防水?非防水?トレイルランニングシューズはどちらを選ぶべき?|サロモンの定番シューズで解説&ご紹介
「トレイルランニングで最も大切な装備は?」と質問されたら、やはりシューズではないでしょうか。
不整地を駆け抜けるためには、足元の安定感が欠かせません。より高性能なシューズを選びたいところですが、ここで「ゴアテックスを採用した防水シューズのほうが優秀」だと考えていませんか?
実は、トレランシューズにおいては、防水シューズ=優れたシューズとは限りません。
防水シューズにもメリットとデメリットが混在しており、場合によっては非防水シューズの方が優れていることもあるのです。
では、防水シューズと非防水シューズはどのように使い分けるべきでしょうか。
ここでは、トレランシューズにおける防水性能のメリットとデメリットについて考えながら、サロモンの定番シューズをご紹介します。トレランシューズ選びの参考にしてください。
サロモンとは
サロモンはフランスのスポーツ用品メーカーです。主にウインタースポーツ用品や夏山スポーツ用品の製造・販売・輸入を手がけ、特にスキー用品で名の通ったメーカーです。
サロモンの創業は1947年。世界にはまだスキーメーカーが存在せず、スキー板はスポーツ店が独自に製造・販売をしていた時代に、フランソワ・サロモンによりフランス南東部のアヌシーに創業されました。
創業当時はスキーのエッジとブレードを削る作業工場でしたが、ビジネスをスキービンディング(スキー靴にスキーをとりつけるための締め具)に発展させ、1966年、世界初の自動リリース機能をもつビンディングを開発しました。1972年にはビンディングの生産が100万セットをこえ、世界一のビンディングメーカーとなります。
夏山スポーツ分野に進出
1977年以降、アルパインとクロスカントリーブーツの研究開発がスタートし、ブーツの生産も開始します。スキーとハイキングブーツの分野でも成長を続け、1992年に独走的なハイキングシューズを開発し、夏山スポーツ分野へ進出しました。
2008年のUTMB(ウルトラトレイルモンブラン:モンブラン山麓170kmを走破するトレイルレース)では、サロモンのアスリート「キリアン・ジョルネ」が当時のコースレコードで優勝します。
2015年以降はバックカントリースキー、マウンテニアリング分野に本格進出し、近年はトレイルランニング、登山分野にも力を入れています。
サロモンは現在『遊び、進歩、自然とのつながりを応援』を目的とし、世界の山岳スポーツを牽引しています。
※参考:SALOMON SKI BOOK/山と渓谷社・サロモン公式サイト
購入前によく考えよう。トレランシューズにゴアテックスは必須ではない
登山では防水仕様の登山靴を選ぶのが基本ですが、冒頭で述べたように、トレイルランニングでは必ずしも防水シューズを選ぶ必要はありません。
そもそも、防水トレランシューズの数が少ないことも理由のひとつですが、防水シューズにもメリットやデメリットが混在しています。そのため、トレイルランナーやファストパッカー、長距離ハイカーには、非防水トレランシューズを選ぶ人も多いのです。
ゴアテックスとは
ゴアテックスは、防水シューズをはじめ防水アウトドア用品に欠かせない素材ですが、具体的にはどのような素材なのでしょうか。
ゴアテックスとは、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が開発した防水透湿素材のことです。
ゴアテックスメンブレンには、水滴は通さないが水蒸気は通す、無数の孔が設けられており、水の侵入を防ぎつつ蒸れを外に逃がしてくれます。
その性能は他社製品より群を抜き、レインウエアやシューズ、グローブなど多数のアウトドア用品に採用されています。
防水トレランシューズのメリット・デメリット
防水トレランシューズの多くはゴアテックスを採用しており、以下のようなメリットがあります。
- 高い防水透湿性能
- 小雨、水たまり、ちょっとした徒渉時でも浸水しない
- 防風・保温効果も期待できる、など
ゴアテックスの性能は前述の通り。小雨や徒渉時でも浸水の心配が少なく、肌寒の季節には防風・保温効果も期待できます。
ただし、登山靴とは違いトレランシューズは基本的にローカットシューズです。そのため、履口からの水の侵入を防ぎきれません。たとえゴアテックスを搭載していても、激しい雨脚の中では浸水してしまいます。
筆者は大雨の中でのトレランレースの経験がありますが、保水したシューズは重たく、足さばきの妨げになりました。優れた防水性能があだとなり、一度ぬれたシューズはなかなか乾きません。
このように、防水トレランシューズにはメリットもデメリットも存在するため、一概に「防水シューズがおすすめ」とは言えないのです。その中で、防水トレランシューズはこのような人におすすめします。
<防水トレランシューズをおすすめする人>
- 冬季や積雪期にもトレイルランニングを楽しみたい人(積雪期は防水性能必須)
- 小雨や徒渉対策に、少しでも足元を固めたい人
