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立山は、雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士ノ折立(ふじのおりたて)の3つの峰の総称として呼ばれており、立山という単独峰はなく、立山連峰の主峰で日本百名山にも選ばれている一座です。
日本では珍しく氷河が残る山でもあり、古くから立山信仰など、山岳信仰の対象としても知名度がある山です。今回は、立山登拝道コースを中心に立山の情報をご紹介します。
立山はどんな山?
立山は、富山県の中部山岳国立公園の中にあり、標高3,015mの大汝山(おおなんじやま)が最高峰となります。
黒部アルペンルートが開通すると立山へは、立山室堂駅からアクセスしやすいため、登山初心者から上級者まで幅広く、多くの方が訪れる山でもあります。ただし黒部アルペンルートの開業期間は4月中旬から11月末となっていますので、訪れる際には黒部アルペンルートのウェブサイトなどをチェックすることをおすすめします。
1:立山の基本情報
所在地:富山県
標高:3,015m(最高峰:大汝山(おおなんじやま))
山系:飛騨山脈、立山連峰
立山の特徴は?
立山は世界でも有数の豪雪地帯となり、厳冬期には黒部アルペンルートまでの交通手段が無くなるため、事実上、登山ができません。そのため、開山期間中は多くの登山客や観光客が訪れる人気の一座でもあります。厳密には立山という独立峰はなく、雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士ノ折立(ふじのおりたて)の3峰を合わせての総称として立山と呼んでおり、日本百名山にも選ばれています。
立山へのアクセス
立山登山のスタート地点である「室堂(むろどう)ターミナル」までは、黒部アルペンルートを使用して気軽にアクセスすることが可能で、登山初心者の方でも日帰り登山を楽しむことができます。東京方面からも比較的アクセスし易いのも特徴の一つです。
東京方面からのアクセス
東京方面から立山へのアクセスは、関越自動車道を北上し、長岡インターチェンジで北陸自動車道へ乗り換え、立山インターチェンジをおり、一般道を立山方面へ約40分程走ると黒部アルペンルートの入り口である立山駅に到着します。
立山登山に必要な装備は?
立山への登山では、黒部アルペンルートの立山室堂駅をスタート地点として、雄山(おやま)山頂にある雄山神社本宮へ参拝登山をしたり、立山の3峰を縦走したりと登山初心者から上級者まで、幅広く楽しむことができます。
ただし標高3,000mを超える山々なので、しっかりとした装備を揃えておくことは必須で、特に夏でも思った以上に気温が低く防寒対策をしておくことをおすすめします。
立山登山に必要な装備をご紹介します。
ザ・ノース・フェイス コンパクトジャケット
ザ・ノースフェイスからリリースされている「コンパクトジャケット」は、生地に「NORTHTECH Cloth ECO」とよばれるナイロン100%の素材を使用することで、高い防風性と撥水性能を備えています。
またゆったり目のシルエットとなっており、防寒用に厚めのインナーを着込んでも大丈夫な作りになっていますので、春から秋までのスリーシーズンはアウターとして、冬の寒い時期にはミドルインナーとして気軽に使用することができます。
ジャケット自体も約340gと軽量で、使わない時には専用のスタッフサックに入れて、ザックに収納できるようになっています。
MERRELL(メレル) モアブFST ミッドゴアテックス
アッパー部分にゴアテックスを使用し、優れた防水透湿性を備えた全天候型のトレッキングシューズです。
アウトソールには、ビブラム社のメガグリップ アウトソールを搭載しており、濡れた路面でもしっかりとグリップし、悪路でも安心して歩くことができます。またシューズ自体の重量も26cmで片足約400gと軽量で、長時間の登山でも疲れ難くなっています。
立山にある施設一覧
立山への登山の途中にある山小屋などをご紹介します。
立山登拝道コース
1:立山室堂山荘
立山室堂山荘は、立山登山や観光の入り口である室堂ターミナルから直ぐの場所にあり、鎌倉時代に建立された国指定の重要文化財である「室堂小屋」が敷地内にあります。広さ7畳と10畳の相部屋と個室の2種類があり、立山を眼前に見ながら浸かれる展望風呂があるなど、充実した宿泊施設となっており人気があります。
ウェブサイト:http://murodou.co.jp/index.html
2:一ノ越山荘
