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引用:pixabay.com
冬山登山といえばいかにも厳しく大変そうなイメージですが、夏の登山だったら初心者でも気軽に挑戦できそうと思われる方も多いかも知れません。実際、夏の山は街中より気温も低く快適な一面もあります。しかし、気軽なお散歩感覚で出かけてしまっては思わぬ危険にもつながりかねません。登山には、山特有の環境に適した服装が必要です。今回は、夏の登山の服装について基本から分かりやすくお伝えします!
登山の服装は「レイヤリング」=重ね着が基本
山の環境の特徴といえば、標高によって気温が変わるという点です。基本的に、標高が高くなるほど気温は低くなります。また、登山は低いところから高いところへ一直線に登っていくわけではなく、アップダウンを繰り返しながら最終的に頂上に向かっていくので、昇り降りにつれて気温も低く感じたり高く感じたりします。日差しが強かったり曇ってきたりという天候の変化でも暑さ寒さの感じ方は変わりますし、木陰と日なたでもまた異なります。つまり、気温の感じ方が変化する要素が山ではとにかく多いのです。
このため、半袖Tシャツ1枚、あるいは厚手の長袖1枚といった服装では、この暑さ寒さの変化に対応できません。変化に対応するためには、「レイヤリング」=重ね着が登山の服装の基本となります。
夏の登山はどんなアイテムを重ねればいいの?
では、夏の登山ではどんな服を何枚くらい重ねればよいのでしょうか?
夏の場合、半袖のアンダーウェアに長袖シャツの2枚重ねがおすすめです。通常、登山の服装はベースレイヤー・ミッドウェア・アウターの3レイヤー構成が基本になりますが、夏場はアウターはなくても構いません。ベースレイヤーとしてアンダーウェア、ミッドウェアとして長袖シャツを着る形となります。
ただし、雨が降っている場合はレインウェアを着ることになりますので、これがアウターという位置づけになり、3レイヤー構成となります。
また、長袖シャツを着ていても寒く感じたときに備え、薄手のフリースなど予備のミッドウェアをザックに入れておくと安心です。
反対に、暑がりの方や天気予報などで気温が高めの場合は、長袖にこだわらず半袖シャツを着てもOKです。
サイズレンジ: M, L, LL
サイズレンジ:S、M、L、XL
登山に適したパンツは?選び方のポイント
夏の登山でのトップスはアンダーウェアとシャツの2枚重ねが基本ですが、パンツはどんな物を選んだらよいでしょうか。
動きやすさ、そして丈夫であることが重要なポイントです。膝の屈伸やしゃがむ動作などがストレスなく行えるかどうか、実際に試着して確かめてみましょう。また、登山用のパンツは体を保護するのも重要な機能のひとつです。破れやすい膝周りやお尻周りがしっかりとした縫製になっていたり、予め補強されているタイプだと安心ですね。
雨の場合は上からレインパンツを重ねて履くのが原則ですが、パンツ自体にも撥水性があるものを選べば、小雨程度ならそのまま登山を続行できることも。
重 量:445g
登山用の服装は「素材」も要チェック
登山のときの服装は素材も重要なポイントです。
日常であれば綿のアンダーウェアが肌触りもよく快適という方も多いですが、夏の登山の場合はかなり汗をかくので、綿ですとなかなか乾かずにベタベタしたり、気温によっては冷えてしまうこともあります。乾きやすい化繊素材のものが登山には向いています。
メッシュ素材など、通気性の良い素材を使ったものならより一層快適です。
ミドルレイヤーのシャツも、やはり綿よりも化繊素材のものがおすすめです。アンダーウェアだけでは汗を吸収しきれない場合もあるので、やはりシャツも乾きやすいポリエステル素材などが良いでしょう。ポリエステルは、乾きやすさと同時に汗の吸収性にも優れた素材です。
夏の登山、他にもこんなアイテムがおすすめ
夏の登山では、日差しよけの帽子も重要です。山では、街中よりも日差しが強く、眩しく感じるもの。視界をしっかり確保するためにも、キャップのように顔の前面にしかツバがないものよりも、一周にツバがついているハットタイプがおすすめです。あご紐が着いていれば、風が強いときも飛ばされる心配が少なくなります。
サイズレンジ:M・L
サイズ(頭囲) M 58cm・L 60cm
また、靴下選びも重要です。登山靴はこだわりを持って選んでも靴下は手持ちのものを適当に履いてしまいがちですが、しっかりとした厚手の登山用のソックスを選べば快適さが全く異なります。衝撃を吸収してくれる効果があり、また乾きやすい素材を使っているため履き心地も◎です。
ファッション性だけじゃない、命を守るための服装を
「命を守るための服装」というと大げさに感じるかも知れませんが、気温が大きく変化する山の環境では、体温調節を適切に行うことはまさに命に直結します。仮に上着を持たずにTシャツ1枚で山に登って体を冷やしてしまったとすれば、思わぬ体調不良から事故を招くことも考えられます。暑さ寒さに合わせて随時調節できるよう、夏でも化繊素材の服を重ね着して出かけましょう。
「そんなことを言われても、買い揃えるにはお金もかかるし…」と心配になってしまう初心者の方は、中古の登山用品を探してみてください。
たとえば登山用品の買取サービスを運営しているマウンテンシティでは、一部の店舗で中古の登山用品の販売も行なっています。
こうしたお店を上手に利用して、山と季節に合ったレイヤリングスタイルで、夏の登山を安全に楽しんで下さいね!