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登山が好きでも高所恐怖症だという人は結構いますよね。しかし、ほとんどの場合は「高い場所が苦手」といういわば高所恐怖癖のことなんです。つまり、高所恐怖癖なら克服できるのです。高い場所で本能的に恐怖を感じることは身を守るための正常な反応なので、その状況にうまく適応し、危険のレベルを正確に把握できればその恐怖は緩和できるのです。したがって、日本一高い富士山に登ることも可能です。
高所恐怖症と高所恐怖壁とはどう違う?
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高所恐怖症とは不安障害のことです。人によって差はありますが、高い所に登るとそこが例え安全な場所であっても、ひょっとしたら下に落ちてしまうかもしれないという不安がつきまとう、一種病的な心理のことを言います。したがって、本当の高所恐怖症の人は精神科医の手助けが必要で、ひどくなると、1mの高さでも体がすくみ、動けなくなってしまうのです。もっとひどくなるとパニックになり嘔吐してしまうのです。
一方、高所恐怖癖というのは、単に高い所が苦手なだけなんです。例えば、吊り橋の上や観覧車のような高い所など、リスクが明らかな形で目に見えている状況で怖がるのは、人間の持つ本能として当たり前の反応です。その反応が日常生活に支障がなければ、それは高所恐怖症ではなく高所恐怖癖といえるのです。
高所恐怖癖を克服する方法はいろいろありますが、まず大事なことは、高い所は怖くないということを脳に認識させることです。すなわち、リスクが明らかな形で目に見えていると脳が間違った認識をしているわけですから、その状態では危険はない、安全であると脳に認識させればいいわけです。そのためには、今、なぜ安全と言えるのか、その状態がどのように変化したら危険になるのか、それを防ぐためにはどうなっていれば良いにかということを正しく脳に認識させればいいのです。
登山をしている時の高所恐怖症の影響と克服方法
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一般に高所恐怖症と言われているのは高所恐怖癖のことだと言いましたが、高所恐怖癖という言葉は聞き慣れていないので、これから高所恐怖癖のことを高所恐怖症ということにします。さて、高所恐怖症は目の前に見えているリスクが危険だと脳が間違えて認識することに起因していると言いました。
登山をしている時に、どうしても岩の尾根を通ったり、狭い崖道を通ることがあります。その時に自分の身を支えるものが何もないと、脳はその状態を危険だと認識し身を守ろうとするわけです。それが登山をしている時に高所恐怖症として怯える状況になるのです。ただ、怯えるだけなら危険回避行動としてむしろ安全なのですが、怯えて足がすくんだり、正常に足を運べなくなると足を踏み外して滑落などの危険が本当に身に迫るのです。したがって、この高所恐怖症は克服しなければ、むしろ危険なのです。
では、どうすればこの高所恐怖症を克服できるのでしょう。それは、その状況が論理的には危険ではないと理解できても、脳がそれを疑っている場合は恐怖はきえないので、慣れによってやはり危険ではなかったということを脳に教える必要があります。登山で危険だと脳が判断しても、倫理的には危険ではない場合はその体験を何度か繰り返して、やはり危険ではなかったということを脳に刷り込むのです。
高所恐怖症を訓練で克服する方法
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今までは高所恐怖症を克服するために、なぜ高所を恐怖と感じるのかという理由とそれに基づいて、高所を怖がる理由が実は存在していなくて危険ではないのだということを脳に教えることによって高所恐怖症を克服する方法について語ってきました。
もう一つの方法は、脳が恐怖を増幅させてしまうメカニズムとそれを逆用して高所恐怖症を克服する方法について考えたいと思います。実は怖いと言う感情が膨らむと、実際に体は足がすくんだり、鼓動が早まったりします、そうすると脳はその情報がフィードバックされると、やっぱり怖いんだと恐怖を肯定し強化します。
これを逆用すると、恐怖の感情がおきた時に足がすくんだり鼓動が早くなったりしなければ、脳は怖くはなかったんだと認識し恐怖を否定します。そのためには、恐怖の感情が起きた時にはその場にじっとしていればいいのです。実は恐怖は緊急事態に対する反応なので、そのエネルギーは長続きしないのです。したがって、その場で15分くらいじっとしていれば恐怖は自然に治まるのです。このことを繰り返せば、高所恐怖症は克服できるのです。
高所恐怖症を克服して富士山に登ろう!
ここまで考えてきたように、高所恐怖症というものは誰にでもある感情で自己防衛本能の一種であると言えます。しかし、登山好きにとっては、むしろ一番景色のいい場所である尾根や周りの景色が一望できる開けた狭い場所にきた時に、高所恐怖症で楽しめないとすると残念極まりない状況だと言わざるをえないでしょう。
でも安心してください。高所恐怖症は克服できるのです。そして日本一高い富士山に登っても、高所に恐怖することなく日本一の景色を心ゆくまで楽しむことができるようになるのです。さあ、高所恐怖症を克服して日本一高い富士山に登りましょう。