非防水トレランシューズのメリット・デメリット
対して、非防水トレランシューズには以下のようなメリットがあります。
- 通気性がよく蒸れにくい
- 浸水しても水はけがよく乾きやすい
トレイルランニングは登山やその他のアウトドアスポーツに比べて発汗量が多いため、シューズに通気性を確保することで蒸れ対策を講じています。
防水透湿素材がないぶん通気性がよく、浸水しても乾きやすいのが特徴です。もしシューズがぬれてしまっても「行動しながら(履きながら)乾かす」という考え方です。
この”乾きやすい”という特徴が、非防水シューズが長期間山中を歩き続けるスルーハイカーに人気の理由のひとつなのです。
ただし、ちっとした水たまりや泥沼、浅瀬の徒渉などでもすぐに浸水してしまいます。ぬれたシューズが不快であることは想像に難くないでしょう。
また、ぬれたシューズは足先を冷やす原因になるため、秋冬のトレイルランニングには防水シューズがおすすめかもしれません。積雪期にもトレイルランニングを楽しむ人は、もちろん防水機能が必須です。
<非防水トレランシューズをおすすめする人>
- 悪天候時には山に入らない人
- 春~秋の暖かい時期を中心にトレイルランニングを楽しむ人
- より軽量で軽快なシューズを好む人
- 少々シューズがぬれても気にならない人
サロモンおすすめトレランシューズ
サロモンのおすすめトレランシューズをシリーズ別にご紹介します。サロモンはS/LAB(エスラボ)を除いて、それぞれ通常モデルとゴアテックスを搭載した防水モデルがラインアップされています。それぞれのメリット、デメリットを踏まえて、用途に合った最適なモデルを選んでください。
SPEED CROSSS(スピードクロス)シリーズ
サロモンのベストセラーモデルの第4世代です。ソールには、大きめのラグ(突起)が配置される『Contagrip:コンタグリップ TA』ソールを採用し、耐久性を確保しながら、特にマッドコンディションにて優れたグリップ力を発揮します。
ミッドソールにはクッション性と耐久性を兼ね備えた素材を採用し、足を保護しながら高い推進力を生み出します。ドロップ差(つま先とかかとの高低差)は10mmに設定され、かかと着地の人におすすめです。レースからトレーニングまで、幅広い用途に使える万能トレランシューズです。
SENSE(センス)シリーズ
スピードクロスシリーズと同じく、センスシリーズもサロモンのベストセラーシリーズです。ドロップ差を8mmとやや低めに設定し、中足部での着地に適したモデルです。ソールには『Contagrip MA』を採用し、乾いた路面からぬかるみまで、全地形にバランスよく対応できます。
ミッドソールは振動を抑えて衝撃から足を保護してくれる『Vibe:バイブ』テクノロジーを取り入れ、優れたクッション性を有しています。こちらもレースから日頃の練習まで幅広く活躍するシューズです。
ドロップ差を10mmに設定し、かかと着地に適したモデルです。あらゆる地形に対応できるソール『Contagrip MA』を採用し、硬く平面な路面からぬかるんだ地表までグリップ力を発揮します。クッション性に優れるミッドソールを搭載し、衝撃から足を保護します。特に、トレイルとロードが入り組んだコースにおすすめのモデルです。
S/LAB(エスラボ)シリーズ
S/LABシリーズはサロモンの最上位シリーズで、上級者、トップアスリート用モデルをラインアップしています。そのため、耐久性よりも軽さを優先しており、日常のトレーニング用途には適しません。勝負レースで1秒でもタイムを削りたい。そんな人におすすめのシリーズです。
トップランナーのニーズに応えるレース専用シューズです。重量は200gを切る軽量シューズで、重心を抑えたソール構造により、ランナーに裸足に近い感覚を提供します。ドロップ差は4mmと低く設定され、中足部から前足部での着地に適し、路面の感覚を敏感に感じられます。軽さ、通気性、裸足感覚を兼ね備えた、アスリートやエリートランナーにおすすめのモデルです。
ウルトラレースに対応したレース専用シューズです。ドロップ差は8mm、ミッドソールに高い耐久性を備えたポリウレタンフォームを採用し、軽さとクッション性のバランスに優れたモデルです。
あらゆる地形に対応できる『Contagrip MA』ソールを搭載し、さらにフィット感、耐久性も向上させることで、状況がめまぐるしく変化する長時間のレースに活躍します。アスリートやエリートランナー向けのレース専用シューズです。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。
日本オリエンテーリング協会 読図・ナヴィゲーションスキル検定:シルバーレベル|フルマラソンベスト:3時間29分|将来、狩猟にも挑戦すべく「第1種銃猟免許」と「わな猟免許」を2018年に取得したものの、都市住まいではなかなか活用できないのが悩みの種。 https://takashi-kawaguchi.com/