登山の記録は個の時代、SNSの時代の新しいコミュニケションツール

引用:artroot.jp
推定登山人口が800万人と登山ブームの勢いが衰えません。登山人口の中心は60歳代ですが、5年ほど前から急に30歳代前後の若い層が増えているようです。最近目に付くのは、同窓生同士や職場などのグループが登山を楽しむ姿です。そういった人たちは普段と同じ感覚でスマートフォンで写真を撮り発信するわけで、それが高じれば、自分たちの登山の記録を残し、仲間と共有したいと思うのです。

登山人口の年代別推移とその傾向


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富士山が世界文化遺産に登録されたり、平成28年からは8月11日が「山の日」として国民の祝日になったりして、登山人口が増加している感があります。総務省統計局のデータで登山・ハイキングをする人の割合を年代別にみてみると、男性も女性も30歳代を中心に年代とともに増加していることがわかります。

30歳代を中心に登山人口が年代とともに増加しているということは、若い世代のビギナーが増加しているということです。したがって、60歳代の団塊の世代とは一味違う登山の楽しみ方やコミュニケーションの取り方ができはじめて、浸透しつつあるのではないかということが容易に想像できます。

60歳代の団塊の世代のある程度のベテラン登山家は、地図を使ってコースタイムや山行計画を残し、次の計画に反映したり自身のスキルアップに役立てたりという目的で登山の記録をする人が多いものです。対して、若い世代はむしろスマートフォンで写真を撮ってツイッターやブログにあげてコミュニケーションをとるために記録するというケースが多いようです。

登山人口の年代別変化に伴う登山記録の特徴


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ベテラン登山家ももちろんカメラやスマホで景色や登山仲間との写真を撮ったり、御来光や高山植物などの普段見れないような綺麗な景色を撮ったりはします。さらに、ベテラン登山家は山メモを取ります。山の景色の感想や山で出会った人のことなど、休憩の度にささっと書いたり、山小屋やテントでのんびり書いたりします。

また、ベテラン登山家は登山中に感じたことを簡単に記録しておいて次の登山に活かします。疲労感や登山道具の使用感などや、登山時の天候や気温を記録しておいて登山装備が良かったのかどうかを考えたりしておくと、次に登山する時に当日の予報と照らし合わせてどんな装備にしたら良いか判断できます。

ビギナー登山家はベテランと違って、本格的な登山というよりもハイキングに近い登山なので同窓生や職場仲間などとのコミュニケーションのための記録という性格が強いのです。スマホなどで記念写真を撮って登山記録を残し、ツイッターやブログで共有するという記録の残し方ですね。

登山の計画を記録し提出するための登山計画書


引用:iwalkedblog.com
個人の楽しみだけでなく、万が一遭難した時のための命綱として機能するのが登山計画書です。これも記録と言えるでしょう。登山計画書ではまず目的を記入します。これは、例えば行方不明になった時に、バードウォッチングと書いてあれば登山道を外れた場所にいる可能性が高いと想像できるわけです。

次にメンバー名を記入します。誰が山に入ったかという情報は非常に重要です。また、ルートにはどこを通る予定なのかを明記します。さらに装備も明記します。これらによって、捜索ルートの優先順位の決め方や緊急度合いの判断が変わってくるのです。

このように登山計画書はビギナーもベテランも登山をするなら誰もが計画として記録して提出しておくべきものです。自分の身の安全のため、家族の安心のため、山を守っている警察や地元の山岳会の人々のため、万全の体制をとっておくためにも必要なのです。

ベテランの登山記録ノートで若い世代はスマホ


引用:pakutaso
ベテラン登山家は登山記録は簡単にメモを書いたりスケッチができたりするノートタイプを使うことが多いです。ノートタイプを選ぶ時に大事な点は、まず表紙が硬いことです。表紙が硬ければ立った状態でも書けますし、ザックに中でも折れづらいという利点があります。

ビギナー登山家はノートタイプというよりもスマホで済ませてしまうことが多いですね。スマホで写真を撮ってそのままコメントを入れて発信するとか、色々なアプリを使ってブログにアップしたり、共有サイトへアップしたりするので手軽に記録できます。

コミュニケーションツールとしての登山の記録を残そう

登山というものは個人性が強くストイックな部分があると思われがちですが、もともとはチームで協力しあって頂上を目指すものなんです。それぞれの強み弱みを補い合って共通の目的を達成するという、極めて連携プレーを大事にするものなんです。

そうしたことから考えても、登山の記録を残してそれを仲間で共有するということは、本来の登山の目的にも合致し、登山の楽しみがより増幅するコミュニケーションツールとして有効に機能していると言えます。

登山の記録とは、自分の登山技術を高めるため、次の登山計画立案時に活かすため、万が一の遭難に備えるため、仲間との連携を深めるためなど様々な目的で作られ、残されるものなのです。

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