好評第2弾!マウンテンシティ南浦和店の店長、北村さんこと「きーさん」が先日、神奈川県の「春岳沢」に沢登りに行かれたということで、その様子をうかがいました!
今回はどんな装備で、どんな様子だったのでしょうか?
インタビュアーは我らが天然アイドル、なっぴーさんにお願いしました。
あるだけ?はるだけ?どんな沢?
なっぴー:今日はマウンテンシティ南浦和店の店長、北村さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
きーさん:よろしくお願いします。
北村さん、先日沢登りに行かれたということで…?
はい。
どこの沢に行かれたのですか?
場所は、神奈川県の秦野市から伊勢原市にある、春岳沢という沢に…。
あ、ある・・あるだけ沢?
いぇ…「はる」、春岳です。
はる…「はるだけ」沢…。あ、春岳沢。
はい。に行ってきました。
ほぉぉ。そこはどんな沢なんでしょうか?
沢のレベルで言うと初級者の沢ですね。沢のシーズン・インのときに足慣らしで、ちょっと行こうかな…って行ってきました。
行かれたのはいつ頃ですか?
3月初旬ですね。
どんな物を持って行きましたか?
では、装備から伺います。持ち物はどんなものを持って行きましたか?
まず足回りが、沢登り専用のフェルト製の靴ですね。モンベルのサワーシューズというのを履きました。
あとは、フェレット(杖)、ロープ(ザイル)、カラビナとか、いわゆるロッククライミングで使うような道具を持って行っています。
沢登りに持っていく食糧は?
非常食とかは持っていかなかったんですか?
食事は、えーと、お米と…梅干しと、ニンニクですか。
!?にんにく? ニンニクってどういうことですか??
和食というか(笑)、チョコレートだと自分の口に合わないというのもあって、和食が好きで。
あと、味噌も持って行ってます。こういったものは体が吸収しやすくて効率がいいんです。エネルギー(熱量)になりやすい、熱が出やすいということですね。沢登りは冷えちゃうので、そういう温まる系のものがほしいなと。
今回は日帰りだったんで、主に自分の好きな物を持って行って食べました。
なるほど~。にんにくのチューブは、こぅ、自分の口にくわえて…??
(爆笑)
あ、あれ?ちがう…?
チューブではなくて、にんにくのカツオと醤油漬けみたいなやつです。
あ!そういうことですね!
これを、炊いたご飯と一緒に食べたという感じです。
あー。(^^;) 意味が分かりました。ありがとうございます。(汗)
沢登りの服装は?
じゃぁ、服装についても軽くおうかがいしますね。何を着て行ったんですか?
まずアンダーは撥水性のあるスパッツ、上は化繊(化学繊維)系のインナーを着て、で、その上にレインウェアを着ました。
滝とかバシャバシャと浴びることになるんで。中があまり濡れないような、濡れてもすぐ乾くようなものを選んでいます。
時間はどのくらいかかりますか?
何時頃に登り初めて、何時頃、沢に着いたんでしょうか?
ふだん沢や山を登るときって、7時とか8時とかに登り始めたりと、割と朝が早いんですけど、今回は家の近所なので、登り始めたのは10時くらいですかね。
なるほど。10時に登り始めて、で、12時に…お昼みたいな?
そうですねぇ。のーんびり登ったんで、それぐらいですね。12時頃にお昼を食べようかなぁと。
頂上と言うより「源頭」(げんとう…川が流れ始める、最初の一滴が出る場所)に、12時くらいに着いたという感じですね。
ほほぅ。そこまでは距離的に何メートルくらいあるんでしょうか?
標高差で言うと、500メートルくらいかなぁと思いますね。人間って100メートルの標高を登るのに、だいたい15分くらいかかるので、本来であれば1時間半くらいでいけます。
今回はのんびり行ったので2時間でしたね。
どんな道でしたか?
