変わりやすい山の天気。たかが雨と侮るなかれ。一歩間違えば大惨事にも繋がりかねない大自然の中での雨対策は、街中での対策とは全くの別物です。レインウェアはアウトドアウェアのなかでも特に素材や機能の進化が著しく、また各メーカーの色々な工夫や努力が投入される登山時の必須アイテムです。そんなレインウェア、今回はパタゴニアにスポットライトを当ててみましょう。
パタゴニア〜アウトドアメーカーとして目指すこと〜
パタゴニアは、登山、サーフィンを中心にパドルスポーツやフライフィッシングなど、アウトドアスポーツウェアや用品を取り扱う1957年創立のアメリカのアウトドアウェアブランドです。創立者のイヴォン・シュイナード自身が有名なクライマーであるように、パタゴニアはクライマーとサーファーが集まって創業したブランドです。彼らが推進したミニマリストの精神は、シンプルさと実用性に徹したデザインを追求し、独特のスタイルを確立してきました。
『最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そしてビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する』というミッション・ステートを持つパタゴニアでは、ペットボトルからフリースを作ったり、オーガニックコットンなどのエコファイバーを使用するなど環境に配慮した製品作りで知られています。また売上の1%は環境活動に寄付をするという「1% For The Planet」という活動も行っています。
アウトドアスポーツの醍醐味は”自然と一体となる瞬間”。自然と深く関わる企業だからこそ、美しい自然への感謝と尊敬、そしてその自然環境守る責任を実行し、社会がより良くなるための歯車になることをパタゴニアは目指しています。
初めの1着に「トレントシェルジャケット」
パタゴニアのレインウェアといえば最もメジャーなのが「トレントシェルジャケット」です。
2.5層仕立てのトレントシェルジャケットは、防水性、防風性、透湿性を備えたパタゴニアのオリジナル素材H2NOが採用されており、表の生地は起伏したパターンで磨耗に耐えつつ水分コントロールをする仕組みになっています。
100%リサイクル・ナイロン製で軽量。カラビナ用ループが付いたジッパー式ハンドウォーマーポケットの1つに本体を収納可能なため、携帯にも便利です。2通りの方法で調整可能なフードはラミネートしたつば付きで、使用しないときはシンプルなコードとフックを使って巻いて留めることができます。フロントジッパーは外側と内側のストームフラップを最小限に抑えたすっきりとしたデザイン。脇下にはベンチレーションが施され、しっかりと湿度調整ができる作りです。首にあたる部分にはマイクロフリースの裏地を採用し、袖口にはテープ留め、裾にはドローコードが付いています。
カラーも豊富で、メンズ、ウィメンズ、ボーイズ、ガールズ、ベビーが揃い、バリエーションとしてはパンツ、ポンチョ型のものもあります。
コストパフォーマンス的にも優秀で、一般的な登山やハイキングにぴったりの全天候型マウンテンジャケットです。初心者にはまず最初の1着としておすすめしたいアイテムです。
ストレッチレインシャドージャケット
名前の通り、様々な動きに対応するストレッチ性を兼ね備えつつ、ジャングルの豪雨から高山の吹雪などあらゆるコンディションでも快適に過ごせるハイスペックなレインウェアです。登山や岩登りなどで腕を上げたり体をひねったりする動作にもしなやかに対応し、体に負荷を与えません。
1度は廃盤となり2016年に復活したこのストレッチレインシャドーは、愛好家の間でもその進化が驚かれ、絶賛されている1品です。H2NOパフォーマンス・スタンダードが採用されており、もちろん脇下にはベンチレーションが施されています。ヘルメットに対応するフードはラミネートしたつばを備え、使用しないときは巻いて留めることができます。フロントジッパーとベンチレーションを促進するピットジッパーは水の侵入を防ぐDWR加工済み。左胸のポケットとハンドウォーマーポケットにも水の侵入を防ぐジッパーを使用。袖口は生地を最小限に抑えた共布のテープ留めを備え、裾は2か所で調節可能なドローコードが付いています。コンパクトにポケットの収納袋にまとめることもできます。
ハードな登山やクライミングにも適したストレッチレインシャドージャケットは、先に紹介したトレントシェルより値は張るものの、より本格的な登山を行う際にオススメです。
目的地と用途に応じたレインウェアを選びましょう。
2つのパタゴニアの代表的なレインウェアをご紹介しましたが、どちらがより良いというのではなくて、目的や用途に合わせて選ぶことが大切です。
行き先や季節に応じたレインウェアを選ぶことで、より快適で安全な登山を楽しめます。また、パタゴニア製品はシンプルさと実用性に徹した作り・デザインになっている為、流行にとらわれることがないのも魅力です。
あなたにぴったりのレインウェアが見つかりますように!