行く!〜初めての北アルプス②山小屋滞在編〜

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2019.12.07

皆さんこんにちは!ライターのKajoです。

突然ですが、「山小屋」って利用したことありますか?
私は山に登る際、宿泊を伴う場合でもテント泊しか経験したことがありませんでした。

そう、いわゆる山小屋バージンです。

人見知りの私には、山小屋は”みんなでワイワイ”のイメージがあって、ハードルが高かったわけです。そもそも、山小屋ってどういうところなの?
今回は太郎平小屋さんに取材のご協力をいただき、初めての山小屋宿泊記録をお届けしたいと思います。

 

小屋前からは、雲ノ平に黒部五郎、遠くに鷲羽や水晶岳まで見えます

前回の折立から太郎山までの登山記録を残した「初めての北アルプス登山編」で、永遠に坂に踊らされ続けた太郎坂を越え、たどり着いたのがこちら、太郎平です。

立山連峰の太郎山周辺を指して「太郎平」と呼ばれています。
名前はその昔「太郎兵衛」と呼ばれた人に由来します。標高2300メートル、北アルプス西域のいわゆるベースキャンプのような場所です。

 

 

そして本日のベースとなる、太郎平小屋がこちら。
め、めちゃめちゃ小屋構え、強そう。年季が入っている。

 


「お疲れ様です〜!」

玄関を入れば、スタッフの方からのありがたいお声がけが・・・沁みる〜!
お、邪魔しま〜す!
入ってすぐの右手には、売店が。
食堂とは別に、すぐ食べられるようなパンが売っていたり、飲み物も冷えてます。
チョコにカップ麺、クラッカーなんかもある、嬉しい〜!
そして眩しい、生ビールのサーバーです!!
ジョッキで提供される生ビールをお目当てのお客さんも多いのだとか。でしょうよ、でしょうよ!薬師岳を臨みながらの一杯を想像してみてください、最高でしょう?

 

見上げれば料金表。素泊まりや食事付きなど、オプションも多めです。
山小屋に泊まる際は、HPや電話で事前に予約をしましょう。
太郎平小屋の収容人数は150人ですが、夏のハイシーズンには余裕で埋まるというので驚き・・・。
ちなみに、宿泊予約をしたものの体調不良や悪天候で向かうのを断念した場合、可能な限り事前連絡がマストです。

中も気になるところですが、まずは小屋の周辺をぐるり。


小屋を出て右手に回ると、黒部五郎岳に向かう道と、薬師沢へ向かう道の分岐が奥に見えます。
食堂の裏には、沢から引いた水が流れています。
奥には水洗の清潔なトイレもあるんですよね、ありがたや。
こちらの道沿いにはニッコウキスゲの群生や、今年は当たり年だったというコバイケイソウがたくさん咲いています。少しお散歩するだけでも楽しい。


到着の喜びと、山小屋周辺の景色に気を取られていたものの、背負っていた荷物をどうにかせねばと靴を脱いで玄関を上がり、登山靴を下駄箱へしまいます。



事前情報として、山小屋の基本は大部屋と聞いていました。
雑魚寝、雑魚寝か・・・?!とビクビクしていましたが、

あれ。スペースちゃんと、ある!

 


受付を済ませたのち、スタッフの方の丁寧な案内を受け奥へ進むと、番号の振られた二段ベッドが続く宿泊スペースが現れます。
布団を一枚敷いて、荷物も置ける程度の空間は確保されており、ちょっと拍子抜けしました(ぎゅうぎゅうで寝るのかと・・・)
夏の登山シーズンや秋の紅葉のシーズンなどは、かなり混雑する日もあるそうですが、私がお邪魔した時は比較的余裕があったように感じます。

荷物を置いて身軽になったら、近くに散策に出掛けましょう。


太郎平小屋を出て左に進むとキャンプ場があるとのことで、覗いてきました。
小屋からは木道が渡っており、めちゃくちゃに歩きやすいです。
足の疲労もなんのその、この歩きやすさと言ったら!テン泊でも、移動における精神的なダメージをあまり受けないのではないでしょうか。
ひたすら木道を歩いて15分、テントがちらほらと見えてきました!


まだ登山シーズンに入る前の午後の時間帯ということで、ちらほらという感じですが、シーズンには空いたスペースがカラフルなテントで彩られるとのこと。
新緑の美しい中に、これは映える(わかる)。

ここから5分も下らぬうちに、到着しましたテントサイト!


正確には「薬師峠テント場」なんですね。太郎平から薬師岳に向かう途中、20分ほど歩いた先にあります。管理は太郎平小屋で行なっているそうです。

夏の登山シーズンには出張所が設けられ、受付を済ませることができます。
水場あり、トイレあり、そしてなんと・・・


沢の水でキンキンに冷えたビールあり!※夏季・出張所にて販売

誘惑、多すぎない?

