こんにちは、ライターのKajoです。
心に栄養を蓄えながら、寒さを乗り切ると決めているこの季節。
みなさんいかがお過ごしですか?
12月某日、「2019年の締め括りに雪山にトライしたい」と念入りな準備をして、わたしは長野県に向かっていました。実は2018年の年末に、北横岳でこっそり雪山デビューをしたのですが、引率者におんぶに抱っこだったのです。
今回はもう少しカジュアルな(と言っても気は絶対抜いてはいけない)雪山歩きを目論んで。
完全装備で鼻息荒く、長野に降り立った次第です。
しかしここで問題が。
今年の冬・・・、暖冬!!
長野に着いた瞬間の違和感、「・・・そんなに寒くない。」
涙を飲んで見送りか?と思った絶望のわたしですが、到着日の夜になんと!雪が!降ったのです。
よ〜し、登るぞ〜と意気込んで、いくつかあった候補の中から
①積雪量が読める場所
②長野駅から車で移動、日帰りのトレッキングが可能な場所
③身の丈にあった山行
を加味して、上信越高原国立公園の「湯の丸高原」に行ってきました。
ちなみに他の候補地に関しては、路面凍結の様子が読めなかったことと、通行止めの箇所があることを理由に排除しました。
群馬県嬬恋村と長野県東御市・上田市の境にある「湯の丸高原」は、練馬ICから車で2時間と、都心からのアクセスも楽々!
レンゲツツジの大群落があったり、多種類(約1150種)の高山植物が混生しているそう。
フラワートレッキング向きですね、下見も兼ねて行って来ます!
まずはビジターセンター(標高1730m)でお手洗いや準備を済ませます。
レストランや宿も数軒あります。長野市からは車で1時間半弱、少しだけ路面が凍結している山道を抜けて「地蔵峠駐車場※1500台収容」に車を停めます。
周囲にあるのはスキー場!
そして温泉の旗も、そこかしこに見られました、ワクワク。
駐車場から徒歩一分で登山口に到着、冬にはスキー場となります。地図を見る限り、リフトを横目に見ながらグイグイと登っていくようなのですが・・・。
駐車場から道を歩いてすぐの場所に、早速登山口を発見。
わたしが履いているのは、雪山用の登山靴。
そしてアイゼンと、チェーンアイゼンまでリュックに背負っています。雪のない中、足首の固定された状態で牧草を踏み続けるのに結構体力を消耗しました。
そしてわたし、スキーをやらないので知らなかったのですが、傾斜がやばい。
本当に「グイグイ」登っていくという形容詞がしっくりとくる、この斜度です。
対面に見えるのは、営業をしていたスキー場。積雪が少ないため、コース全てを滑りきることは出来ないようでしたが、もうシーズン始まってるんですね。スキー客の皆様、結構いらっしゃいました!
ちなみにこの日の装備は以下です。
・ニット帽(耳まで隠れる):THE NORTH FACE
・アウター:THE NORTH FACEのSUMMITシリーズ、ミドルにベースもレイヤーで完全装備
・雪山用グローブ、スパッツ
さらに、休憩時用のダウンも持ちました。(行動していないときは体が冷えやすいので、ダウンがあると良いです!)
リフトに沿って急登を乗り越え約20分後、湯の丸高原の入り口に到着しました。
写真を見ていただいたらわかるように、雪が全くと言っていいほど見られず。わたしは肩を落としながら、山頂に向かいます。
ところどころの残雪と、午前中のため少しの凍結が見られます。
必要最低限の軽装で来ました。
ちなみに、スパッツはフットウェアの中への雪の侵入を防ぎ、保温効果を高めてくれるので、必須です。
ちょっと滑りやすくなって来た・・・。この靴で来てよかった!