一ノ越山荘は標高2,700mにあり、立山登拝道コースの中間地点となります。雄山山頂へ向かう際、最後の山小屋となりますので飲料水の補給やトイレ休憩などをしておくと安心です。ただし営業期間が4月下旬から10月中旬となりますので、ウェブサイトを確認しておくことをおすすめします。
ウェブサイト:http://tateyama-1nokoshi.in.coocan.jp/index.html
八ヶ岳に持っていってよかったもの
立山を登山する場合、どの峰も標高が3,000m近くあり森林限界を超えていますので、強い紫外線や強風などの対策をしておく必要があります。立山登山にもっていって良かった装備についてご紹介します。
SWANS(スワンズ)
スワンズからリリースされている「エアレスウェイブ」は、フレームをナイロン素材、レンズをポリカーボネイト素材としたことで、重量がわずか15gと非常に軽量に作られており、長時間に渡る登山での装着も負担が少なく、おすすめのサングラスです。また紫外線カット率も99.9%以上と高く、しっかりと目を保護してくれますので、安心して使用することができます。
紫外線透過率 0.1%以下(UVカット99.9%以上)
セット内容 ハードケース、取扱説明書
Nalgene(ナルゲン) トライタンボトル 広口1.0L
ナルゲンのスタンダードモデルともいえるトライタンボトルシリーズですが、さまざまな容量のタイプがリリースされています。
ご紹介する「トライタンボトル 広口1.0L」は、投入口が大きいため、山小屋などでの飲料水補給も簡単に行うことが可能で、さらに本体の耐冷耐熱温度が-20℃~100℃と幅広いため、夏場には氷を入れたり、秋から冬にかけては、お湯を入れたりと状況に応じて使い分けることができる、おすすめボトルです。
耐熱温度:本体100℃/キャップ120℃
耐冷温度:本体-20℃/キャップ0℃
立山の難易度
立山への登山は、雄山山頂にある雄山神社本宮への参拝登山をはじめ、雄岳、大汝山、富士ノ折立の3つの峰を縦走するといった登山初心者向けの日帰り登山から、数日掛けて立山連峰を縦走する中、上級者向け登山までルートによって、難易度が変わります。
幾つか急な勾配などの難所はありますが、比較的登山道が整備されており、登り易くなっていますので安心して登ることができます。
立山のイチオシポイント
立山の雄山山頂を目指す「立山登拝道コース」のイチオシポイントをご紹介します。
雄山神社本宮
立山の一級三角点がある雄山の山頂には「雄山神社本宮」があり、晴れた日には360°の絶景パノラマを見ることができ、運が良ければ富士山も望むことができます。雄山神社には、伊邪那岐神 (いざなぎのかみ)と天手力雄神 (あめのたぢからおのかみ)の2柱が祀られており、日本三霊山といわれる立山信仰の対象となっています。
夏の登山時期には宮司をはじめ、巫女なども常駐しており、参拝料を納めるとお祓いをしてもらえたり、守札などをもらうことができます。
立山 登山者のスナップ写真集
立山の混雑している時期、空いている時期
先にも少し記載しましたが、立山は冬の時期、交通手段がなくなり一般の方は登山ができなくなります。開山期間は毎年4月中旬から11月末となっており、どの時期も登山客や観光客が多く賑わっています。
最も混み合う時期は、4月に黒部アルペンルートが開通し、十数メートルもある雪の壁「雪の大谷」が見れる時期と、夏場の7月から9月の時期には登山シーズンが重なり混み合います。
立山のおすすめルート
初心者の方が立山へ登山する場合に、最もおすすめなのが雄山神社本宮への「立山登拝道コース」となります。足を延ばせば雄山、大汝山、富士ノ折立の3峰縦走ルートもありますが、こちらは全行程が約6時間ほど掛かるため、立山登山に慣れてから挑戦されることをおすすめします。まずは、「立山登拝道コース」で立山の大自然を感じてみては如何でしょうか。
1:立山登拝道コース
(室堂ターミナル → 立山室堂山荘 → 祓堂(はらいどう) → 一ノ越山荘 → 雄山山頂 → 一ノ越山荘 → 祓堂(はらいどう) → 室堂ターミナル)
ご紹介する「雄山神社参拝ルート」は、登山初心者が立山に初挑戦するのにピッタリな登山ルートで、登りで約2時間、下りで約1時間50分ほどとなり、総行程は途中で休憩をしても約4時間30分程で十分に日帰り登山を楽しめるようになっています。
室堂ターミナルを出発し、国指定の重要文化財である「室堂小屋」を過ぎてから、緩やかな石畳の道を登り、祓堂までは約40分ほど、一ノ越山荘までは約20分で到着します。一ノ越山荘から先はゴロゴロとした岩と土の登山道となり、本格的な登山となりますので、しっかりと休憩をしておくことをおすすめします。一ノ越山荘から雄山山頂までは、岩場や急な勾配を登りますので浮石などに注意して、約1時間ほどの道のりとなります。
雄山神社本宮への参拝が終わったら、登って来た道を室堂ターミナルまで、注意しながら下山し約1時間30分ほどで到着です。