薬師岳にも登ったのですが、改めて記事にさせていただくことにして・・・
来た道を一度戻り、今度は太郎平小屋の裏側、「太郎山」まで行ってみます。

なんと太郎山で、「雷鳥を見た」と言う方が結構いらっしゃってですね。
雷鳥の遭遇率が比較的高いことで知られてるんですね、天然記念物ですよ、尊い!

見たい。

と言うことで、私わりとこの一夏を賭けて雷鳥を見るミッションに情熱を注いでいたものの、実際に見れたのは一瞬、しかもオスのみ。

「雷鳥に出会えないんだ。」

と嘆く私に、「太郎からの下山時に見たよ」と友人から写真が送られて来ました。
みなさん、これが雷鳥(オス)です。


え、しっかり太郎山から折立への下山道だし・・・

「薬師岳に行くときは子連れを見たな〜あ、雷鳥の鳴き声知ってる?ビデオ撮ってるから見せ「だが断る!!!」

そう、全ては運です、運。私の場合雷鳥を求めすぎて捕食者と見紛うほどの殺気を出しているのではないか説」が出ました。

来年の夏に期待するもん、いいもん。(と言いつつ送ってもらった雷鳥の写真は全て保存した)

雷鳥探しに精を出しすぎて、太郎山のピークの写真を撮り忘れました。
渋い木彫りに「太郎山」の文字、標高は2,373m、富山湾を見下ろす気持ちのいい場所です。


高山植物のイワカガミも、ちょうど見頃でした。可憐なその姿の虜に・・・!

と、太郎山散策を楽しんでいた私ですが、道中で突然の雨に降られまして。
山の天気は崩れやすいことは誰しもが知っていることです、私のゴアテックスが活躍します。

太郎平小屋に着き、濡れちゃったやだなあと思っていると、乾燥室を案内していただきまして・・・


カラフル〜〜!
中には暖房器具が置かれ、湿度の高い濡れたウェアが、数時間もすればカラカラに!
これは誤算、とても嬉しい誤算!濡れたウェアにしょんぼり袖を通さなくっても良いなんて嬉しすぎる。

山小屋内には乾燥室の他に談話室(自炊可)・医療室・食堂(約70名収容)・水道・トイレなどなど、宿泊先として申し分ない設備が揃っています。

床はピカピカに磨き上げられ、うっかり滑りそうになってしまうほど。
毎日、山小屋に勤務している皆さんが隅々まで丁寧にお掃除されているそう、納得です。

なんやかやと散歩・散策に夢中でしたが、そろそろ夕食の時間が迫っていました。

食堂に向かうと、テーブルにずらりと準備された美味しそうなご飯・・・!

この日のメニューはトンカツです!揚げ出し豆腐に、春雨の中華サラダ、マカロニのサラダにフレッシュなオレンジまで。標高2,000メートルを越える場所で提供されているとは思えないメニューだ〜。
ちなみに、お味噌汁とご飯はおかわり自由!
そしてなんといってもおいしい、嬉しい限りです。


そうそう、せっかくなので一泊二食付きでお願いしました!

21時消灯の太郎平小屋は、それ以降の時間帯にはヘッドライトを点けて移動します(トイレなど)。
夜には天の川が見れたり、富山の街を見下ろせば綺麗な夜景が見れたりと、小屋でゆっくり過ごすのも、良いなあ。ウトウト。

 


ウトウト、していたらあっという間に朝でした。超・快・眠!
この過ごしやすさは格別です、山小屋を利用される方のお気持ちが理解できました。

そして一人でも、全然問題がない!

昨日と同様、食堂で朝ごはんをいただいて(同じく、ご飯・味噌汁はセルフサービス、らっきょうと梅干しも付きます。モリモリ食べました)毎夕に更新される手描きのホワイトボードに書かれる山の天気を確認して。
荷物を持って、いざ・・・


って、ええ?!ラジオ体操〜〜〜!?

登山客も参加可、天気の良い日には小屋前の広場でラジオ体操が行われます。
小学生以来のラジオ体操、まだ少し肌寒い山の空気を胸いっぱいに吸い込んで、今日1日が私にとって特別な日になる予感を胸に、太郎平を後にする登山客の皆さんをお見送りしました。

山小屋滞在、とても過ごしやすくて(雨風を凌げるの、すごい)
気軽に近くの山にアプローチができて(荷物を置いていける!)
美味しい食事を出していただけて(山小屋ご飯も一大魅力!)

太郎平小屋の皆さんは一人残らず親切でした。
本当にありがとうございました、また来年の夏にお邪魔します!

初めての山小屋滞在編、楽しい思い出いっぱいでこれにてお開きです。

 

文章・写真:Kajo

Special Thanks 太郎平小屋

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

ABOUT ME
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Kajo
静岡県・伊豆出身。重度の放浪癖有り、海外経験は延べ25カ国に及ぶ。食中毒に4回当たるもめげぬ真性マゾの精神力と、「アルゼンチンは近い」と言い切るフットワークの軽さが売り。直感と好奇心をもとに、純粋に観察し大胆に発信をする。最近は岩場に住んでいる。