春夏キャンプのマストアイテムといえば、保冷力が最強の「保冷剤」です。
しかし、保冷剤の種類は多く持続時間などもさまざまなため、何を選べばいいか悩みますよね。
保冷剤を選ぶときは、種類や特徴、購入時のチェックポイントを知っておくことが大切です。
保冷剤は、春夏シーズンはもちろん年間を通じて活躍しますが、「買いたいけれど何がいいか迷っている」、「選ぶときの基準がわからない」と悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
保冷剤の役割や持続時間
BBQに使用する食材・生鮮食品・果物・調理済みの料理・飲み物・ビールなどは、おいしさの面や衛生面でも、冷蔵庫から出したばかりの冷えた状態でキャンプ場まで運びたいですよね。
そのためには、保冷力の高いクーラーボックスと保冷剤の組み合わせは欠かせません。長時間保冷力を発揮するタイプなら、数日間その冷たさを維持することも可能です。
一言に保冷剤といっても、アウトドア遊びや宿泊キャンプで冷凍庫並みの最強の保冷力を誇るタイプから、普段の買い物・ランチタイムなどで活躍してくれる気軽に使えるタイプまでさまざまな種類があります。
キャンプで使う保冷剤の選び方
キャンプで使う保冷剤は、生鮮食品を冷えたまま運ぶことができ、キャンプサイトでは冷蔵・冷凍庫として使える、高い保冷力が求められます。
自分が求める最強の保冷剤を手にいれるためにも、まずは保冷剤の種類や保冷力の違いなど、選び方のポイントを知る必要があります。
選び方①素材はハードorソフトの2種類
キャンプやアウトドアで活躍するクーラーボックスは、頑丈な箱型のハードタイプと柔らかい素材で作ったポーチやバッグ型のソフトタイプがあります。
それと同様に、保冷剤にもハードとソフトの2種類あるのはご存じでしょうか。
キャンプで使うならハードタイプがおすすめ
ハードタイプの保冷剤は、プラスチック製の固いケースに液体の保冷液が入っているタイプで、「蓄冷材」と呼ばれることもあります。
固い板状なので、
- 壊れにくい
- 形が崩れにくい
- 冷たさが長持ち
- 保冷力がなくなっても形が変わらない
などのメリットがあります。さらに、クーラーボックスの中に立てかけたり重ねたりして収納も可能です。
ハードタイプの保冷剤は、保冷力が高く長時間冷たさが持続してくれるので、キャンプ用クーラーボックスに入れて使用するにはピッタリと言えます。
日常使いで使うならソフトタイプがおすすめ
ソフトタイプの保冷剤は、ビニールやポリエチレンなど柔らかい外装で作られているタイプです。スーパーで生鮮食品を購入したときやケーキ屋さんでケーキを購入したときに付けてくれる、小さな保冷剤もソフトタイプの一種。
アウトドアメーカーが販売しているソフトタイプ保冷剤は、さらに大きく凍らせていないときは柔らかいです。
ハードタイプと比較すると保冷力が低いものの、軽量で生鮮食品の買い物やお弁当の持ち歩きなど日常的に使えます。
また、タオルに包んで発熱時に体をアイシングするときにも便利です。
選び方②保冷力は「0℃タイプ」と「氷点下タイプ」がある
キャンプで使う保冷剤に求める条件はやはり「最強の保冷力」です。
保冷剤には「氷点下タイプ」と「0℃タイプ」の2種類があり、保冷力にはそれぞれ違いがあります。
保冷剤を購入するときには、どちらのタイプなのかも確認して選びましょう。
-0℃タイプは適度に冷やしたいものに
保冷剤の「0℃タイプ」とは、”0℃で凍る”タイプのことです。日常的によく見かけるソフトタイプの保冷剤はこれに該当します。
肉・魚・卵・野菜など「凍らない程度に冷やして鮮度を保ちたい」ときにピッタリでしょう。
サンドイッチやおにぎりなど、冷えて固くなると美味しくないものを保冷しながら持ち歩きたいときにも向いています。
また、真夏の暑いときにハンカチに包んで首元を冷却、発熱時に頭に乗せたりなどの使い方ができるのも0℃タイプの保冷剤のメリット。
「氷点下」の表記がない保冷剤はほとんどがこのタイプです。
-氷点下タイプは生ものや氷などしっかり冷やしておきたいものに最適
保冷剤の「氷点下タイプ」とは、その名の通り「0℃以下の氷点下」で凍る保冷剤のことで、主にハードタイプに多くみられます。製品に、「−(マイナス)16度」・「強保冷」などと記載されているので確認しましょう。
