スペックと快適性を確認!登山テントの選び方

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2017.04.24

引用:Flickr

初心者で登山を始め、最初は楽しかった日帰り登山も、経験を重ねるにつれ、次のステップへ挑戦したくなってきます。そろそろテントを担いで、色々な山頂を縦走してみたい!と憧れ始めた方もいるのではないでしょうか?山でテント泊をすれば、山のバリエイションが増えるだけではなく、夜は満点の星、朝は赤く輝くモルゲンロートで感動します。

でも、テント泊には、どんなテントが必要なのでしょうか。

 

テント泊には、山岳の特徴に合ったテントが必要

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引用:Flickr

テント泊には、当然、テントが必要ですが、正しくスペックを確認して選ぶことが大事です。山岳で一夜を過ごすというのは、時として強風や豪雨などを耐えることができるテントであることが必須です。でも、そこで短時間でも生活するのですから、使い勝手という部分も大事。今は、国内メーカーをはじめ、海外メーカーなど色々な山岳テントが発売されており、価格も様々。価格が安いテントは、スペックさえ書いていないものもあるようです。テントは命を守るものですから、価格だけでは無く、スペックや機能、特徴を理解して購入したいものです。

そんな難しいテント選びを一緒に見ていきましょう。

 

最初の選択肢 シングルウォールかダブルウォールか

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引用:mont-bell

山岳テントには、シングルウォールとダブルウォールが有ります。

まず、ダブルウォールですが、インナーテントの上に、隙間を空けてフライシートを被せる方式で、インナーテントは通気性重視の材質の生地、フライシートは防水重視の材質の生地を使用する事により、居室であるインナーテントの内部に結露を極力発生させないようにしています。結露は、内部の荷物や寝具を濡らしテント内部での快適性を損なう一番の要因になりますので、このような仕組みで結露を防いでいるのです。しかし、2枚の幕体が必要になる仕組み上、設営に時間が掛かります。

それに対し、シングルウォールテントは、その名からわかるように、1枚の幕体のテントです。これは、防水透湿性の生地を使用することにより、ダブルウォールのインナーに防水性を施したようなものです。ダブルウォールで言えば、インナーテントを立てるだけの設営になりますので、これにより設営のスピード化とコンパクト化を図っています。ただし、防水透湿性の生地は面積当たりの重量が通常のナイロンより増えるので、重量はダブルウォールとそんなに差はありません。また、防水透湿性の生地とはいえ、ダブルウォールほどの結露防止性能はありませんので、ある程度の結露は覚悟する必要が有ります。

自分の登山スタイルにおいて、快適性と設営の容易性、コンパクト性のどこにウェイトを置くかで、選択するようにしましょう。

 

テントの材質を確認 性能と軽量との兼ね合い

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引用:Amazon

テントの重量は、幕体とフレーム(ポール)の重さになります。それらの材質が性能と重量の差になり、山岳での使用を考えれば、どちらも大事なポイントになります。

幕体の材質は、ナイロンが基本ですが、シングルウォールではX-TREK™ファブリックスなどの防水透湿性の複合生地が使用されています。いずれにしても、強靭性を向上すると、比例して重量は重くなります。モンベルのテントのフライシートで比較すると、
ステラリッジ … 30デニール・バリスティックナイロン・リップストップ[耐水圧1,500mm]
ムーンライト … 70デニール・ナイロン・タフタ[耐水圧2,000mm] となっています。デニールというのは生地を編んでいる糸の太さで、太くなれば面積当たりの重量は重くなりますが、強靭性は高くなり、耐水圧も高くなります。

フレーム(ポール)の材質は、ジュラルミンを使用する事が多く、これも、強度と重量とは反比例します。
ステラリッジ … 7001超々ジュラルミン(ポール径)φ8.5mm
ムーンライト … 7001超々ジュラルミン(ポール径)φ10.0mm(実測)
どちらも、同じ材質ですが、太さの違いで、強度と重量の差となっており、ムーンライトのほうが強度が高いと言えます。

 

性能や重量だけでは無い テントの快適性

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引用:Amazon

性能や重量などのカタログスペックだけでは見えてこない快適性というものもテントには重要となります。

テントの材質の比較において、モンベルのステラリッジとムーンライトを見てきました。どちらもダブルウォールですが、ステラリッジは山岳縦走用、ムーンライトは、キャンプ用としての用途に適しています。これらは、性能や重量以外で何が違うのかというと、快適性に決定的な差が有ります。

ステラリッジは、軽量な素材を使用していため、形状で強風や雨に耐えるよう設計されているため、傾斜度が大きなドーム型をしているのですが、この形の場合、テント内での姿勢は、体を屈めるような形になり、寝て過ごす事がおおくなります。たとえ、床面積が広くても、実際に使用できる範囲は狭くなり、結局、寝る時以外は、テント外で過ごす事となり、雨や寒いときは、寝て過ごすしか無くなってきます。

しかし、ムーンライトの場合は、素材自体に強度があるため、形状を犠牲することなく、傾斜度が少ないため、壁が立っているような形となり、寝ないでテント内部で過ごす事が可能になっています。つまり、ムーンライトは、雨や寒いときも、テント内で快適に過ごす事ができるという事になります。

 

今までテントを選ぶ時、キチンとスペックと快適性を確認していましたか?

このように調べていくと、自分の登山スタイルや、山での過ごし方によって、選ぶべきテントがわかってくると思います。設営性能、軽量性、コンパクト性、重量を重視するのか、それとも、テント泊の快適性を重視するのか、それは、人それぞれでしょう。
自分のスタイルにピッタリ合ったテントを長く使えるようにしたいですね。

 

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。