登山の必需品レインウェアの簡単なお手入れ方法について
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登山初心者から上級者まで必ず登山に持って行くのがレインウェアではないでしょうか。山では天気が変わって突然の雨に降られたり、標高が高くなると急に気温が下がったりと不測の事態が起こります。そんな時にレインウェアが防寒着や雨具として大活躍してくれますが、その後のお手入れに次第で寿命が短くなったり防水機能が落ちたりと弊害が出ます。そこで簡単なレインウェアのお手入れ方法をご紹介します。
思った以上に高額アイテムであるレインウェア
レインウェアのことを一言でいうと雨がっぱなので、登山を始めたばかりの超初心者の方や登山に興味のない方はコンビニなどで売られているポンチョやビニール製の薄い物で十分なのでは?という方が多くいらっしゃいます。登山では何が起こるか分からない、良く知っている低い山でも急な雨に降られればビニール製の物やポンチョでは、全身びしょ濡れになってしまいます。
最近の登山用のレインウェアはゴアテックスなどの透湿性素材で出来ている事が多く、雨天時の快適性と登山時の安全性を考慮した作りになっていて上下セットで3万円を超える物もあります。思った以上に高価なアイテムですのでお手入れをきちんと行ってやれば、長く愛用することが出来ます。
洗濯機に投げ込む前に必要な前準備
最近のレインウェアは透湿性素材であるゴアテックスなど、高機能素材を使用して作られている物が殆どでお手入れ方法を間違えると、その性能が極端に悪くなる事がありますので注意が必要です。
まず一番大切なのは、レインウェアの洗濯表示を確認してどんな洗い方をするのかを把握する事です。ウェアによっては洗濯機で洗えたり駄目だったり、手洗いのみや漂白剤の使用禁止だったり、洗濯に使用する水の温度表示があったり、最終の乾燥方法まで記号で記載されています。自分のレインウェアにとってどの洗い方が一番ベストなのかを調べる事から始めましょう。
洗濯表示は、襟元やレインウェア内部に縫い付けてありますので確認をするようにして下さい。
下準備は埃落としから始めましょう
レインウェアは防寒着としても使用する事があり、見た目は綺麗でも細かい埃が沢山付着していますのでまずは埃や泥はねなどの汚れを落とす事から始めましょう。
まずは雑巾などをぬるま湯に浸してしっかりと絞り、埃や泥はねを丁寧に拭き取ってあげて下さい。その際にゴシゴシと生地を擦るのではなく軽く拭くようにするか、たたくようにして汚れを落とす事が大切です。ゴシゴシと擦ってしまうと表面の撥水処理した生地が傷んでしまい、撥水効果が無くなってしまう事もありますので注意が必要です。また埃や泥はねを拭き取らずに放置したまま洗濯機にかけると洗濯ムラが出来てしまい生地を傷める可能性がありますので、拭き取り作業は大切なメンテナンス作業のひとつです。
前準備が終わり洗濯機に入れる際の注意
埃や泥はねをきちんと拭き取った後に洗濯機での洗浄にはいりますが、ここでも注意すべきことが幾つかありますのでご紹介します。
①:必ず洗濯ネットを使用して洗う事。
洗浄ネットを使わずに洗濯機に入れると、洗濯機の内側とレインウェアの表面が擦れて生地を傷めてしまう事があります。
②:フード部分は洗剤が残りやすいので取り外して広げて一緒に洗濯ネットに入れる事。
フードの部分は入り組んだ構造になっているので、そのままの状態だと洗剤などが残留し変色してしまう可能性があります。
③:ファスナーやベルクロはきちんと閉じておく事。
ファスナーなどが開いていると洗濯時に生地に引っ掛かったりして傷をつけてしまう可能性があります。
④:コードなどの紐類は全て緩める事。
コード類で生地を絞ったままの状態にしておくと、洗濯ムラが出来る可能性があります。
⑤:ぬるま湯を使用して、合成洗剤を使用する事。
粉洗剤を使用すると、石鹸の化学反応により色ムラが出来たり汚れがついたりする可能性があります。
上記の①~⑤の手順を実施してから洗濯機での洗浄になります。
また防水性素材の場合には、水が生地を透過せずにすすぎ洗いの効果が低いので通常のすすぎ時間よりも2倍ほどの時間を掛けてしっかり行うようにして下さい。洗剤が落ちきれなかった際には部分的に撥水機能が低下したり、色ムラが出来たリします。
洗濯終了後のウェア乾燥方法について
洗濯機での洗浄が無事に終わった後は、レインウェアの乾燥工程ですが大きく2つに分けられますのでご紹介します。
①:洗濯表示を確認し乾燥機に入れても大丈夫なレインウェアの場合。
レインウェアの洗濯表示に乾燥機使用可能であれば、乾燥機を使用した方がしわの発生を防ぐ事が出来ます。また生地の撥水機能は熱を加える事で回復しますので乾燥器の熱で自然と元に戻る事もおすすめポイントの一つです。
②:乾燥機が使用不可のレインウェアの場合。
レインウェアによっては乾燥機が使用できない物もあります。この場合には脱水機能や手で絞ったりせずにタオルで水分を吸い取ってあげる事が大切です。その後は型崩れしない様に大き目のハンガーに掛けて必ず陰干しを行って下さい。直射日光を当てると紫外線によって生地の劣化が進む事がありますの注意が必要です。
レインウェアは登山の必需品なので手入れは入念に
簡単にレインウェアのお手入れ方法を記載して来ました。レインウェアは、テントなどに次いで高価なアイテムであること、かつ登山の必需品で常にザックに入れて持ち歩く物ですので、いつどんな時でもきちんとその機能を使える様に手入れをしてあげることが長く愛用する秘訣でもあります。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。