立山の季節のイベント情報
立山で行われるイベントをご紹介します。
立山・雪の大谷ウォーク
黒部アルペンルートが開通する4月中旬から6月下旬まで、「雪の大谷」とよばれる10mから20mもある雪の壁の間を真近で見ることができます。
1:立山夏山開き
毎年7月に立山駅前広場で、立山・称名滝の祭典実行委員会の主催で「立山夏山開き」が行われ、立山登山の安全祈願祭や記念品の贈呈式などが行われています。
2:布橋灌頂会
白装束を着た女性のみが、白い布を敷いた橋を渡る儀式で、9月下旬に行われています。昔は霊山である立山には女性が登ることが許可されておらず、女性が極楽往生を願う儀式といわれています。
立山付近のグルメ情報
黒部アルペンルートには、雄大な立山の自然を見ながら食事ができるレストランなどが幾つかありますので、ご紹介します。
レストラン立山
立山登山のスタート口である室堂ターミナルの2階にあるレストランで、座席数はアルペンルートでは最大規模となる450席を有します。白海老から揚げ丼をはじめ、富山県の食材を使った料理を楽しむことができます。
ウェブサイト:https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/terminal/restaurant.php
ティーラウンジ りんどう
ご紹介する「ティーラウンジ りんどう」も先にご紹介した「レストラン立山」同様、室堂ターミナルの2階にあります。一番のおすすめは「水出しコーヒー」で、名水百選にも選ばれている「立山玉殿の湧水」を使っており、まろやかな味と風味が特徴的なコーヒーとなっています。またシフォンケーキなども人気があり、登山後に休憩するのに最適です。
ウェブサイト:https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/restaurant/lounge.php#menu
立山付近の温泉情報
立山の周辺には、雄山山頂への登山の帰りに、のんびりと疲れを癒すことのできる温泉施設が幾つかありますので、ご紹介します。
みくりが池温泉
室堂ターミナルから、みくりが池方面へ徒歩約15分ほどの場所にあるのが「みくりが池温泉」です。標高2,410mと日本で最も高い場所にある天然温泉となり、泉質は単純酸性泉で筋肉痛や疲労回復に効果があるといわれ、登山帰りに立山の展望を楽しめる内風呂で疲れをとってみては如何でしょうか。
ウェブサイト:http://www.mikuri.com/index.html
ホテル森の風 立山
黒部アルペンルートのスタート地点である立山駅から車で30分ほどの場所にある「ホテル森の風 立山」は、アルカリ性単純硫黄泉の天然温泉となります。立山を望む露天風呂をはじめ、ジャグジーや寝風呂など、さまざまなお風呂が楽しめます。貸切風呂などもあり、ご家族連れで周りを気にせず、のんびりと温泉を楽しめるのも特長の一つです。
ウェブサイト:https://www.morinokaze-tateyama.com/index.html
立山周辺のおすすめスポット
黒部アルペンルート周辺でのおすすめスポットをご紹介します。
黒部ダム
日本一の高さを誇るアーチ式の「黒部ダム」は、雄山登山のスタート地点である室堂ターミナルから、立山トンネルトロリーバスや立山ロープウェイを乗り継ぎながら、約30分ほどで黒部湖駅に到着します。黒部湖駅から黒部ダムまでは、徒歩で約10分程度となり、アクセスし易いのもおすすめの理由です。黒部ダムでは6月下旬から10月中旬まで、定期的に放水を行っており、毎秒10ton以上の水が流れ落ちる様子は圧巻です。
ウェブサイト:https://www.kurobe-dam.com/
大観峰
標高2,316mにある「大観峰」は黒部平をはじめ、黒部湖を一望でき、秋の時期には見事な紅葉を鑑賞できるおすすめスポットです。特に大観峰から黒部平までを繋ぐ立山ロープウェイからは、山全体を赤く染める紅葉を見ることができるため、登山者をはじめ観光客にも人気があります。
ウェブサイト:https://www.alpen-route.com/enjoy_navi/autumn/
古くからの山岳信仰が息づく立山
登山初心者の方が立山へアプローチするのに最適な、黒部アルペンルート室堂ターミナルをスタート地点とする「立山登拝道コース」を中心に、立山の見所や立山周辺でのおすすめスポットなどをご紹介しました。
古くからの山岳信仰が今も息づいており、雄山神社への参拝目的で登山される方も数多くいらっしゃいます。4月から11月までの限られた期間しか登ることができませんので、この機会に、是非、立山登山を計画されては如何でしょうか。