キャンプ女子Kajoが行く!〜初めての北アルプス番外編、高天原温泉〜

当サイトの記事には広告、アフィリエイトが含まれています。
2020.01.21

みなさんこんにちは、ライターのKajoです。

前回お届けした高天原までの道のり、いかがでしたか?前回の記事はこちら

苦手なカエルがいたことで記憶があまりないのでしんどさとは無縁の往路、スーパー特殊パターンの山行でしたね。

苦手克服を、しなければならない・・・夏に向けて!

さて、今回は北アルプス番外編ということで、念願の高天原温泉周辺のおすすめポイントなどをお届けします!

 

【オススメポイント①】シーズン真っ盛りの高山植物


まずは7月下旬の山の様子をお知らせします。7月〜8月にかけて、北アルプスでは様々な高山植物が見頃を迎えます。

チングルマ・コバイケイソウ・ハクサンイチゲ・ツガザクラなど、おそらく山に登られるみなさんはよく聞き・見たことのある花たちが咲き誇るこの時期。

もちろん高天原までの道のりで、上記で挙げた花は全て見れます。

オススメしたいのは、高山植物図鑑を持っての周辺探索です。私はちなみに、ハンドブックタイプのものを現地で調達しました(山小屋によっては周辺に咲く高山植物がまとめられた図鑑が販売されていたりします)。

わからない花はすかさず写真を撮って、詳しい知人に聞いたり。話が広がるし、記憶にもよく残ります。

特に印象的だったのは、高天原峠を降りて、小屋までの道のりにある湿原に揺れるワタスゲ。

白い綿毛を付けるのは、わずかな夏のこのわずかな期間のみ。

緑に映える白のふわふわは、疲れをも吹き飛ばし、るんるん気分にさせてくれます。

【オススメポイント②】小屋から3分の展望台


大東新道を通って高天原の小屋に着く手前に、手書きの看板で「展望台はコチラ」の文字が。

到着時は夕方だったし、正直なところ登りたくない(疲れていたんでしょうね・・・)気持ちでいっぱいだったため、翌朝足を伸ばしてみました。

と言っても、小屋からは片道3分ほど。木道が敷かれた小高い丘までの道を登って、すぐに到着です。

聞けば小屋の方達による手作りの展望台だそうで(ありがとうございます!)、テーブルに椅子が設置されていたり、見渡せる山々の名前が書いて合ったりなど、飽きない。

ついつい時間が過ぎるのを忘れてしまうほどでした。

 


看板を見ながら、ぐるりと見回して自分の位置を確認します。

ちなみに私ここの展望台で、高山性のトンボの観察にどハマりしました。

目の輝きが違う。トンボがお好きな方は、色んな種類のトンボに出会えるので忙しいと思います。

【オススメポイント③】ランプの宿・高天原小屋


赤い屋根が目印、高天原小屋です。近くにはテント場はないので、基本的には小屋への宿泊をおすすめします。(雲の平から日帰りで来ている方もチラホラいました)

 


小屋の前のスペースは、登山客の憩いの場。目線の先に鎮座しているのは水晶岳です。

この景色を見れただけでも、来た価値があったと思ってしまうほど美しい。

設置されたベンチには、到着後太陽を浴びながら・お風呂の気持ち良さを歓談する場として賑わっていました。

 


また、高天原小屋は「ランプの宿」として知られています。ちなみに電気も、電波もありません。少し日が陰ったらランプに火が灯ります。

朝食は5時〜、夕食は17時から人数に応じて順次提供されます。メインのハムカツを筆頭に手の込んだ料理が並び、ご飯・お味噌汁は自分でよそう山小屋スタイル。

温かいほうじ茶が染み渡りました。

うどんやカレーなどの軽食もあるので、昼食時に到着しても空腹で泣き出すことはありませんのでご安心を。


陽が落ちるとぐっと雰囲気が増し、毎日更新される天気情報のチェックにも特別感が出ます。

台風の情報などを得るための天気図は、小屋番の方の手書き(!)無線で情報を拾って、少しでも確かな情報を提供してくれています。

2015年に改装オープンしたとのことですが、バイオトイレは清潔感抜群、乾燥室・談話室・洗濯物を干すスペースまであり、心の余裕を生んでくれる環境がここにはあります!

ちなみに、小屋から眺めることのできる水晶岳は、本当に永遠見ていることができた。


ランプの消灯は20時と少し早いですが、星を眺めるのも最高ですし、情報から解放され自分のために過ごす貴重な時間をここで得てください。

 

【オススメポイント④】満を持して!高天原温泉

 


少し涼しくなった夏の山の夕方。この日は夕焼けの中、小屋を出発しました。

小屋の前の小道を辿って20分、日帰りで入る場合の入湯料は300円。小屋の前に設置された料金箱もしくは小屋の受付で支払うことができます。

ちなみに、小屋に宿泊している場合は入浴無料です。


この風景を眺めながら、温泉を目指します。

少し起伏のある、大きめの石がゴロゴロしている道のりを歩くので、サンダルはNG。

絶対に登山靴を!オススメします!