クーラーボックスに入れれば、庫内を長時間冷やしてくれるので、キャンプに生鮮食品やキンキンに冷やしたいビールなどを持って行くときには最適です。
最強を誇る氷点下タイプの中には、凍らせるまでに時間を要するものもありますが、保冷力も高いので、すぐに凍ってくれる「0℃タイプ」と両方を上手に使い分けるといいでしょう。
製品によって保冷力や時間は異なるので、家からキャンプ場までの距離、キャンプ場で滞在する時間や日数などを考慮して選ぶのがおすすめです。
選び方③再凍結時間も確認しておきたい
保冷剤を選ぶときは、保冷力だけではなく「再凍結時間」も確認することが大切です。再凍結時間とは、保冷剤が一度溶けてから再び凍るまでにかかる時間のことで、製品によって異なります。
氷点下タイプの保冷剤は、保冷力は強力なのですが、再凍結時間は長くなり、保冷力は劣るもののソフトタイプは早く再凍結します。
キャンプ場に氷点下タイプの保冷剤を持って行く場合は、製品の再凍結時間を確認して数日前から凍らせておきましょう。
選び方④保冷剤のサイズはお持ちのクーラーボックスに合うものを
ハードタイプでもソフトタイプでも、キャンプに行くときはクーラーボックスに食材を詰めてから保冷剤を入れます。
そのため、保冷剤を購入するときには持っていくクーラーボックスの庫内のサイズを確認して、その中に収納できる大きさの保冷剤を選びましょう。保冷力最強の保冷剤を選んでも、クーラーボックスの中に入らなければ意味がありません。
また、保冷剤の数が多すぎても肝心の食材などを入れるスペースが狭くなり、肝心の食材が入りません。保冷剤と食材の両方を入れて「ピタッと蓋が閉められる」かを基準に選びましょう。
キャンプにおすすめのハードタイプの保冷剤5選
デイキャンプやお泊まりキャンプでも、アウトドア環境に持っていくクーラーボックスに最適なのはハードタイプの保冷剤です。
ハードタイプの保冷剤は、アウトドアメーカーなどからさまざまな種類が販売されており、どれが「最強の保冷剤」なのか選択に悩んでしまうでしょう。
そこでここからは、おすすめのハードタイプ保冷剤5選を取り上げ、それぞれの特徴をご紹介します。保冷剤選びの参考にしてくださいね。
LOGOS/倍速冷凍・氷点下パックM
キャンパーに人気のアウトドアブランド「LOGOS」で評判が高いのが、この「倍速冷凍・氷点下パック」シリーズです。
ハードタイプの保冷剤で、素材はポリエチレンを使用。サイズはS・M・Lの3サイズ展開ですが、Mサイズは、(約)縦19.6×横13.8×厚さ2.6cmで重さは約600gになります。
「倍速」というだけあり、事前準備の凍結時間が約18〜24時間と従来品の約半分になりました。一般的な保冷剤の約8倍の保冷能力があるので、生鮮食品やビールなどの飲み物はもちろん、冷凍食品やアイスクリームなども保存できます。
「倍速冷凍・氷点下パック」は、半透明なので、凍っていない状態のときはターコイズブルー色になっていますが、凍結が進むにつれて白っぽく色が変化していきます。
凍った状態も溶けた状態も色の変化により一目で分かって便利です。冷蔵庫にいくつか常備しておけば、キャンプのときはもちろん、急な停電や災害時にも活躍してくれるでしょう。
DAIWA/CPアイス
釣り製品で有名な「DAIWA」のハードタイプ保冷剤が「CPアイス」です。マイナス16℃グレードのハードタイプ保冷剤です。
0℃タイプの保冷剤と比べると保冷時間は3.7倍長持ちした自社試験データがあり、CPアイスは低粘度保冷材なので、容器を通して保冷材がサラサラしていることが確認できるのもメリットです。
CPアイスのサイズは、S(縦22.0×横14.0×厚さ2.5cm/重量580g)・M(縦24.0×横14.5×厚さ3.0cm/重量880g・)L(縦28.5×横18.0×厚さ3.0cm/重量1280g)。
いずれも、DAIWAのクーラーボックス底面にピッタリのサイズに作られています。
アイリスオーヤマ/保冷剤ハード
幅広いジャンルの生活用品を展開している、アイリスオーヤマの「保冷剤ハードCKB-500」は、すばやく凍るのに保冷力が高いと評判です。
凍るまでの時間の目安は-20℃の環境下(一般的な冷蔵庫の冷凍室は約-22℃~-16℃)で約10時間と短めなのもメリットです。
