引用:goo.ne.jp
春から秋にかけての登山では虫との戦いは避けられません。極端に虫が嫌いという人もいますし、そうでなくても顔の周りにまとわりつくあぶやぶよなどは本当に鬱陶しいものです。中にはアナフィラキシーショックを起こしたり、死に至る毒を持った虫など、自然界では思わぬところに危険が潜んでいたりします。今回は虫除けについておすすめの対策を中心に書いてみたいと思います。
登山の前に虫に関する知識を知っておこう
登山中の虫のトラブルで一番怖いのはアナフィラキシーショックです。アナフィラキシーの原因で最も多いのは鶏卵、牛乳、小麦、蕎麦などの食べ物ですが、次に多いのが蜂などの昆虫によるものです。蜂の場合はススメバチ、アシナガバチなどの蜂の毒液によるアレルギー反応で、日本では年間二十人ほどが 亡くなっているので注意が必要です。アナフィラキシーショックを起こすと全身性のアレルギー反応を起こし、じんましん、喘息、ショック状態に陥り、ときには死に直結する場合もありますので、もしも誰かがそうなったら迷わず救急車などを呼ぶ必要があります。
登山中に出会うさまざまな毒虫には、体の熱で刺したり、毒液を出したり、刺したり噛んだりする虫がいます。しかし、基本的には毒虫の方が自分の体を守るために防衛しているわけで、こちらが触らなければ大丈夫なのです。そうはいっても、ドクガやイラガなどの幼虫は棘に毒があって、刺されると猛烈に痛いので要注意です。
さて、残る厄介者はアブやブヨです。蚊なら刺されてもかゆいだけですが、アブもブヨも刺すのではなく皮膚を噛み切って来ます。そしてブヨは吸血します。アブもブヨも湿気が大好きで、雨の日などは要注意です。半ズボンでいようものなら、間違いなく悲惨な結果になります。また、酒を飲んだ人にも寄ってくるようです。雨の日のバーベキューなど要注意ですね。
蜂は近寄らず蚊は防虫スプレーで防げば安心
アナフィラキシーショックの原因となる蜂対策は、何と言っても蜂には近寄らないことです。スズメバチは6月から11月が活動期なので、見つけたら絶対に近寄らないことです。攻撃性が非常に強いため、刺激すると群れで襲いかかって来ます。特に黒色や濃い色に反応しやすいので、服装はできるだけ白い色や明るい色にした方がいいですね。また、整髪料や香水などの芳香にも反応するようなので、それらもできれば控えた方がいいです。蜂に対しての虫除けの最良策は、近寄らない、刺激しないことです。
次に蚊に対する虫除けです。まずは服装として、長袖と長ズボンが基本です。さらに服の色は黒色や濃い色はさけて、白色か明るい色にします。これは服装としての共通の対策と考えたいと思います。さて、虫除けスプレーですが、まず空間で蚊をシャットアウトする虫除けバリアを作るスプレーがあります。これはアウトドアでは嬉しいですね。また、部屋用としてはワンプッシュで蚊がいなくなる虫除けスプレーもあります。夜寝るときに大変重宝します。あとは直接肌にスプレーするタイプの虫除けがあります。パウダーになっていて肌もサラサラでべたつきません。
一番厄介なアブとブヨに対する虫除け
一番厄介なアブやブヨに対する虫除けを考えます。先ほど述べたように、服装としては長袖と長ズボンが必須です。その上で、虫除けスプレーを探してみます。ここで大事なことは、防虫成分として「ディート」が配合されているかどうかです。しかも配合量の上限は14%なので、上限に近い配合量である方が大きな効果が期待できます。「ディート」とはアメリカ陸軍がジャングルで戦うために開発した成分で、効能としては蚊、ブヨ、アブ、マダニの忌避となっています。
「ディート」成分はなんとなく怖いなという方には、とっておきの方法があります。それはハッカ油虫除けスプレーです。ハッカ油は人畜無害で、小さな子供にも使えます。しかも市販のスプレーもあるのですが、簡単に自作できてしまうのです。市販品は少し効果なのですが、自作すれば断然安くできてしまうのです。しかも、効果抜群とくれば自作しない手はありませんね。
ハッカ油虫除けスプレーを自作するためには、次の4つを用意します。それは、ハッカ油、エタノール(無水または消毒用エタノール)、精製水(水道水でも良い)、スプレー容器の4つです。作り方は、30ml作るとして、容器にエタノールを5ml入れます。そこへハッカ油を2〜3滴垂らし、精製水を25ml入れて混ぜるだけ、これで出来上がりです。簡単なのです。
登山での虫除けのおすすめはこれだ
登山では虫除けは重要な問題です。例えばスズメバチやアシナガバチに刺されると単に痛いだけでなく、アナフィラキシーショックになると命の危険に直面することになります。スズメバチやアシナガバチやその他の毒虫なども実は虫たちが自己防衛本能で毒を使っているので、基本はこちらからは近づかないことが一番良い虫除けとなります。ところがアブやブヨは群れをなしてこちらにまとわりついてくるので、積極的に虫除けをする必要があります。アブやブヨに対しては「ディート」が配合されている虫除けスプレーがおすすめですが、それよりもハッカ油虫除けスプレーを自作することがおすすめです。簡単なので、ぜひ試してみていただきたいと思います。