登山では昼食ではなく休憩中に行動食を取ること

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2017.01.18

引用:pexels

登山はピクニックやハイキングのように、高原に昼食を食べに行く訳ではありません。宿泊をともなう縦走だけでなく、日帰り登山においても、行動時間の長い場合、昼食のための時間を別途取る余裕がない場合がほとんどです。

登山の際の昼食は、行動時間の休憩の際に、行動食を取るのが通常です。こちらでは登山における行動食について解説いたします。

登山は山で昼食を取ることが目的ではない

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引用:写真AC
トレッキング程度の日帰り登山の場合、山のピーク付近で昼食という時間的余裕もあります。しかしながら、行動時間の長い登山ルートの場合、昼食のために時間を別途使うことは時間の浪費につながるため、昼食用の時間を特別に取ることはしません。
ハイキングやピクニックと違い、登山は山を登りに行くのであって、山で食事を楽しむことが目的ではないからです。

よって、登山の際の昼食は、休憩時間に行動食で軽く済ますことがほとんどです。ただし、長時間山道を歩き、スポーツの中でも非常にハードな部類に入る登山において、食事の重要性は言うまでもありません。昼食の時間が取れないからといって、何も食べないのはもってのほか。スグにバテてしまいます。休憩時間に効率よく内容のある行動食を取ることで、バテることなく計画通りに山に登ることができます。

登山の行動食の内容、主食と副食が存在

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引用:写真AC
行動食は主に2つの種類からの構成を考えます。
(1)主食→おにぎり、菓子パン、サンドイッチ、カロリーメイト、ビスケット、クラッカー、大福など
(2)副食→チーズ、ハム、ソーセージ、果物、ようかん、チョコレートなど
(3)その他→飴

行動食は(1)主食と(2)副食をバランスよく取ることが大切です。ただし、日帰り登山の場合は主食だけで十分可能です。休憩時間に適宜、カロリーメイトやクラッカーを食べれば、最も効率よく行動食を取ることにつながります。ただし、宿泊をともなう縦走の場合は、栄養の観点から副食も必ず取るようにしたいものです。

また、(3)その他として、行動時間中に飴をなめることもおすすめです。飴により、行動時間中もカロリー補給が可能になります。また、脂肪を燃焼させてエネルギーに変えるためには、潤滑油として糖が必要となります。行動時間中に飴をなめることは、カロリーの観点及び効率的なエネルギー生産の観点からも、非常に理にかなった行動です。なお、最も適しているのは登山店などで販売されているブドウ糖の飴です。

用意した行動食は、小分けにしてすぐ取り出せるようにしておくこと。休憩時間にササッと食べて、休憩が終わり次第、すぐにしまって行動開始というのが理想的です。ザックから取り出しやすい場所にパッキングするか、ウエストポーチに入れるなどして、スグに取り出せるようにしましょう。

効率的な行動食、100kcal当りのグラム数の比較

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引用:ぱくたそ
時間や内容が限られる登山の際の行動食、効率的にカロリーを取るためには、どんな食べ物にどの程度のカロリーが含まれているかという栄養学的な知識も必要になります。以下に行動食となりうる食料の100kcal当たりのグラム数を記載しました。

・ハム 50g
・餅 44g
・食パン 38g
・干しぶどう 31g
・プロセスチーズ 30g
・精米 29g
・砂糖 26g
・ココア 25g
・インスタントラーメン 24g
・キャラメル 24g
・ビスケット 23g
・チョコレート 19g
・ピーナッツ 18g

上記の組み合わせでいえば、ハムチーズサンドイッチが登山に最適な行動食となります。また、登山に大福餅を持参するベテラン登山家もいますが、納得できます。
意外なのはインスタントラーメンです。作るのに時間がかかり、カロリー数も少ないことから、行動食としてはインスタントラーメンより優れたものがたくさんあるということが分かります。また、カロリーの観点からは、休憩時間の飲み物はコーヒーよりココアの方が優れています。

登山中の行動食の取り方、休憩の際に取ること

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引用:ぱくたそ
行動食の取り方は、休憩時間に取るということになります。朝の行動開始後スグは小腹が減ることはあまりありませんが、お昼が近づくにつれ、徐々に小腹がすいてくるので、多少お腹がすいたなと思ったら、早めに行動食を食べるようにしましょう。そして、その後は休憩のたびに適宜行動食を取ることの繰り返しです。

行動食はあくまでも休憩時間の最中に取ることが大原則です。行動食を取っていたら、出発時間が遅くなってしまった、ということにならないように注意しましょう。特にパーティーで登山をする際に、行動食を取っていたら行動開始時間が遅れて仲間に迷惑をかけてしまった、という事態は避けるよう気を付けましょう。

お昼に近い時間の休憩の際は、若干長めに休憩時間を確保して、お湯を沸かしてスープを飲むなどの余裕を作ることは、考慮に入れてもOKでしょう。行動時間10時間以上というようなハードな日程でなければ、その程度の余裕を作ることは十分可能なので、寒い時期の昼時の休憩は、温かい飲み物等を取って体を温めましょう。
ただし、長めの休憩を取る際は、ルートの所要時間を把握して、その後の行動に支障が出ぬよう、事前の準備が大切となります。

まとめ~行動食とすることで早く目的地に着ける

この記事は、現在の登山ブームの姿からは非常にストイックな内容となっていますが、雪山登山であったり、夏山でもアルプス縦走をするのであれば、極めて常識的な内容です。
登山は早めに行動を開始して、目的地に早く着く(午後になるとガスで天候が悪くなるので)というのが大原則となります。よって、昼食の時間を別途取らず、休憩時間に行動食を取ることで、目的に早く到着することが可能になります。
コンパクトかつ内容のある行動食を用意して、バテることなく登山を楽しみたいものですね。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。