【山岳四団体声明発表】なぜ今、登山やクライミングを自粛すべきなのか?
今もなお、全世界で新型コロナウィルスが猛威を奮っています。アウトドアを楽しむことが難しくなり、外に出たくてウズウズしている方もいらっしゃるでしょう。
そんな中、4月20日に山岳関連団体から登山を自粛するように、と呼びかけがなされました。
とはいえ、なぜ人とすれ違うことの少ない登山で自粛が必要なのか?過剰な対応なのでは?といまいちピンとこない方も、いらっしゃるかと思います。
アウトドアを楽しみたい気持ちは誰もが同じ。しかし今は家にいることが先決でしょう。
この記事では、登山自粛要請のニュースから今登山者がどうあるべきか、何をすべきかについて考えてみました。
山岳四団体から登山自粛のお願いが発令
4月20日に山岳四団体から登山自粛のお願いが発令されました。(詳細はこちら)
緊急事態宣言が全国各地に広がっている現状から、登山やクライミングは出先の方への感染を広める可能性がある。山岳愛好者自身にも感染のリスクがおよばないために、今は感染防御につとめ、事態が収束してから登山やクライミングなどのアクティビティを楽しもうという趣旨の発令でした。
この発令を受けて山梨県、岐阜県でも登山の自粛を求める緊急事態措置が発表されています。
実際に山小屋の多くがGW明けまで営業を停止。もちろんテント場も利用できません。また登山口までのバスやロープウェイも運休しているところが多いです。
要するに登山者は今、登山やクライミングをすべきではない状況にあるのです。
なぜ登山で自粛が必要になるのか?医療現場に負担をかけてしまう可能性も
登山を自粛しなさいと言われても、
「なぜ人とすれ違うことが少ない登山で自粛しないといけないのか?」
「3密を避けて登山を楽しめばいいのではないか?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
登山を自粛すべき理由は、すべての感染症のリスクを最小限にするためです。ここでは可能性のある感染リスクについて考えてみました。
登山やクライミングで感染のリスクがある場所
- 行き帰りの公共交通機関
- 山小屋、登山口や山頂
- 下山後の飲食店、温泉
上記が登山やクライミングを楽しんだ際に、発生しうる感染リスクの主要なものでしょうか。
特に都内から県外への公共交通機関は多くの方が利用するため、どこでウィルスをもらってくるかわからない点が怖いです。
また、山小屋は間違いなく3密に該当。すでに多くの山小屋がGW中の営業停止、という苦渋の選択を強いられているのが現状です。
人気の山ですと、登山口や山頂も混みますので、感染リスクが高くなることも考えられます。
これだけのリスクであれば、なんとか対応してアウトドアを楽しめなくもない…かも。しかし登山やクライミングでは、怪我や遭難したケースも想定しなければなりません。
遭難や救助となった場合、医療現場を混乱させる可能性あり
登山やクライミングで遭難、救助の対象となった場合に起こりうるのは、新型コロナウィルスの医療現場とのオーバラップです。
不要不急の外出を行ってしまった登山者によって、本来医療を受けるべき患者さん(新型コロナ感染者)や、その他救急の患者さんが最適な医療を受けられない可能性があります。
また、もしも救助を受けた登山者が感染していた場合。救助に携わった医療・消防関係者と濃厚接触して医療活動が停止する可能性だってあります。これにより、貴重な医療資源が割かれてしまうことも考えられますよね。
槍ヶ岳山荘では下記のようなメッセージがHPに記載されていました。(槍ヶ岳山荘ホームページ)
救助活動についても、通常通りの対応はできない可能性があります。
セルフレスキューの装備と技術を持たない方は、入山をお控えください。
セルフレスキューの装備と技術を持って登山を楽しんでいる方は、かなり少ないのではないではないでしょうか?
今は登山やクライミングをできるだけ控えることが、登山者の役目だと思います。またリスクの低いことを選択することは、登山者にとって当然のことなのかなとも思っています。
登山者が今すべきことは、「家にいること」
この記事では山岳四団体が発令した登山自粛のお願いから、なぜ自粛が必要になるか、その理由について考えてみました。
しばらくはアウトドアができず、辛い状況が続きます。今は登山ギアのメンテナンスをしてみたり、おうちでアウトドア料理を楽しんだりして、この状況を乗り切りましょう。夏、ベストシーズンでは山を楽しめるように!
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。
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夢は「旅をしながら山に登る」こと。好きなものは「山で食べるごはん」。 https://gear-zanmai.com/