温泉までは一本道なので、迷うことはありません。

緑の中でリフレッシュ!夏の暑い日には道中で汗をダラダラかきますので、夕方や早朝の入浴が一番良いと思います。

 


途中にはいくつかの名も無き小さな沢を越えます。15分ぐらい歩くと、少し硫黄の匂いがしてくるような・・・?

夜に行きたいところですが、何分にも写真のような道なので、暗闇の中歩くのは自粛しました。(禁止はされていませんが、自己責任にて)


そして!突如視界が開けるその場所に、高天原温泉が現れます。

まずは一つ目、右手にチラッと見えるのが、混浴の野趣溢れる野湯です。

脱衣所無し、その場でチャチャっと脱ぎ捨てて湯船に入るワイルドスタイルです。

川に掛かっている橋を渡って看板通りに階段を登ると、混浴の温泉である二つ目の温泉「からまつの湯」があります。

こちらには脱衣所があり、雨避けもありますので悪天候の場合荷物が濡れることはありません。


からまつの混浴露天風呂が左手、そして右手に進むと女性専用の露天風呂があります。

岩場を少しだけ歩き、階段を登って行くと・・・


三つ目の温泉である女性専用の「からまつ・美人の湯」です。

もう一度言います、「美人の湯」です。

 

強い硫黄臭のする源泉が!掛け流し!この瞬間を待っていた〜〜!

荷物は小屋に置いてきたので身軽、脱衣スペースで衣服を脱ぎ(荷物を置くスペースもあります)、

登山靴は脱ぎ捨てたいところをぐっと我慢し隅に寄せ、掛け湯をしたらいざ。

・・・・・・。

天にも昇る心地とはこのことか、と。

危ない、危ない。とてもじゃないけれども言葉で表すには難しいのですが、想像して見てください。

山行による筋肉の軋みから、日々張り詰めた心、日常の喧騒に至るまで自らが支配されていたもの全てから解放されるんです、この特別な場所で。

来てよかった!本当に、来てよかった!

父とか母とか、友人とか、連れて来たい人たくさんいるなあ〜とぼんやり考えてました。

鳥の声や川や風の音、時間があっという間に過ぎてしまう・・・。

宿の人によって毎日お湯の温度が計られ、適温(40〜42度)が保たれていて、雨が降って温度に変動があるような日を筆頭に小屋番が出向き、湯量などを調節されています。

雨の中カッパを着てライトを持ち、温泉へ向かうその後ろ姿、とても素敵でした。

この場所で温泉に入れることに感謝をせねば、と心から思います。

※全温泉において、シャンプー・リンス・ボディソープなどの使用は控えましょう。

(ちなみにお風呂上がりの、小屋で販売しているビールの破壊力は凄まじい)

やれやれ、ちょっと美人になった気がするよ(ちゃっかり)

 

【オススメポイント⑤】ジブリの世界広がる「竜晶池」

夢見心地で温泉「からまつの湯」を出て徒歩20分、最後にオススメしたいポイントは「竜晶池」です。

 


からまつの湯(混浴)に渡る手前から撮った一枚ですが、温泉の左手に竜晶池方面に向かう梯子があります。

熊笹の中を抜けると樹林帯が広がっており歩きやすい道をひたすら20分、細い小道を右に抜けると竜晶池に到着です。(ちなみに、夢の平に行くにはこの小道を曲がらずに、まっすぐに進みます)


我ながら、この一枚に全てが詰まってると思うのです。

また、天国に来ちゃったかと思った。

湖の上に、風と光が遊んだ軌跡がふわあっと走るのを眺めて、まるで物語の一場面にこっそりワープしたかのような時間を過ごしました。

いやはや、盛りだくさんが過ぎる!

Kajoが行く北アルプス編、以上で完結となります。

みなさま、お付き合いありがとうございました。

今回訪れた先は、とてもとても大好きな場所になってしまった。そして出会った方々の、温かいこと、この上なし。

出会ってくださった皆さん、ありがとうございました!

そしてそして太郎平グループ様、ご協力ありがとうございました。

皆さんも「行きたかった場所」や「行きたい場所」、絶対、行きましょうね。

 

写真・文章 Kajo

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

ABOUT ME
ライターの写真
Kajo
静岡県・伊豆出身。重度の放浪癖有り、海外経験は延べ25カ国に及ぶ。食中毒に4回当たるもめげぬ真性マゾの精神力と、「アルゼンチンは近い」と言い切るフットワークの軽さが売り。直感と好奇心をもとに、純粋に観察し大胆に発信をする。最近は岩場に住んでいる。