皆さんこんにちは!ライターのKajoです。
毎日ご機嫌に夏を堪能していたのに、気づけば秋がわたしの夏を奪ってしまったことを、毎朝の早起きが難しくなってきたことにより実感する最近です。
今回は、長期で山に入っていなかったわたしがリハビリを兼ねて行った山行の様子をお届けします。
水温がまだ温かいうちは毎日のように海に潜っていたわたしですが、ふと「最近は山に行ってないな、行こ。」という単純な動機で山に行くことを決意しました。
- アクセスが良いこと
- リハビリ向け、トレーニングにも良さそうな山であること
- 展望が良いこと
この3つを軸に、関東周辺の山に検討をつけ探したところ。
神奈川県箱根町、金太郎伝説が残る「金時山」に、一度も登っていないことに気づきました。初心者向けの山として紹介され、関東エリアで人気の高い山のひとつですね。
皆さんはもう、登られているんだろうか。
その標高は1,212メートル。
アクセスが良く手軽に登れる&展望が良いこの山を、リハビリ登山第一弾として決定しました。
【ウェア・持ち物】
- インナー:スキンレイヤー(スキンメッシュタイプ)
- シャツ(化繊素材)
- コンプレッションタイツ
- トレラン用ショートパンツ
- 20ℓバックパック
- ソフトシェルウェア
この時期に気を付けたいのが、汗冷え対策です。下界の暑さに惑わされて、薄着のまま行くと頂上で全然楽しめない、という事態になり兼ねませんので、お気を付けください。
今回のコースは、
【スタート】金時神社(無料・有料駐車場500円/日あり)
【距離】2.1km
【コースタイム】110分
【標高差】549m
でお送りします。この日も、ツアー・個人問わず多くの人が訪れていました。
神社の鳥居横、真っ直ぐと伸びる道が登山のスタート地点。今回一番心配だったのが、変わりやすい山の天気。そうそう、この時期って天気変わりやすいんだった。
身につけているもの以外にも雨対策のグッズは車に積み込み、出発直前に着るものを選定しました。
少し進むと、なにやら賑やかな鳴き声が。
ふわふわとした豊かな白い羽の烏骨鶏たちが登山客を見送ります。すぐ近くの社務所では、御朱印をもらうこともできます。
せっかくなので通年を通して無事に山行の完遂ができるよう、金時神社へお参りに。
足柄山で育ったと言われる金太郎を祀った神社で、子どもの神様・健康の神様として親しまれています。
ちなみに金太郎のモデルになったのは、平安時代の後期に存在した武士である「坂田金時」。源頼光に仕えた四天王のうちの一人で、勇猛な武将だったそうです。
お参りが終わり神社の右手にまわると、すぐそこに登山道がとおっています、いよいよ登山開始です。
最初はゴロゴロとした石が階段状になった若干の登りを進んで行きます。
緑が青々しく、まだまだ全然余裕がある序盤。
登山靴できましたが、時折すれ違うトレイルランナーたちの颯爽とした登り・下りを見ていると、なんだか走り出したくなってしまいます。
前日に雨が降ったため、少し石が濡れている箇所もありましたが、なんの問題もなく進むことができました。
段差が顕著だったので、足に不安のある人は、ストックがあると楽だと思います。
そうそう、序盤で忘れてはならないのが「金時手毬石」の存在です。なんと、金太郎がこれを鞠のようにして遊んだといわれる、彼の怪力を伝える伝説のひとつ。
サイズ感、伝わりますでしょうか?
金時山を歩いていると、金太郎伝説にちなんだ数々の巨岩が点在しているので、途中の寄り道も楽しむことができます。
ちなみに、山道には随所わかりやすく看板が立っているので、迷う心配はほとんどありません。
途中、「金時神社奥の院」を過ぎて急坂を越えると、「金時宿り石」と呼ばれる巨岩が現れます。
サイズ感はぜひ実際に行って確かめてほしいところ。
こちらはなんと、金太郎とその母である山姥が一緒に暮らしていたといわれる大きな岩です。
この岩を越えると、平坦な道がしばらく続きます。
金時神社から金時山山頂までは、数ある登山ルートの最短コースではありますが、その風景にあまり変化はなく、ひたすらに杉林の中を進んでいくコースです。
純粋なトレーニング・リハビリ登山には最適。
とはいえ、久しぶりに山の空気を吸えただけでもとてつもなくハッピー!
山の歩き方、忘れてないかな?とソワソワしていましたが、呼吸が乱れることもなく、足が攣ることもなく、一歩一歩を順調に踏みしめていきます。
じぐざぐと歩みを進めていくと、公時神社分岐に差し掛かります。ここから20分で山頂の文字に、時計を見ると割とハイペースで登ってきてしまったことを知る……
登り足りない気持ちもありますが、十分に久しぶりの山を堪能していきましょう。
杉林を抜けると突如視界が開け、眼下には箱根のまちを見下ろします。
中央奥に見えるのは芦ノ湖。上から見下ろす箱根のまちに、すでに達成感がジワジワ。
登山口から1時間弱ほど、正面に見えるのは観光スポットとして人気の高い大涌谷です。
この時点ですでに下山後の行動を考えてしまうわたし……そう、金時山は登山だけではなく、箱根の観光も兼ねることができるのです。
頂上手前には、岩場の急登がありますが、これが最後のひとふんばり!
もうだいぶ山頂に近づいていることがわかっていたので、心なしか浮き足立って見えますが最後まで気を緩めてはいけません。
そしてあっという間にこちら!金時山、山頂です。
絶対に見れないだろうなと思っていた富士山が、登頂のタイミングで顔を出してくれました。
山頂に上がってくる人たちからも次々と歓声が上がります。みんな、これを目当てにがんばるんですよね。
この景色があるだけで、満足感がぐんと上がるのを感じます。
そしてわたしのもう一つのお目当てはこちら!
山頂にある「金太郎茶屋」の「まさカリーうどん」です。山菜そばに心惹かれつつも、ネーミングに惹かれてカレーうどんをオーダーし、お店の前のテーブルでいただくことに。ガラムマサラも添えられています。
少し肌寒く、途中には日が陰ってきて体感温度も下がってきたので、ほくほくとあったまることのできるうどんが山頂でいただけることに、嬉しさも極まります。
携行食のチョコレートも取り出して、富士を眺めながらのランチタイムを堪能しました。
山頂には茶屋が2軒、有料トイレも設置されています。
スペースはあまり広くはありませんが、山頂斜面には岩がゴロゴロとしており、昼食持参の方々は思い思いの場所で食事をとっているようでした。食事後は持ってきたコーヒーセットで一服。
箱根の町を見下ろしながら、久しぶりの山歩きの充足感を噛み締めます。
土日には“下山渋滞”もあるといわれる金時山ですが、この日はお昼時間目掛けて10:30登山開始、12:00には昼食をとり終えました。
下山は足元に注意をしながら前後の登山客のみなさんとのスペースを保ちつつ、あっという間に駐車場へ。
下山後には温泉や大好きな銘菓もあり、プラスαで箱根のまちを楽しんできてしまいました。今後は他のルートや、冬季の登山でまた戻ってきたいな。
自粛期間中はコアの筋肉をつけることにフォーカスしてきましたが、やはり“登り”を実践してみると、身体が思うように動かなかったり、疲労感が想定と異なったり、様々な不備が出てくるかと思います。
そこで皆さんにおすすめしたい、リハビリ登山計画。
憧れの山に満を持して向かうのもよいですが、まずは身近で気軽な山に、登ってみるのはいかがでしょうか?
執筆:Kajo