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「やはりストックを用意しよう!」
登山初心者との山行で、度々このようなことを耳にします。近年、ストックは登山にすっかり定着しました。これから登山を始める人は、他の装備選びとともに、ストック選びにも頭を悩ませていることでしょう。
しかし、ストックは何を基準に選ぶべきでしょうか。そもそもストックにはどのような効果があり、また、必需品なのでしょうか。
ここでは、ストックについて知りたい人の疑問にお答えし、選び方やストックを使うメリット・デメリットについて解説します。
おすすめのストックもあわせてご紹介しますので、ストック選びの参考にしてください。
ストックを使うとどんなメリットがある?
まずは、ストックを使うメリットを確認しておきましょう。ストックを使う大きなメリットは、以下の3点です。
- 負担を分散できる
- 下山時の衝撃を緩和できる
- 歩行時の推進力を向上できる
それぞれ解説していきます。
負荷を分散できる
ストックを使用することで、両足や腰にかかる負担を、両腕(ストック)に分散できます。
例えば、登りでストックを使用することで、それまで2足で登っていたところを、両手両足の4足で登ることになります。負担を分散することで、より少ない労力で登れるでしょう。
また、ストックでバランスを取ることで、重心の左右のブレを抑えられます。テント泊登山で重装備を背負っている場合などに、特に有効といえるでしょう。バックパックが左右に振られてバランスを崩したときでも、転倒防止に役立ちます。
ストックで負担を分散し、重心のブレを抑えることで、転倒防止や疲労の軽減を期待できるのです。
下山時の衝撃を緩和できる
ストックを求める一番の動機は、下山時の膝への負担を軽減すること、かもしれません。
登山でキツいのは登りですが、故障しやすいのは下山時です。人は歩くときに体重の1.5倍の衝撃がかかります。登山装備を背負い、不整地を下ることが大きな負荷になることは想像に難くありません。
ストックを併用し、着地時にワンクッションを置くことで衝撃を緩和し、故障の予防につながります。
歩行時の推進力を向上できる
平坦な道でもストックを使うことで、推進力をアップできます。両手にストックを持てば歩くリズムを作りやすいことも、メリットのひとつでしょう。
ストックは必須装備!? ストックを使うデメリット
ここまで、ストックのメリットだけを見ると「使わない手はない!」と思われるかもしれません。ですが、ストックは決して必需品ではないのです。
ストックは道幅が広く、自由に突ける場所で最も効果を発揮します。しかし、日本の山岳には岩場や鎖場、急斜面などがあり、ストックを自由に突ける場所ばかりではありません。ストックを使わない(使えない)場面では荷物になります。
また、初めからストックに頼りすぎると、ストックに頼らない歩き方が身につかないことも。登り下りのツラさは、少しのトレーニングと正しい歩き方でカバーできるものなのです。
ストックのメリット・デメリットを踏まえ、ストックを使うべき人はこのような人でしょう。
- 足腰に不安のある人
- 15kg以上の重装備を背負う人
そもそもストックが必要か——。購入前によく考えてみてください。
登山ストック選びの4つのチェックポイント
ストック選びは、これからご紹介する4つのポイントに注目してください。
1.形状
ストックの形状は、グリップから先端までがストレートな『I字型』と、グリップに特徴がある『T字型』に分かれます。
I字型×2本
I字型のストックは、1本使いよりも2本使いがスタンダード。負荷を両腕に分散できるため、長距離を歩いたり高低差の大きいコースを歩いたりする場合に有効です。
また、下山時の負担軽減が目的であれば、負担を4箇所に分散できるI字型×2本使いが、おすすめといえるでしょう。
T字型×1本
対して、T字型はグリップを上から握る形状で、1本使いがスタンダードです。片手が空き、軽量・コンパクトであることが最大のメリット。価格も安価です。
どちらが優れている、というわけではありません。個々人の好みや場面によって使い分けるのが理想です。
2.素材と重量
ストックの素材にはアルミ合金とカーボンがあり、素材もストック選びの大切な要素です。
アルミ合金
アルミ合金製は十分に軽量で剛性も優れています。カーボン製に比べて安価な点も見逃せません。素材に硬さがあるため、先端に衝撃吸収(アンチショック)システムを備えたモデルもあります。
カーボン
一方、カーボン製ストックは高価ですが、圧倒的な軽さが長所です。素材がしなやかなため、本体が程よくしなり衝撃を緩和してくれます。
どちらの素材も一長一短ありますが、腕の力に自信がなく、軽量なモデルを求める人はカーボン製がおすすめです。
3.使用時・収納時のサイズ
ストックの効果を発揮するためには、身長に合った正しい長さのモデルを選ぶことが大切です。サイズの目安は以下の通り。
- I字型:平坦地で、肘の角度が90度になるくらいの長さ
- T字型:平坦地で、身長の1/2程度の長さ
ストックを購入するときは、店頭で実際に試しながら選ぶと失敗がありません。また、手持ちのバックパックに収納できるかも確認しておきましょう。
4.収納式か折り畳み式か
ストックは収納方法でも分類されます。『収納式』か『折り畳み式』かの違いですが、収納サイズと長さ調整の範囲が異なります。
収納式
収納式は、ストック本体に先端を収納し、長さ調整の幅が広いのが特徴です。強度も安心感があります。
折り畳み式
一方、折り畳み式は本体を分割して折り畳むことで、非常にコンパクトに収納できる点がメリットです。そのため、公共交通機関での移動が多い人や、荷物の制限が大きいトレイルランニングなどにおすすめといえるでしょう。
折り畳み式はサイズ調整の範囲が狭いことがデメリットですが、そのかわりS・M・Lなどとサイズ展開で対応しています。
人気メーカーおすすめ登山ストック8選
最後に人気メーカーのおすすめストックをご紹介します。
LEKI(レキ)
レキの中で最もコストパフォーマンスに優れたモデルです。初めてのストックにおすすめです。
レキを代表するストックです。素早く長さ調整ができるスピードロック2システムを採用し、場面に応じた長さ調整が容易にできます。先端にはアンチショック・システムを装備することで手首の負担も軽減でき、快適に使用できるでしょう。
握りやすいグリップが特徴のT字型ストックです。素早い長さ調整が可能なスピードロック2システムと、衝撃を吸収するダイナミック・サスペンションを搭載し、快適な歩行をサポートします。
SHINANO(シナノ)
折り畳み式のカーボン製ストックであり、軽量かつコンパクトであることが特徴です。折り畳み寸法が37cmと、日帰りバックパックにも無理なく収納できるでしょう。軽く小さいため、トレイルランニングにもおすすめ。オールラウンドに活躍するストックです。
安価ながら品質が高く、コストパフォーマンスの高いモデルです。傷や経年変化に強いアルミ合金を採用したことで、長く愛用できるでしょう。初めてのストックにおすすめです。
登りと下りで握り方を変えられる、2WAYグリップを採用したモデルです。登りはI字型のように握り、下りは上から握ることで操作性が向上。比較的平坦な道を歩く、ハイキングや散策におすすめのモデルです。
Black Diamond(ブラックダイアモンド)
折り畳み時:95~110(32)cm/105~125(35)cm/120~140(40)cm
重量:95~110cm=330g(組)/105~125cm=360g(組)/120~140cm=380g(組)
素材:カーボン
コンパクトに収納できる折り畳み式のモデルです。サイズ展開がありながら、15cm〜20cmの長さ調整が可能。軽さやコンパクトさを優先する人におすすめです。
スタンダードなアルミ製ストックです。コストパフォーマンスがよく、最初の一本におすすめのモデルです。
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