山岳テントを選ぶ基準はなに?初心者向けテント比較

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2017.04.09

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だんだん登山経験が増えてくると日帰り登山だけでは満足出来なくなって、山で本格的に山岳テントを張ってのテント泊に挑戦してみたくなるのではないでしょうか。

登山用品の中でも一番大きく購入費用のかかる山岳テント、一度購入したらおいそれと買い替えるのは難しくなります。そこで登山初心者の基本的な山岳テントの選び方と有名メーカーの製品を幾つか比較しご紹介します。

山岳テントには構造が異なる2種類があります。

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ザックに入れて背負って歩く事が前提の登山用山岳テントには軽量でコンパクトに収納できる事が要求されます。やはり重たい荷物を背負えば、思った以上に体力を消耗しますのでテント内での快適性を削ってでも軽量化に特化しているのが特徴です。

そんな山岳テントには、シングルウォールとダブルウォールの大きく構造の違う2種類があります。簡単に違いを説明するとインナーと呼ばれる内張りとアウター(レインフライ)と言われる外張りの2枚を組み合わせてテントを作るのがダブルウォール、インナーアウターの区別が無く1枚のテント生地でテントを作るのがシングルウォールとなります。簡単にそれぞれの長所と短所を比較してみます。

①:シングルウォール
長所1:インナーとアウターが1枚で済むため軽量。
長所2:設営、撤収作業が楽に出来る。
短所1:ゴアテックスなどの防水透湿性高級素材で出来ているため価格が高い。
短所2:雨の時など、テント内が結露しやすい。

②:ダブルウォール
長所1:インナーとアウターが分かれているため結露しにくい。
長所2:前室があるため、靴などの登山具保管スペースが確保できる。
短所1:シングルウォールと比べると設営に時間が掛かる。

どちらも甲乙つけ難い良さを持っていますが、初心者向けと考えれば購入費用も安く、前室でゆとりのある空間を作れるという点でダブルウォールの方がおすすめです。

初心者には自立型テント、玄人には?

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山岳テントには先にお話ししたようなシングルウォールとダブルウォールという構造上の違い以外にも、もう一つ自立型と非自立型という構造での違いがありますので比較してみましょう。

自立型とは読んで字のごとくポールなどの骨組みを差し込むだけでテント形状が形作られ、簡単に使用する事が出来る物で現在の山岳テントで一般的で初心者向けです。もう一つの非自立型はポールなどの骨組みだけではテントとして機能しないため、ペグやロープを使って設営しなければいけないため設営に時間が掛かり初心者には取扱いが難しい物です。ただ非自立型は、骨組みなどが少なくて済むために、重量を軽くすることが可能で1㎏以下の物も数多くあり登山の上級者向けテントです。

構造が決まったらテントの大きさを選びましょう。

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ここまでお話しした事をまとめると、登山初心者におすすめな山岳テントは【自立型のダブルウォール】が一番向いていると言っても良いと思います。

購入するテントの構造が決まり、次に決めなければいけないのがその大きさになります。基本的には1人で使う事が前提ですが、ずばり2人用テントを選ぶ事をおすすめします。理由はやはり居住スペースをしっかり確保したいという事と、ザックなどの登山荷物を保管しておくスペース確保の両方があてはまります。テント重量でも1人用と2人用を比較した場合には300~500グラム程度の差、購入価格を比較しても大きな差はありませんので長く使うことを考えると利用人数きっちりの仕様よりも若干大きめの物を選んでおくと便利です。

その他にも、登山初心者が気を付けておきたいのが、テント設営が簡単か難しいかの比較です。明るい時間帯で天候が安定していて、のんびりと設営出来る状況であれば気になりませんが、登山が予定よりも遅れて設営が夕方になったり雨や風が強い天候が悪い場合には、簡単に設営が出来るテントが欲しくなってしまいます。出来るだけお店に足を運んで実際に触って比較してみて、フィーリングの合うテントを選ぶ事をおすすめします。

同一メーカーでの1人用と2人用テント比較

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ここで分かり易いように同一メーカーでの自立型ダブルウォール1人用と2人用の違いを比較してみます。登山初心者のテント選びの参考になればと思います。

①:ファイントレック
カミナドーム1 FAG0311 1人用 床面積1.845㎡ 重さ1,270g 価格59,400円
カミナドーム2 FAG0312 2人用 床寸法2.756㎡ 重さ1,430g 価格66,960円
※ 床面積差:約0.9㎡ 重量差:160g 価格差:7,560円

②:MSR
Hubba NX 37746 1人用 床面積1.67㎡ 重さ1,290g 価格56,000円
Hubba Hubba NX 37750 2人用 床面積2.70㎡ 重さ1,720g 価格64,000円
※ 床面積差:約1.0㎡ 重量差:430g 価格差:8,000円

③:アライテント
エアライズ 1 1人用 床面積2.05㎡ 重さ1,560g 価格39,000円
エアライズ 2  2人用 床面積2.73㎡ 重さ1,750g 価格44,000円
※ 床面積差:約0.68㎡ 重量差:190g 価格差:5,000円

比較サイトでの軽量順比較での抜粋ですが、どのメーカーも1人用と2人用の差は少しだけです。改めて1人用よりも2人用のテントを選ぶことをおすすめします。

自立型ダブルウォール2人用を幾つか比較してみます。

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引用:楽天

登山初心者でも簡単に設営が出来てテント泊が楽しめるスマートなデザインと軽量コンパクトな高性能を持つ、各メーカーのおすすめテントをご紹介します。

①:エアライズ 2 (アライテント)
3シーズンを通して使用できオプションによっては冬にも使用する事が可能な日本製万能山岳テントです。アウターの標準色がオレンジなので他の色が良い時には注文が必要になります。

②:ステラリッジ テント 2型 (モンベル)
総重量がペグやロープを入れても1.57㎏と非常に軽いのに、居住性や抜群の換気性などの高い性能を持つテントで設営も非常に簡単に出来る様になっています。

③:Hubba Hubba NX 37750 (MSR)
長手方向に出入り口があり、前室も大きく取れるタイプのアメリカ生まれのテントです。デザインも白を基調にしていて綺麗な形をしています。

④:タニLS 2P (NM-TNLS-2P) (ニーモイクイップメント)
この製品はとても軽量でペグなどの付属品を入れても1.5㎏を下回りますが居住性や耐風性能もしっかりと確保されている製品です。

ここにご紹介したのはほんの一部ですので、ご自分のフィーリングに合うテントを探してみて下さい。

高機能山岳テントと一緒に登山を楽しんで下さい。

山岳テントの構造の違いから始まり、テントの基本的な選び方、1人用と2人用の簡単な比較、おすすめのテント各種とお話ししましたが、最近の山岳テントのデザイン性と軽量コンパクトな高性能には目を見張るものがあります。

初めてのテント泊では、ドキドキと緊張してしまうかもしれませんが何事も経験ですので自分のフィーリングにあったテントを背負って登山とテント泊を楽しんで来て下さい。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。