3サイズ展開で、Sサイズ(縦18.0×横9.5×暑さ2.6cm/重量350g)、Mサイズ(縦18.0×横15.0×厚さ2.8cm/重量500g)、Lサイズ(縦28.8×横19.5×厚さ2.2cm/重量800g)になります。
完全に凍らせてからクーラーボックスに入れると、12時間くらいは保冷力が持続し、リーズナブルなのも魅力でしょう。
キャプテンスタッグ/時短凍結スーパーコールドパックM
キャンプギアで人気のキャプテンスタッグでは、ハードタイプの保冷剤「時短凍結スーパーコールドパック」をリリースしています。
サイズはS・M・Lの3サイズ展開ですが、Mサイズは、縦19.5×横17.0×厚さ3.0cmで重さは約750gになります。再冷凍までの時間や約24時間。
同社の従来品と比較しても、氷点下持続時間が長く、ニューコールドパック(UE-3001〜4)やクールタイム(M-8998~9)と併用することでさらに保冷力が向上します。
VASTLAND/ハイパワー保冷パック
日本のキャンプギアメーカー「VASTLAND」で人気の高いハードタイプ保冷剤「ハイパワー保冷パック」は、縦15×縦18×厚さ2.8cmで重さは約500g。0℃タイプの保冷剤ですが長持ちするパワーは「最強」と評判です。
野菜・果物・パン・卵など凍らせたくないけど冷やしたい食品を、長い時間保冷してくれます。
ほかの0℃タイプの保冷剤と比較すると、6時間経過しても−2℃以下をキープ!キンキンに冷やしたいアイスクリームなどのクーラーボックスとは別に使用して使い分けすると便利です。
保冷剤を使った効率的な冷やし方
保冷剤は、ちょっとしたテクニックでより効率的に食材を冷やすことができます。冷たさを長持ちさせたいキャンプのときに、ぜひ試して欲しい方法をご紹介します。
①複数の保冷剤を使う
「最強の保冷力」を誇る保冷剤でも、日をまたぐ長時間保冷力が必要な場合は、1個だけでなく複数の保冷剤を利用するのがおすすめです。
たとえば、ハードタイプの保冷剤を1個使用して、ソフトタイプ保冷剤で食品の隙間を埋めると、より保冷力がアップします。
②保冷剤は冷やしたい食材の上に置く
ハードタイプの保冷剤はクーラーボックスの一番下に敷くイメージがありますが、実は冷たい空気は上から下に流れていきます。
食材の一番上にも、もう1個ハードタイプの保冷剤を置きましょう。そうすることで、より保冷力はアップします。
クーラーボックスの中でハードタイプの保冷剤を上下に置く場合は、庫内の高さや保冷剤の厚さも計算して、食材の下と上に置いても蓋がしっかり閉まるサイズかを調べましょう。
③凍らせた飲料を一緒に入れる
冷たさを長持ちさせるためには、凍らせたペットボトルの飲み物を一緒にクーラーボックスの庫内に入れるのも効果的です。
通常のペットボトル飲料は冷凍に適さないので、ボトルの蓋に「この商品は冷凍できます」の表示がある製品にしてください。
冷凍用飲料のペットボトルは、通常のペットボトルよりも厚く作られているので安心です。
④気泡緩衝材(プチプチ)で食材を包む
荷物を梱包するときに使用する「気泡緩衝材(プチプチ)」を合わせて使うことで保冷力が高まります。本来は衝撃から守るための空気の層ですが、冷気が逃げるのも防いでくれるのです。
ずっと冷やしておきたい食材の上に小さめの保冷剤を乗せてから、プチプチで包んでください。
さらに、ハードタイプの保冷剤を入れたクーラーボックスに入れると、より保冷力はアップします。
⑤直射日光を避けた日陰にクーラーボックスを置く
せっかくさまざまな工夫をして保冷剤を詰めたクーラーボックスでも、キャンプサイトで直射日光が当たる場所に置いてはせっかくの保冷力も台無しに。
テント内やタープの下など、日陰の涼しい場所に置くようにしましょう。
保冷剤は夏キャンプの必需品!泊数にあった最強の保冷剤を持っていこう!
気温が高い夏キャンプは、最強の保冷力を誇る保冷剤が必須アイテムです。クーラーボックスの保冷効果を上げるためには、保冷力の高い保冷剤を選ぶのはもちろんのこと、詰め方などにも工夫が必要です。
どれくらいの時間保冷力をキープすればいいのかは、日帰りか宿泊かキャンプ場での滞在時間により最適なものが異なります。
自分が望む時間だけ保冷力をキープしてくれる保冷剤を上手に選んでくださいね。