では、実際の沢登りの様子を教えてください。
大きく挙げると2つあって…
まず、滝があって水が流れている。で、その上を歩くというのがひとつ。
もうひとつは地面を歩くんですが、これも登山道がないんですね。ここを歩いてくださいという道が無い。で、その道も崩れやすい。足を置いたらその下がポロっと崩れちゃうみたいな。そういう道を歩いています。
えぇー(動画を見ながらびっくり)…。
夏だったら、シャワークライミングというような、直接滝の中を登ったりとかもあるんですけれども。
今だと寒いので、滝を直接登ったところもありますが、「高巻き」と言って、沢をそれて大きく迂回して登るっていう登り方もしていますね。
今回は地図に載っていないところも行ったんですよね?
そうですね。
沢自体はそもそも道が無いんですけれども、帰り道(沢登りが終わった後)は一旦登山道まで戻りました。
そのあとは楽に帰るというのが多いんですが、今回は時間に余裕があったのと、低い山で、自分が行き慣れた山だったので、ちょっと寄り道しようかなと。で、登山道以外の場所も歩きました。
昔の地形図を見ると「徒歩道」、歩ける道っていうサインがでていたんですけれども、今のガイドブックを見るとそれが「無い」。昔は道だった場所というところを見つけて、地形図上で「あ、ここだ」という道を下りて行ったんです。
そういう道を歩いていると、昔の人が登った時につくった祠(ほこら)があったり、木を伐採する林業の方がお仕事されていたり。
普通の登山道ではなかなか見ないような景色を見ながら下りることができました。
最後にバス停に着いたときも、断崖絶壁のガケから下りてきたような感じになりましたね。ガケから降りたら全然知らない駐車場っていう(笑)。
まぁ最初から最後まで道なき道を行ったというか…。
沢登りの感想は?
普通、登山と言うと用意された道(登山道)を歩くんですけれども、そうでなくても人が歩いたところには歴史があるということですね。
今回登った道だと、その一番上に「大山(おおやま)」という神奈川県で信仰が厚くて有名な山があるんです。そこに信仰を裏付けるようなものがあったりとか、女人禁制の碑や跡があったりだとか。
あと、山を登るためには登りやすい道を選んで行くんですけれども、昔の人は登りやすい道をよく分かっていたということも感じました。
なるほど〜
で、自分も同じように地図を見て、「あ、ここは下れるかも」「ここは登れるかも」と思ったら、そこに祠があったりとか、この丹沢滝だと飛行機のエンジンの跡があったりとか、いろいろ面白い発見がありました。
こういったものを、自分も昔の人のように追うことができるっていうのは、その人の歴史を感じることができて面白かったです。
あと、今より自然との距離が近かった人たちと自分が同じように考えていけたっていうのが、自分の自信にも繋がる登山ができたかなと。
時間は5~6時間と短かったんですけれども、自分の中ですごく「楽しい」登山でした。
ほぉぉ~(感嘆)。北村さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
とても心に残るいいお話が聞けました。先人の…
先人の知恵が…(笑)
二人:ははははは。
完。
沢登りの基本知識と補足
きーさんのお話しのとおり、沢登りは基本的に「道なき道を登る」登山スタイルです。一般の登山は作られた登山ルートに沿って歩きますが、沢登りは沢に沿って水が枯れる場所まで歩く登山で、バリエーションルートとも呼ばれるそうです。普段の登山とは違った景色を見ることができ、自分で道を見つけて歩く冒険が楽しめます。
今回のお話にあった、「大山」は、江戸時代は女人禁制の山であったため、現在は「女人禁制の碑」が建っています。また、飛行機のエンジン跡というのは、戦争時に使われた戦闘機が墜落したものだそうです。きーさんのおっしゃるように「歴史」を感じますね。
さて、次回のきーさんはどこへ登るのか?楽しい体験記を期待しましょう!
★★きーさん第1弾ほか、過去記事はこちら!★★