【きーさんが教える登山講座】登山におけるリスクマネジメント術!ビバーク入門

当サイトの記事には広告、アフィリエイトが含まれています。
2016.10.24

こんにちは、登山、山大好き社員のきーさんです。今日はちょっと真面目に登山スキルのお話です。

20_1_20161023

登山をしていると、下山中に道に迷い陽が沈む、登山道から滑落し行動不能になる、予定した目的地に到達出来ずに野営しなければならない。こうした、予期せぬ事態が発生し、緊急一時的に夜を明かすことが多々あります。

そうした場合に行う緊急的な野営の事を「ビバーク」と呼んでいます。今回、この「ビバーク」の内容と方法を解説します!

ビバークの効果

一夜を安全な環境で明かすことで、翌日行動するためのエネルギーを確保し、救助が来るまでの延命、そして冷静な判断力を持続する力を保つことが出来ます。

野営可能な場所で一晩を過ごすというのは容易なことではありませんが、保温、防風、防水、栄養摂取といった条件を可能な限り満たすことで、より質の高いビバークを行うことが可能です。中でも後述するツェルトを使用することで簡易的な住環境を設定することが出来るので、肉体的な休息だけでなく、安全が確保されたという無意識の安心感は、翌日の行動に大きく影響します。

誰もが習得すべき技術

この緊急一時的な野営を行うビバークは、登山経験が豊富な登山者、登山家が心得ている特別な技術ではありません。山というリスクある環境に身を置く者が身に付けるべき基本的なスキルと言えます。標高1,000m以下の里山でも一度道に迷えば遭難に至るケースは珍しくなく、冬の時期と里山という甘さからくる軽装によって低体温症に陥ることもあるのが登山であり、単独で登山をして怪我をすれば、行動不能の末に救助も呼べなくなる事態に陥ります。リスクを防止するだけでなく、登山における突然の事態に直面した時に冷静に対処できる知識、技術を習得することで登山の領域は大きく広がり、単独山行の実現、パーティ登山における救助等、領域だけでなく視野を広げることを可能とします。

ビバークに必要な道具、知識、技術

今回は汎用性の高いツェルト、細引きロープを使ったビバークを元に説明していきます。

20_2_20161023

ツェルトとは、登山用の小型軽量テントです。またシェルターとして設置、体に包んでの保温、救助者の担架として、このツェルトひとつで多くのシチュエーションに対応することができます。そして注目すべきはそのコンパクトな携帯性です。350ml缶程の大きさで収納できるのも特徴。このツェルトとロープを使用することで、簡易的なシェルターを設置できます。

設置する場所は木々が多い樹林帯がオススメ。

20_3_20161023

樹林帯は安全に野営できる環境の一つで、木々が多いので雨風が防げ、地面が柔らかいので身体を効果的に休めることが可能です。

ツェルトを広げると、左右の端に大きな穴が開いています。

20_4_20161023

ここにロープを通し、両端の木々に結びます。

20_5_20161023

結び方が様々ですが、解けにくくテンションが保てる結び方であれば何でも大丈夫です。

ロープを結んだら四隅を固定します。この固定には枯れ枝や石を使うことで、テント設営におけるペグの代用にできます。地面が柔らかければ、枝を突き刺して容易に設置できます。

不格好ですが、5分もかからずに設営が出来ました。

20_6_20161023

内部は大人1人が少し足を伸ばせる面積。

20_7_20161023

このツェルトの設営には慣れも必要なので、定期的な設営の練習、もしくは実践をしておくと良いでと思います。

いかがでしたか。ビバークの方法は無雪期と厳冬期、岩場や樹林帯など条件によって様々なので、自身が登りたい山に向けて、登り方だけでなく、こうしたリスクマネジメントも是非身につけてくださいね。それではまた次回!

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。