梅雨の6月!おすすめの雨登山傾向と対策とは?
ジメジメで憂鬱な梅雨の6月、外に出るのも億劫になり、家で過ごす事が多くなり、山行計画も湿りがちです。登山したいけど雨の中では・・・、レインウェアを着ることも面倒だし、おもしろくないだろうなーと、あきらめる前に、雨には雨の山の醍醐味が有ります。そんな雨登山を楽しくするための方法、グッズなどを一緒に見ていきましょう。でも、雨の登山は危険度も増しますので、ここで注意点も把握しておきましょう。
雨の登山計画 最適なルートを考える
雨が降ると山はどうなるかを考え危険を避けましょう。川は増水、地面が滑りやすくなり転倒しやすくなります。それらの要素を考えてルートを作成しましょう。一番の問題は川の増水ですので、沢沿いや渡渉があるコースの場合、しっかりした橋がある場合は問題ありませんが、そうではない場合はなるべく避けます。おのずと、尾根筋沿いを選ぶことになりますが、その場合、急斜面を急登するような場所になると、滑りやすいため階段が整備されたようなルートを選ぶようにしましょう。
縦走ルートのような、露天のルートの場合、雨が直接体に当たります。いくらレインウェアを着ていても、強い圧力で雨に打たれると、耐水性能が落ちていきますし、首や手首などの隙間から雨が浸入してくる可能性が高くなります。また、意外と雨というものは直接体に当たると痛いものでフードを叩く雨の音はうるさく周りの音が聞こえなくなります。このようなルートはなるべく避けて、屋根の代わりになる木が多く茂っていれば、木々の幹や枝を介して雨が落ちるようになり、直接、雨が当たらなくなります。
つまり、木々が茂った尾根沿いを選ぶのが無難と言えるでしょう。でも、雷には細心の注意をして、もし、雷が発生しそうであれば、木々から離れ、くぼみなどに逃げ込むようにする事が大事です。
雨の日ならではの楽しみがあります
雨の山では、独特の雰囲気を味わえます。
例えば、雨に濡れた葉と滴る滴、より生き生きとする苔の美しさ、雨に濡れた植物や土から匂い立つ独特の香り、霧に煙った樹林の中の幻想的な雰囲気、普段とは格段に人が少ない山の神秘的な静けさなどなど、晴れた日とは違う山を発見できます。特に植物は、生き物だと改めて思えるほど、生命力を見せつけてくれるようです。
雨が降ると、出てくるのがカニやカエルなどの動物たちです。乾いていたらあまり出てきませんが、濡れた森の中で生き生きと活動を始めます。でも、登山道にもよく出てくるので、踏まないように気を付けてくださいね。
雨の山で困る事 どうクリアするか
雨の山で一番困るのは食事です。手ごろな小屋などの屋根が有る場所を確保できればいいのですが、そんなに都合良くいくものではありません。通常食事をする場合は、まずザックを開けますが、これが一番大変です。雨が降っているのですから、そのまま開けては中が濡れてしまいます。今回のように、雨の山行を最初から覚悟している場合は、食事は行動食にして、ザックのメインコンパートメントに入れるのではなく、雨蓋やサイドポケットなどに入れておきましょう。そうすれば、大事な予備のウェアなどが入ったメインを開かずに済むので、濡れるのは最小限で済みます。でも、濡れた地面の上にザックを降ろすのはちょっと抵抗感が・・・。一番いいのは、ウェアのポケットに行動食を入れておくのがお勧めです。そうすれば、ザックを降ろすことなくすぐに食べられます。
下山した時や、雨が上がった時にはレインウェアを脱ぎます。レインジャケットはいいのですが、登山靴をしたままレインズボンを脱ぐと、靴の汚れがレインズボンの中に、靴の汚れが付いてしまいます。これは、ちょっと嫌ですよね。そんな時にお勧めの方法が有ります。この時のために、登山靴一足が入るくらいの大きめのレジ袋を用意しておきます。レインズボンを脱ぐ前に、そのレジ袋で靴を包んでレインズボンの片方を脱ぎ、脱げれば、もう片方を脱ぎます。そうすれば、靴の汚れがつくことなく、脱ぐことができます。
雨の登山道はできるだけダメージを与えずに
雨の登山道は、濡れて柔らかくなっています。普段でも大事に歩いてもらいたい登山道ですが、雨の日は特に、ダメージを与えないように歩きましょう。少なくとも、ストックは石突キャップを付ける事は必須と言えます。歩き方も少し気を付けて、土を掘らないようにやさしく歩きましょう。そうしないと、柔らかい地面が削れてしまい、そこを雨が流れれば、登山道が崩壊してしまい、取り返しがつかなくなることもあります。登山道を補修するのは非常に時間とパワーが必要であることを理解して、慎重に歩きましょう。
雨の登山は危険と隣り合わせという事を肝に銘じて
今まで諦めて、街で過ごしていた梅雨の6月。段々、山に行きたくなったんじゃないですか?今回は、雨に最適なルートの選択、雨の山の楽しさ、雨の登山道で注意してもらいたいことをお伝えしました。でも、一番大事なのは、雨は危険と隣り合わせだという事。好天の登山とは違う慎重な登山を心がけるようにしましょう。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。