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山に住む最大の野生動物が「熊」です。自然の豊富な日本には、ツキノワグマとヒグマの2種類の熊が生息しています。登山をする際にも、熊に出会わないためにしっかり対策しておくことが大切です。今回は、登山初心者の方から実践できる熊に出会わないための対策や、もし出会ってしまった場合の対処方法についてご紹介します。
登山初心者から気をつけたい「熊」
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近年熊に遭遇するケースも増えてきました。もともと日本列島には古来の昔から熊が棲みついており、現在でも本州以南でツキノワグマだけでも8,600~12,600頭、北海道においては1,900~2,300頭ほど生息していると言われています。普段は棲み分けすることで人間との共存ができていますが、山は熊の生息場所です。出会わないことが当然ではなく、運が良いと考えて、事前にしっかり対策をしておく必要があります。
基本的に、熊は人間に会いたくないと思っています。その為、物音が聞こえると熊のほうから逃げてくれます。キチンと対策をしていれば、遭遇を回避できるのです。誤解している人も多いですが、本来熊は草食に近い雑食動物であり、人を食べることはまれです。ただし、特にヒグマは1度でも人間を食べてしまうと、再び人を襲う傾向があり警戒する必要はあります。
登山中に熊に出会わないための対策方法・グッズ
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熊対策の基本はとにかく熊との遭遇を避けることです。登山中に「熊が出た」となれば大騒ぎのニュースになりますが、山は本来熊の棲家なので、彼からかすれば「人間が出た」と表現する方が正しいと思われます。登山をする際は、音の出るものを身に着けて「これから人間が山に入りますよ」と知らせてあげることが大切です。音などが聞こえれば、熊の方から避けてくれます。具体的に熊対策グッズとしては代表的な物が2つあります。
①熊鈴・熊よけベル
音をだすことは熊よけの基本です。昔から定番の熊鈴や熊よけベルは、特に熊が聞こえやすい波長の音を出してくれているので、熊対策グッズとして優秀です。携帯ラジオなどをつけっぱなしにして熊対策している人もたまにいますが、常に物音が聞こえていると逆に異常(人間が来た)と感知されにくく危険です。また、他の登山者の気分を害してしまう可能性もあります。
②熊スプレー
こちらは万が一を考えてザックに入れておいたほうが良い熊撃退スプレーです。「カウンターアソールト」などが有名と言えます。注意点は使用する時は風向きを意識することです。熊はこのスプレーを食らっても致命傷にはなりませんが、人間が浴びてしまうと呼吸困難になり逃げることができなくなります。使うような事態に遭遇しないことが一番ですが、念のために持っておいたほうが良いグッズです。
もし登山中に熊に遭遇してしまったら?
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登山の最中に、もし熊に像遇してしまったらどうすればよいのか、具体的な対処方法をご紹介します。知っておくと、いざという時に命が助かる可能性を高めてくれます。
最も大切なことは「熊をパニック状態にさせないこと」です。人間も予想外のことにビックリすると攻撃してしまうことがあるように、熊もパニックになると人を襲ってきます。距離があるなら、間違っても大きな声を出したり走って逃げたりしないようにしましょう。走る早さは、人間では到底かないません。また、熊は背を見せて逃げるものを追う習性があります。遭遇したら静かに後ずさりして逃げましょう。
非常に稀なケースですが、もしばったり至近距離で遭遇してしまったら、熊もパニックになります。熊スプレーや鉈で積極的に攻撃したほうが生きて帰れる可能性は高くなります。死んだふりは論外です。ただし人間の皮膚は薄く、相手には鋭い牙と爪がありますので、本当に切羽詰った時以外は攻撃するという対応方法は推奨しません。戦って勝ち目がある確率はとても低いです。
万が一の可能性を考えて対処方法をご紹介しましたが、基本は「遭遇しないように避ける」ことが前提です。熊鈴などを身に着け、山やガイドの注意事項をしっかり事前に確認し、熊に遭遇しないように登山を楽しみましょう。
こんな熊には要注意!登山時期によって襲い方も違う
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熊は冬眠する生き物です。その為、冬眠のために食料をとる秋口は、活動が活発化しており人を襲う確率が高いです。また、冬眠末期~開けにかけての2月中旬以降の時期も危険です。特に注意しましょう。
また、例外として子連れの熊は非常に危険です。母熊が子熊を守ろうとして凶暴化します。子熊を見かけたら間違っても追わず、そっと静かかつ速やかにその場を離れましょう。もし万一母熊に見つかって攻撃してこられたら、こちらも熊スプレーなどで攻撃し必死になって応戦しかありません。ただし本当に最終手段です。
登山の基本は「熊に出会わない」ようにすること
山は熊を含めて野生動物の棲家です。登山をする際は、人間側が配慮し、お互いの負担にならないようにすることが大切です。特に熊には遭遇しないようにしっかり対策して山を楽しみましょう。対策していれば、リスク回避になります。熊が活発化する時期は、登山を控えることも懸命な判断と言えます。