足元に注意をしながら進むと、雪の一本道が現れました。わざわざここにだけ敷いてくれたのかと思うほど。ビックリしました。
しばらくはこの、気持ちの良い雪の一本道を歩きます。案内板が多く、迷うことはありません。(これは個人的に、本当に重要)
途中には、東屋が見えて来ます。帰りにここでご飯を食べようっと胸に誓い。
道は本当に歩きやすくて、ハイキングという感じです。最初のスキー場スタートの牧草の急登が一番しんどかった・・・。
ふと見上げれば、木々の枝には着雪が。空の青と雪のコントラストと、天に向けてその身を伸ばす冬の大木の逞しさに目を奪われます。
東屋を越えると周囲の展望を見渡せるデッキが。湯の丸エリアは、「浅間山北麓ジオパーク」に登録されているんですね。
湯の丸はもともと、明治時代に牧場が開設された場所だそう、ふむふむ。
ただ、ここに見られるレンゲツツジは家畜にとって毒であるため、食べられることなく残った結果、レンゲツツジの大群落が形成されたようです。面白い!
雪の量に反比例して、時間にも気持ちにも余裕があるので、のんびりと足を進めていきます。
ここからは、地面に石が見られるエリアへ。足元により一層気を使いながら歩いていくと・・・
鐘分岐(つつじ平分岐)に到着しました。霧発生時の遭難防止鐘がありますので、わたしも遭難防止を祈ってカーンっと良い音を鳴らして来ました。
スタート地点からここまでは、油を売り売り45分ほど。
鐘のすぐ奥に登山道開始の案内板が現れました。
ピークが2つある湯の丸山の南峰までは800メートル、気を抜かずに参りましょう。
鐘分岐からは、一気に急登になります。
いきなり熊笹まみれに・・・藪漕ぎ感がありますが、歩道はわかりやすく確保されていますのでご安心を!
樹林帯を抜けて、笹ガレの急登を進んで行きます。
足元ばかりに目を取られがちでしたが、ふうっと途中一息を吐くべく空を見ると、飛行機雲!
色のグラデーションが本当に美しい。
登りにおいては時折足を止めて、手袋や帽子を脱いだり体温調節をこまめに行いました。
汗をかくスピードで登っちゃいけないんだけどね、ついつい・・・。
ゴロゴロと石の転がる坂を抜けて頂上が見えてきました!あっという間に駆け抜けてきてしまった感。
しかしこの後、カジュアルな地獄を見ました。
「あ、あれが南峰のピークだ〜!」
どんな景色が待ち受けるのか、とワクワクしながら一歩一歩歩を進めるものの・・・
風がやばい。
それもそのはず、頂上のあたりはとても景色が良いのです。眺望を遮るものが無い = 風を除けるものが無い。
三角点のある北峰を目指そうかな(ここから200m)と思っていましたが、今までのるんるんの往路と裏腹な、山頂の強風に心が折れました。
でも、そんな中撮れた景色を見てください。
まずはこれが南峰のピークですね、奥に見えるのは北アルプスの北部の山々です。
「絵に描いたみたい!」と思わず写真を確認して声を上げてしまった・・・。
多分、あの。槍ヶ岳まで見えるはずなんですけど、どの部分にフォーカスしたのかすらも定かでは無い in 強風。
すごすごと尻尾を巻いて北峰への道を諦め、少し降りたら無風だよ、これだよ!!!
行きはヨイヨイ帰りは怖い、少しの残雪+ガレ場という足元に大いに気を付けながら、慎重に下りをこなしていきます。
ここで気づく、お腹が減った・・・すぐに食べれるように、とポケットの中に忍ばせていた干し芋を食みます。
そして帰りは東屋で、途中の道の駅で買っていたおやきや、くるみのおむすび(※長野の郷土料理)を食べ、太陽の光で少し溶け始めた一本道の雪の帰路につきました。
わーん、本当に気持ちよかったよ〜〜!
雪はあまりなかったのでアイゼンもピッケルも使わなかったけれど、安全で楽しい山行が出来ました、2019年ちゃんと納めた感があります。
そしてわたしは誓うのです、雪山リベンジ2020を!
それではみなさん、安全第一で今年の冬も楽しみましょうね〜!
文章・写真:Kajo