オリンピックで正式採用されたクライミング種目とは?

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2016.12.11

オリンピックでは、スポーツクライミングが正式種目として採用されています。スポーツクライミングは、ボルダリング・スピード・リードの3つの種目から成ります。日本各地にボルダリングジムが建てられ、その注目度は年々高まってきています。今回は、オリンピックのスポーツクライミングの競争方法や歴史を紹介いたします。

スポーツクライミングの競争方法

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引用:ぱくたそ
スポーツクライミングの種目の一つである「リード」は、壁を登るクライマーと、ロープを確保するビレイヤーの2人1組で競技を行います。ハーネスにロープを取り付けたクライマーは、12メートル以上もの高さの壁に作られたコースを登っていき、制限時間内にどれだけ高い位置まで登れるかを競います。クライマーの体勢やロープの状態を見て、ロープの長さを適切に調整する必要があります。壁には傾斜がかかっており、頂上に登りきることが難しいように作られています。安全は確保されているので事故が起こる心配はほとんどありませんが、見ている側としても手汗握ることでしょう。「ボルダリング」は、5メートル以下の壁に作られたコースを登っていき、制限時間内に何回登りきれるかを競います。複数のコースが設定されているため、状況判断能力が必要です。「スピード」は、15メートルもの高い壁に設定されたコースを何秒で登りきれるかを競い合います。予め掴む位置が決められており、スポーツクライミングの種目の中でもコンマ数秒を争う熾烈な競争が繰り広げられる競技です。オリンピックでは、これら3つの種目の総合点から勝敗を決定します。

スポーツクライミングが正式採用されるまでの歴史

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引用:pro.foto
1940年代後半からソビエト連邦にて、自然の岩場でクライミング種目の競技を開始したことがスポーツクライミングの始まりだと言われています。また、1985年にはイタリアには「リード」の競技が行われるようになり、少しずつヨーロッパ全土へと広がっていきました。1990年代からは、日本やアメリカなどでもスポーツクライミングの国際大会が開催されるようになり、現在では数多くの大会で採用されています。当初は「スピード」と「リード」のみでしたが、1990年代後半に差し掛かった頃にはボルダリングもスポーツクライミングの種目に加えられました。また、日本人選手のスポーツクライミングの成績はとても良く、これまで男子リードで1位を3回、女子ボルダリングでは1位を4回も獲得しています。更に、チーム競技においても2014~2015年連続で国別ランキング1位の座へ上り詰めています。

それぞれの種目で必要になる能力

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「リード」は「スピード」よりも壁の高さは低いですが、制限時間内にどれだけ登れるかを競うため、持久力が最も必要になります。また、最小限の体力で最短のコースを選んで登っていくことになるため、状況判断能力と技術力も必要です。最初に体力を使いすぎると、最後の登りきるところで時間を消耗してしまうので、戦力性も重要だと言えます。ボルダリングも全力で登りきることができる高さではないので、戦力性と技術力が必要になります。また、筋肉を一時的に休めて筋力の回復を図ることも勝敗を分けるポイントになります。途中で焦って体勢を崩してしまうと、無駄に体力を消耗することになり、優勢であっても一気に劣勢に転じる可能性があります。「スピード」は、全力で壁を登りきることになるので、瞬発力が最も必要です。また、競争相手が隣の壁で登っているので、どれだけ集中できるかも勝敗の分かれ道です。このように、スポーツクライミングは体力と精神力だけではなく、長年の経験によって培われた集中力や勘も必要です。

公園でもボルダリングを楽しめる

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引用:ぱくたそ
ボルダリング用の壁は、都市部の公園に設置されていることがあります。使用には許可が必要な場合もあるので、確認しておきましょう。また、全国各地にボルダリングジムが続々と建てられており、空前のボルタリングブームを迎えています。初心者から上級者まで楽しめるよう、複数の壁やコースが設置されている施設が多く、初心者を対象にした講習も開催されています。また、ボルダリングを始める女性も増えてきており、パウダールームや更衣室などが充実しているジムもあります。特定の日をレディースデーと定め、格安料金でボルダリングを楽しめたり、無料でウェアをレンタルできたりなど様々な取り組みが行われています。子供専用のボルダリング施設もあるので、親子揃って楽しむことができます。オリンピックで採用されている壁とは違い、高くても5メートル程度であるため安心して登れるのが魅力的です。

クライミングは世の中に浸透してきている

スポーツクライミングがオリンピックで正式種目として採用されたことを皮切りに、世界中でクライミングブームが巻き起こりました。今では日本各地でボルダリングジムが建てられ、仕事帰りのサラリーマンや学生、女性など幅広い層がボルダリングを楽しんでいます。ボルダリングを実際に体験しておくことで、オリンピックのスポーツクライミング競技をこれまで以上に楽しく観戦できるかもしれまん。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。