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登山もワンランク上のステージになるにつれて、どんどん難易度の高い山へ登りたくなるものです。そうなると、ロープを代表例として、必要となる登山ツールが増えていくものです。
今回は、そんなロープを対象に正しいロープの使い方からおすすめのロープの選び方という観点から紹介致します。ワンランクアップした登山家になる為には事前の知識をしっかりと学ぶことが重要です。
ロープにはどんな種類があるのでしょうか!?
ロープには大きく、大分類として2つの種類に分けることが出来ます。伸縮性に富み墜落時に人体への衝撃の影響を少しでも軽くしてくれる「ダイナミックロープ」と、伸縮性は無いが救助用を主にする「スタティックロープ」の2種類です。
登山家が通常持ち込むロープは、ダイナミックロープといわれる種類になります。そのダイナミックロープはさらに3つのパターンに分けられています。
・「シングル」
主に室内で使われるスポーツクライミング用のロープです。登山で使う上では、歩行時の補助用ロープとして使用したりします。
・「ダブル」
登山でもっともメジャーな形式のロープで、2本のロープになっています。ロープにかかる負荷を分散させることで、ロープが切れずらくなると同時に、万が一1つのロープが切れた場合も安心の構造となっています。
・「ツイン」
2本のロープが1つのまとまっているかたちになっています。しっかりとした強度を誇るため、ロープが切れるリスクが少ないです。
ロープと一緒に使いたい補助ツール
ロープだけを持っていても、その効果はあまり高くありません。逆に、ロープだけでの使用は安全確保というロープの使命を果たしていないといえるでしょう。しっかりとした安全確保が出来るロープと一緒に使う補助ツールを紹介致します。
・「スリング」
スリングとは「抱っこ紐」という意味です。赤ちゃんなどを抱っこする時に使ったりするあの抱っこ紐をイメージするとわかりやすいです。太めの平らな輪っか状の紐で、主にチェストハーネスを作るために使用します。ハーネスとは、広い意味で「体全体を固定するもの」を指します。一番身近なものは、盲導犬の胴体に取り付けてある紐があります。このスリングを体に装着しロープと結びつけることで安定性を確保するのです。
・「カラビナ」
金属のリングのことを指します。ロープを通しやすいよう、開閉式になっています。登山には登山専用のカラビナを使用しましょう。
スリングでチェストハーネスを作り、ロープとチェストハーネスをカラビナで繋げることで、はじめて安定性を確保出来ることになります。
この2つはセットでの必須アイテムと言えるでしょう。
おすすめのダイナミックロープの選び方!
登山に持っていくべきロープはダイナミックロープであることは説明した通りです。今回はおすすめのダイナミックロープの選び方を紹介致します。
そもそも、ロープは常に使うものでは無い為、収納性という観点や軽いという観点で持ち運びやすいものを選ぶことをおすすめ致します。落下時の衝撃を抑えるため、ロープの伸縮率が高い方が高性能と言われています。これに加えて、撥水加工がされているか、グリップは手にしっかりとフィットするか、耐久性はあるかといった観点でチェックをします。また、一緒に登山をする人が持つロープとの相性もチェックする必要があります。まとめると以下のようになります。
・一緒に行く人とロープの長さが揃っていないと、結局余った長さが無駄になる
・一緒に行く人とロープの色が違っていないと、左右が分からなくなり、困ったことになる
・細いロープは軽いが伸びが大きく、山や崖を下る用途には向かない
・太く伸びないロープは墜落距離は短いが、クライマーが受ける衝撃が大きい
・補助ツールとの相性がある
ロープは消耗品、しっかりとしたメンテナンスを!
当たり前ですが、ロープは消耗品です。とはいえ、人によっては頻繁に使うものでは無い為、その存在を忘れがちでメンテナンスをしていないということもありがちだと思います。
ロープを使って大きな衝撃がかかる登山をした場合はもちろん、日頃からしっかりとしたメンテナンスで強度を確認しておくことが重要です。食事を作る調理ツールであれば少々壊れていても使っても問題ありませんが、ロープの場合は1つの綻びが大事故を起こしかねません。いずれにしても、数年に1度は買い替えることが安全確保につながります。
ロープの購入は、登山事情が分かってから!
ロープの購入は、ある程度登山に関する知識を持っていることはもちろん、登山自体をある程度経験してから購入した方が良いでしょう。実際の登山の感覚を持っていないと、本当に必要なロープの種類がわからない為です。
初心者はもちろん、低山などでの登山シーンではロープが必要となるケースはほとんどありません。そもそも無駄な出費、余計な荷物となってしまうことは避けたいところです。
一緒に登山に行く人と相談をして、本当にロープが必要となってから購入してもまったく遅くはありません。登山家としてワンランク上を目指す上では必要となってくるツールですが、慎重に検討してみることをおすすめ致します。