みなさんこんにちは、ライターのKajoです。
今日の私、どこにいると思います?
”歩くスキー”練習して来い!と朝一、近場で練習
「ぎゃ、吹雪いてる!!!」
定番と化してきた長野県です!長野大好きすぎる、もはや移住したい。
人が良い、ご飯が美味い、温泉もある、なによりも自然がたまらない!
でもわたし、知らなかった。冬の長野、やばい。
今回は、冬の長野・戸隠へ。
凍ってしまって涙も飲めない、初めての”歩くスキー”体験をお届けします!
長野に行く日程を決め、当初はさむさむキャンプしようかな〜、スノーシューで山も登りたい・・・などと胸躍らせていたわたしに、幸か不幸か耳に入った寒波・雪予報。
まるでミステリーツアー、当日の朝になって初めて友人&友人父に
「よし、これ履いて!戸隠行くぞ!」
と差し出されたクロスカントリー用の、板。(明らかに事前に準備してくれていた)
そして板の履き方がわからないわたし・・・。
不穏な動悸と共に、特別な1日が始まりました。
さて、まずは雪山用の装備で来るように言われていたわたしの服装です。
【インナー】
・Finetrack スキンメッシュ(これは本当に必須!)
・Columbia ロングスリーブTシャツ
・THE NORTH FACE フリース
・FOXFIREアシスフィットタイツ
・mont-bell メリノウールアルパインソックス
【アウター】
・THE NORTH FACE SUMMITシリーズ上下(GORE TEX)
実は昨年末に冬山デビューをキメた際、上下揃えたSUMMIT SERIES。
決死の覚悟で買いました。
過酷な山岳環境下においての試験をくぐり抜けてきた最上級、今回もめちゃくちゃ救われた、ありがとうございます。
まずは30分間、友人宅の敷地内を練習代わりに歩いてわかったこと
・かかとが浮いてる
・クロスカントリー用の板は、止まれない
スキーも知らないわたくし、比較のしようがありませんが、
スキーはかかとも固定されるんですよね?※すごくレベルの低い感想で申し訳ないです。
ちなみに、クロスカントリーの板で歩いた報告をすると、「スキーの10倍は難しいのに!」と同情の眼差しを向けてきた友人もいました。
※個人の感想です
全身、厳冬期の装備を見にまとい、足には不自由な枷(※板です)をつけ、
「わたしは何をやっているのだろうか・・・」
と幾度も思いながら、ガイドである友人父の後に続きます。
奥社へ続く参道を、少しずれて・・・いきなりの坂!
割と初めての体験には積極的なわたしですが、今回の体験(ウィンタースポーツ)には及び腰・・・
まずは、樹齢400年のミズナラの木を目指します。
このあたりの写真は、全て泣きそうな顔をしている、帰宅して爆笑した
「とりあえず歩けば良い」
とすごくワイルド(めちゃくちゃポジティブに言うとね!)なアドバイスを受け、とりあえず歩き始めます。
ここからは自分との戦い。
「修行のようだし、雪上訓練、耐え忍んで頑張ってるし来世にはいいことがあると期待したい!」
などとこの時のわたしは絶望に侵され来世のことを考えていました。
景色なんてなーんにも見えてなかった、必死 OF 必死。
ですが足を止めてみると、音を吸い込む静寂の白い世界、雪がすべてを絵のように美しくする様に、現実へ引き戻され。
自分が美しい世界にいることを実感します。
来世に期待している場合じゃない、現実を生きる。
天高く枝を広げるミズナラの木(通称ミズナラ大王)の、しみじみと染み入る美しさに胸震えるわたしをさらに興奮させたのが、突如開けた木々の間に鎮座する戸隠山。
この一瞬だけ晴れ間が現れたのですが、神々しいその様、晴れた青空とのコントラストに、まるでスイスにいるかのような錯覚に。
スイス、行ったことないけど。
このあたりで覚悟を決め、転ぶことを恐れずにずんずん進み始めます。
なんであんなにビビってたんだ?と思いますが、この段階まで一度も転んでなかったです(そもそも転ぶポイントがない)。
え、ビビリ損!
そこからさらに歩けば、目の前にずらりと並ぶ鳥居が!
「天命稲荷神社」に到着です。
下をくぐることもできますが、わたしは高さを見誤っておでこをぶつけました。
※空間把握能力が低い方はやめたほうが良い、マジで
と言うのも、鳥居の高さが!違う!から!
この辺りからまた雪が降り始め、青空が消えました。
そしてわたしはまた勝手に修行僧のように黙々と歩を進めるのです。
太陽と連動しているのではないかと思うほど、気分のジェットコースター具合がすごい。
太陽は偉大だなと思いました。
そして戸隠奥社の最終目的地・・・鏡池へ!
「お〜い!」
の声に顔を上げると、目の前には雪原が。
「到着〜!」
無邪気な声が聞こえます。
完全に氷結して一面が雪原と化した池、降り続ける雪、やわやわのパウダースノー。
雪上を、前に行く人がつけたトレース(ラッセルの跡)を辿りながら行くもよし、でもやはり新雪の上を進む気持ち良さは何物にも変えがたい!
鏡池を縦断します。
池の真ん中にはフォトスポット?皆さん写真を撮られている場所がありました。
慎重に坂を登って
「坂の登り方わかんない!」
と、叫びたい気持ちを抑え、前にいる人を見習い、板を斜面と並行に。
あくまでも冷静を装いながら着いていきます。
(全然冷静じゃない)
そしてここでお昼休憩。
10時にスタートして、お昼前に着きました。
予定通り、順調な進みです。
みんなの板が一斉に天を向き、雪が降り続ける鏡池の端っこ、風に晒されながら昼食タイムです。
流石に止まると寒い〜〜〜〜!
普段、キャンプの時など周囲に驚かれるほどの食欲おばけですが、雪中でエコモードに切り替わったのか、一人前できっちり満足しました。
これ以外にもバナナと塩豆大福とパンを食べましたが、一人前だよね?
保温容器に入れられたカレーも、早く食べないとすぐに冷めてしまうため、かきこむように胃の中へ。食後に飲んだドリップのコーヒーが、五臓六腑に染み渡りました。
もっと途中で行動食、食べておけばよかった。
それほどまでに食べ物の力は太陽のそれと同じくして重要!
帰りは来た道と別ルートで、森林植物園経由で鳥居を目指します。
少し慣れて来たわたし、余裕が滲みます。
ただ、傾斜がきつい斜面に行くと、トライはするものの容赦無く途中で肉団子のように転げ落ちました。
そして撮影のために少し友人父の集団から離れると、マジで道、迷う!
敷地内がすごく広いため、玄人の方たちと行くことをおすすめします。
14時前には鳥居に到着、本日の行程、終了です。
隙あらば早く帰ろうとする人間
この日は休日ということもあり、たくさんの人がスノーシュー・クロスカントリーで戸隠を満喫されているご様子でした。
不穏な動悸からスタートした雪中修行(わたしにとっては)でしたが、慣れた頃には口から発される擬音が楽しげなものに変わっていたので、総体的に楽しかったのだと思います。
なぜこんな他人行儀かというと、必死 OF 必死すぎてその瞬間の記憶があまりなく、もう少し慣れていたら景色も楽しめたのだろうなあとちょびっと悔しいから。
無事に敢行出来たこと、貴重な経験をさせてもらえたこと、これでまた一つ長野にご恩が出来ました。
みなさんも新しい体験・経験に、ぜひトライしてみてくださいね!
文章: Kajo