こんにちは、登山、山大好き社員のきーさんです。今日は雪山に関するお話です。
日本を代表する山岳地域を有する登山者憧れのエリア、長野県に位置する中央アルプスの最高峰、木曽駒ケ岳。私にとってこれまで冬山を幾度か経験し、冬季の高所登山への一歩として経験と挑戦のため臨んだ思い出深い山でもあります。
そんな木曽駒ヶ岳をレポートとしてお届けします。
基本情報
<登山口までのアクセス>
中央自動車道駒ヶ根ICより3分。管ノ台駐車場に車を停め、駒ヶ岳ロープウェイまでバスで移動、ロープウェイでで標高を一気に上げます。
駒ケ岳ロープウェイ
<登山口から頂上まで>
登山口である千畳敷カールから頂上まで約90分ほど。ここから千畳敷の急斜面を一気に登り、宝剣岳を横目に山頂へ向かいます
<装備と注意点>木曽駒ケ岳の標高は2,956m。ロープウェイで標高を上げるため登山工程は短いですが、3,000m級の積雪期という条件下での登山となります。ピッケル、アイゼンをはじめとした冬山装備、悪天候に耐えられるウェア、そのギアとウェアを適切に扱える技術が必須条件となります。
またロープウェイで一気に標高を上げると体調を崩す事があるので、体調管理は万全に、前日はしっかり睡眠をとり、水分補給をしておきましょう。
頂上までのポイント
<千畳敷カール>
序盤にして最も注意が必要なのが、この千畳敷カール。急斜面を登るため、ピッケルとアイゼンで雪面を確保しながら登ります。急斜面を見上げると、次なるポイントである乗越浄土を目視できます。
雪の急斜面を登る際の注意点は、雪面が固まっている朝方に登る事。日中の好天時は雪が溶け、雪崩が発生しやすくなります。また雪が積もった早期も要注意で、何らかの衝撃で表層が崩れる事も。千畳敷では雪崩による事故の報告が幾つもあります。また上からの落下物にも要注意。一度、ヘルメットが落ちてきたこともありました。
<乗越浄土>
急斜面を登り乗越浄土に達すると、宝剣岳との分岐に分かれます。宝剣岳は中央アルプスを代表する鋭峰で、冬では難易度が非常に高いので上級者向けルートとなっています。
この先木曽駒ケ岳までは稜線を辿っていくルートとなり、天候が穏やかであれば比較的楽に頂上に到達します。といっても、雪面が凍っていれば慎重なアイゼンワークが必要で、滑落すれば軽傷では済まないので、気を抜いてはいけません。気を引き締めながらも、高山ならではの壮大な稜線、日本を代表する山々の絶景を堪能しながら頂きを目指しましょう。
<頂上>
頂上は遮る物のない360度の大パノラマ。
夏の時期も良いですが、空気が非常に澄んでいる時期に登ると、そこは都市部とは違う別世界。もうひとつお勧めしたいのは、遠方だけでなく麓も眺めてみること。
山と密接な関係を持ち、生活資源の確保、信仰の対象とされてきた山々から眺める街並みは、街の発展の歴史を感じることが出来るでしょう。
<下山時の注意点>
下山は往路を折り返すこととなりますが、ここでも注意したいのは千畳敷。
急勾配の雪面は一度足を滑らせると一気に滑り落ちる事となり、雪崩を誘発する原因、また登山者を巻き込んでしまいます。
いかがでししたか。冬の木曽駒ケ岳は難易度の高い山ですが、登山を始めた頃に感じた、頂上を楽しむ、自然に触れるだけではない、登山の奥深さに触れる事が出来る山となります。是非その感動を味わってみてください!ではまた次回もお楽しみに。