登山でヘルメットが必要とされる3つのシーン
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登山でヘルメットが必要かと言えば、通常の登山道を歩く登山であればほとんど必要はありません。しかし、一歩進んだ登山を行うのであれば、ヘルメットは必要不可欠のアイテムとなります。そんな登山でヘルメットが必要とされるシーンを「岩場の超上級者登山ルート」「クライミング」「沢登り」と3点ピックアップいたしました。
通常の登山であればほとんど必要とされないヘルメット
登山にヘルメットと言われると、そう言えば必要かも……と思われるかもしれませんが、通常の登山を行うのみであれば、ヘルメットはほとんど必要とされません。北アルプスの岩場が多いコースであっても、通常の登山コースであれば、ヘルメットは必要ありません。
北アルプスの尾根道の岩場コースですらヘルメットが必要ないということは、実際のところ、日本のほとんどの山で、登山道を利用した登山であればヘルメットは必要ないと言っても過言ではありません。
しかし、登山道を利用しないなど、一歩進んだ登山を行うのであれば、ヘルメットは必需品となります。そんなヘルメットが必要とされる上級登山とも言えるシーンをご紹介いたします。
北アルプスのジャンダルム等の超上級者コース
北アルプスの西穂高岳と奥穂高岳のルートにはジャンダルムという難所があり、登山の超上級コースとして知られています。本コースは地図などにルートとして掲載はされていますが、ほとんどの案内で初心者は不可との記載があります。
ジャンダルムを歩くルートは、クライミングというほどではありませんが、狭い岩場をすり抜けていくようなコースとなります。当然落石の注意も必要であり、ヘルメットは必要不可欠です。北アルプスでもヘルメットが必要とされる登山ルートは、ジャンダルム経由のルート程度ですが、谷川岳にも同様の超上級者ルートが存在しており、登山道と言っても通常の登山道とは異なり、初心者無用の岩場かつ落石注意のルートとなります。このような、登山ルートとはいえ超上級者ルートを歩く登山では、ヘルメットは必要不可欠となります。
これらのルートは、ヘルメット以前に初心者無用のルートとなります。登山経験者であってもヘルメット着用の上で、単独登山は避けるべきルートとなっているので、注意が必要です。
野外で行う岩場でのクライミング
クライミングといえば、最近はクライミングジムで楽しむものになりつつありますが、本来は野外の岩場でクライミングを楽しむものです。
野外でクライミングを行う場合は、ヘルメットが必要不可欠となります。野外、特に岩場でのクライミングでは、落石がつきものとなります。ザイルがあるため、手を離しても滑落することはありませんが、ヘルメットなしで落石が頭を直撃すれば、大怪我は免れません。
野外のクライミングでは、怪我防止のためにヘルメットの着用は必須となります。
登山とクライミングの要素のある沢登り
夏のアウトドアスポーツの1つに沢登りがあります。クライミングと登山の両方の要素を備えた沢登りは、一度経験すると登山とは違った魅力に取り付かれてしまう方が非常に多いようです。
沢登りは、水の中を進んでいくため、頻繁に足を滑らせます(専用のシューズであっても)。落石の危険はあまりありませんが、転ぶことが多いのでヘルメットが必要不可欠となります。
沢登りの際にヘルメットは邪魔になることも多いのですが、沢登りでの転倒は必然的に発生するので(岩場のクライミングで落石にあう確率より確実に高い)、ヘルメットは常時の着用が必要となります。
フィット感とフードとの相性を確認
ヘルメットを選ぶ際、最も大切なのは自分の頭にフィットすることです。ただでさえ邪魔になりがちなヘルメットなので、自らの頭にフィットしないと、ヘルメットの存在が気になって、周りの景色を楽しむどころではなくなります。
よって、ヘルメットを購入する場合、必ずアウトドアショップなどの専門店で実際に手に取ってぶってみることをおすすめします。
また、案外見落としがちなのは、カッパなどのフードとの相性です。ヘルメットをかぶるとフードが頭を覆えないというケースもあります。この場合、雨が降ると頭や顔がずぶぬれになりながら行動することになり、カッパを着る意味がありません。ヘルメット購入の際は、自らの頭にフィットするかどうかの確認とともに、持っているカッパなどのフードとの相性の確認も行うようにしましょう。
まとめ~安全対策として必要なヘルメット
2014年の御嶽山の噴火により、登山の際のヘルメットの必要性が一部で認識され始めています。ヘルメット着用の登山はまだ一般的ではありませんが、今後登山の際はヘルメット着用のこと、という方向になる可能性は否定できません。そのような流れがあることは、知っておいて損はないでしょう。
現段階では、ヘルメットは上級登山やクライミングなどの一部のシーンに限られた利用となっていますが、通常の登山の際にヘルメットを着用することは、安全対策という面から否定されるものではありません。
ただし、ヘルメットを購入する際は、自らの頭にフィットするか、カッパなどのフードとの相性はよいのか、という確認は必要不可欠です。よって、自らの頭を守るヘルメットは、インターネットでの購入に最も適していない登山道具と言っても過言ではありません。
通常の登山にはあまりなじみのないヘルメットですが、必要とされる登山シーンは確実に存在しているので、その際は必ず着用して活動するように心がけたいものですね。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。