登山のフリースは日常用のものでも利用可能

引用:pexels

真夏の低山登山を除けば、登山にフリースは必要不可欠。登山用フリースといえば、以前は高嶺の花で1~2万円する製品が普通でしたが、2000年前後から日常用のフリースの価格が下がり、フリースが一気に普及しました。

登山に持参するフリースは、登山用が理想ですが、日常用のフリースでも構いません。安価に買えるフリースですが、登山の最中そしてアプローチにも使えるという万能の衣類と言えます。

フリースは元々アウトドアでの利用が主流


引用:ぱくたそ
2000年前後に一気に普及したフリースですが、それまでのフリースは主にアウトドア用として存在していました。ただし、価格が非常に高く、1~2万円するのが当たり前。フリースは登山をはじめとするアウトドア活動を行う者にとって、高嶺の花であり、憧れの存在と言えました。

しかし、2000年前後頃にユニクロを展開するファーストリテイリング社が安価なフリースを発売し、世界的なヒット製品に。これにより、フリースは一気に世間一般に普及することになりました。ユニクロのフリースの普及により、フリースを日常用として着ることができるようになった面もありますが、それまで高額で手の届かなかったフリースを誰でも登山に持っていけるようになったという面が、登山及びアウトドア界にとって非常に画期的な出来事となりました。実際、2000年頃を境に、山においてもフリースの姿を非常に多く見かけるようになりました。

山でもアプローチでも利用可能なフリース


引用:写真AC
登山でのフリースの用途としては、外界から身を守るアウター、条件に合わせて体温を調整するミッドレイヤーとしての役割を果たします。雪山や雨の登山を除けば、多くの場合、フリースはミッドレイヤーとして利用するケースが多いです。秋や春の登山で、汗ばんだ後の休憩の際にフリースを着るのがその利用の代表例。その後、着たままで行動に移れるのもフリースの良い所となります。

また、登山中の利用方法だけでなく、山へのアプローチの際にもフリースは活躍します。自宅から目的の山への行き帰りにどのような服装をするのかは、季節によっては悩む面もありますが、夏以外はフリースを着ることでほぼ問題が解決します。山用シャツの上にフリースを着れば、それだけで目的の山までのアプローチが可能となります。特別にアプローチ用の上着などを持つ必要がありません。

フリースは、登山はもちろん、目的の山に至るまでのアプローチにも着用可能であり、荷物を減らすこともでき、ウェアとしての機能にも優れている、登山の必需品と言えます。

日常用フリースと登山用フリースの違い


引用:Amazon
現在もアウトドアショップに行けば、アウトドアブランドなどの登山用フリースが販売されています。以前に比べれば価格はずいぶん下がっていますが、それでも日常用フリースに比べると倍以上の価格がします。登山用フリースは値段も相応にするため、非常に丈夫にできています。また、“風に弱い”というフリースの弱点を補う機能を持つ登山用フリースもあります。よって、理想で言えば、登山においては、登山用フリースを持参すべきと言えます。

しかしながら、日常用のフリースはダメかと言えば、決してそんなことはありません。日常用のフリースも十分に登山で利用することができます。日常用のフリースは、ほとんどの場合は風対策がなされていないので、本格的なアウターとしての利用は不向きですが、それでもヤッケやカッパをフリースの上から着ることで、風対策は十分可能です。また、ミッドレイヤーとして利用する場合、確かに登山用フリースに比べると丈夫さの面で劣るものの、暖かさという面では大きな差はありません。雪山登山などの厳しい登山でなければ、その差を感じることはほとんどありません。

よって、雪山登山の場合を除くと、登山に持参するフリースは日常利用のもので構わないと言えます。なお、登山用フリースを購入して、山以外に日常用に着るのも“あり”です。昨今の登山用フリースはファッション性にも富んでいるため、まったく違和感はありません。

かさばるのでしっかりパッキングを行うこと


引用:Amazon
今や登山の必需品とも言えるフリースですが、空気を多く含んでおり、かさばるのが欠点です。空気を多く含む=熱を保つ、と同じ意味ではありますが、空気の分が余分なスペースを取るため、しっかりとパッキングすることが必要不可欠。フリースをそのままザックに入れると、意外なほどスペースを占領します。よって、大きめのビニール袋や圧縮袋にフリースを入れて、空気を抜いてフリースのかさを小さくした後でザックに入れることをお勧めします。また、頻繁にフリースを脱着する場合は、ザックの上の方に畳んでそのまま入れても構いません。

頻繁に利用するのか、それとも基本的に予備でアプローチなどで利用するのみなのか、利用シーンに応じて、パッキング方法も変わってきます。

まとめ~フリースは登山の必需品

フリースの普及は、日常生活だけでなく、登山にも大きな影響を与えました。荷物の多い登山にとって、フリースによりアウターが1つ減らせるのは非常に大きいです。

今や日常生活そして登山にとってなくてはならないフリース。登山の場合、登山用フリースもありますが、まずは日常用のフリースを1枚持参してください。雪山のような厳しい山でなければ、フリース1枚でアウターからミッドレイヤーまで十分に機能を発揮します。ただし、お金に余裕があれば、登山用フリースをどうぞ。いずれにしても、登山には1枚フリースを持って行くようにしたいものです。

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