冬山登山で凍傷にならないようにするには?3つの必須対策

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冬山登山に今年こそ挑戦してみようと考えている方にとって、最も恐ろしいものの一つが「凍傷」ではないでしょうか。

凍傷によって指や足を失った登山家は山ほどおり、そんな話を聞くと「自分にはまだハードルが高いかな。」と怖くなってしまいますよね。

今回はそんな凍傷を防ぐために行うべき必須対策をご紹介します。

そもそもいったいなぜ凍傷になるの?

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寒いと凍傷になるということはみなさんご存知でしょうが、凍傷になるメカニズムをしっかりと把握できている方はどれほどいらっしゃるでしょうか。

このメカニズムをわかっていなければ、凍傷を防ぐ対策を知ることも難しいですよね。まずはそのメカニズムからご紹介していきましょう。

私たちの体は、常に生命維持に最も関わりがあるところから優先的にケアしていくようにできています。つまり低音環境では心臓や脳、それに近い体幹部分に血液を多く流すことでその部分の体温を上げ、器官が活動するエネルギーを維持していきます。

よく凍傷になりやすい手や足、あるいは耳などはそれらの体幹部分い比べ生命維持への優先順位はかなり低くなっており、低温環境では血液が豊富に行き届かなくなってしまいます。

その為に細胞が壊死し、凍傷となるのです。

血液循環を阻害しないゆったりした服装で挑む!

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先に説明したように、低温下で血液が手足や耳など末端部分にまで回らなくなった結果凍傷が引き起こされます。

そこでまずは、冬山登山に挑む登山ウェアから見直しておかなければなりません。最近は体にフィットする登山ウェアもスタイリッシュで人気がありますが、極寒の雪山に行くならそれはNG!

どちらかというとダブっと着ることのできるゆったりした服装の方が、血液の流れを止めずに済むからです。つまり、ベルトや靴紐。アイゼンベルトなど「固定のために締めておく必要があるもの」も、あまり締め付けすぎないように調節しておかなければなりません。

最近ではワンタッチで簡単に靴紐が調整できる登山靴なども登場していますよね。足に寒さを感じたり、疲れで浮腫んできたのを感じた際にはささっと靴紐を緩めてあげることで凍傷予防ができますよ。

インナーを着れば着るほど暖かさが保てるというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、インナーでかさばってしまったせいで体を締め付けてしまうのでは本末転倒。動きやすく、少しゆったりめだと感じる服装を整えておきましょう。

こまめに凍傷の初期症状がないかを確認する

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凍傷の初期症状は、「寒くて痛い」と感じること。スキーなどのウィンタースポーツを楽しむ方にとっては、経験がある感覚なのではないでしょうか。

この感覚はスキー中だけではなく、冬のとても寒い日などでも日常的に感じる感覚でもある為、「雪山にいるんだから寒くて当たり前!」と軽く見過ごしがちなのですが、これこそが凍傷の初期症状です。

さらに血液循環が悪くなると、手に浮き出ていた血管が見えなくなり全体が青白くなったり、足先の感覚がなくなるという症状が現れます。顔にも毛細血管が走っていますので、顔色が青白くなるという症状が見られることもあります。

寒くて痛いと思ったら暖かい飲み物を飲むなどして体を温め、感覚がなくなるほど症状が進んだ際には速やかに体を温め下山した方が良いかどうかの判断を行いましょう。

熟練すると「このくらいは大丈夫かな」という自分の体の目安が分かるようですが、もちろん冬山登山者にはわかりませんよね。自分の体の変化をしっかりと感じ、「あれ、もしかして?」と凍傷の初期症状を感じた際には速やかに対策をとりましょう!

歩きながらでもエネルギー源を補給し続ける

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体温は体に取り込まれたエネルギー源を消費することで発生しますよね。そこで大切になってくるのが、こまめにエネルギー源となるものを補給しつづけること。

例えばチョコレートやエネルギー行動食などをポケットに入れておき、歩きながらでも口にすることでエネルギーの補給を行うことができます。

いくら厚着をしても、あるいはホッカイロなどで温めても、体温を上昇させる元となるエネルギーが体内になければ長時間の低温環境で登山を続けるのは危険!凍傷を引き起こしやすくなってしまいます。

お腹が空いているから食べるというイメージは捨てて、体温維持のためにこまめに食べるのだという意識を持っておきましょう。

凍傷にはしっかりとした対策が必須!

凍傷はしっかりとした対策と、異変を感じた時の素早い対応で防ぐことが可能な冬山トラブルです。

この凍傷対策と判断の見極めは冬山登山に必要なテクニックですので、冬山登山初心さんは「これくらい大丈夫かな?」という考えは持たずしっかりとした装備と対策。そして何か異変を感じたらすぐに下山する覚悟を持って冬山に挑み、徐々にそのテクニックを身につけていってくださいね。

凍傷が怖いと冬山登山のハードルを上げる必要はありませんが、今回ご紹介した必須対策を含め様々な情報を集め美しい雪景色の山々を楽しむことができる登山に挑戦しましょう!

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