こんにちは、ライターのKajoです。
暖冬と言われる平成最後の冬、気づけばもう師走・・・。
さてみなさん、年の瀬になんですが。やり残したこと、ありませんか?
私は最近、”2018やりたいことリスト”うち一つだった「Yamabushi Trail Tour」に参加してきました。「Yamabushi Trail Tour」とは、静岡県西伊豆の再生した古道を、マウンテンバイクで駆け抜けるツアーのことです。
1200年もの歴史ある古道を、マウンテンバイクで駆ける。
何が何だかわからないパワーワードが並んでいます。
山伏って”山野に起き伏せする修験者”の意味ですが、まず響きがイケてる。
しかも山の古道を再生して利用しているって、純粋にワクワクしませんか?
西伊豆と言えば海。西伊豆の山でのアクティビティに、全くピンと来なかったのですが・・・
山伏・マウンテンバイク・トレイル。これらの響きをぜひ、体験してみたい!
今回は、私のアウトドアへの価値観に大いに影響を与えた長年お世話になっている保護者兼友人である二人と一緒に参加してきました。
ということでやって来ました静岡県・松崎町。
車で行く場合は、新東名長泉沼津I.C.もしくは東名沼津I.C.より伊豆縦貫道を経由して、国道136号線から松崎約72㎞の道のりです。
電車で行く場合、事前相談で伊豆急線「稲梓駅」まで無料送迎もあります。
【参加時の服装、持ち物】
・長袖Tシャツ+半袖シャツ
・フリース
・ウインドブレーカー
・レギンス+ショートパンツ+レッグウォーマー
・トレランシューズ
・飲み物
・トレランリュック
見事に山用、レイヤリングで固めました。この日は暑くて、途中でTシャツ一枚になるほど。
調節のしやすい服装をお勧めします。
HPにも写真付きでわかりやすく、おススメの服装など書いてあるので要チェック。
・マウンテンバイク
・ヘルメット
・グローブ
は貸し出しをしてもらえるので、ほぼ手ぶらです。
前夜にはそわそわして眠れないくらいに楽しみでした。
身長や体型に合わせてMTBを選んでもらいます
私はこの写真の中央にあるグリーンのMTBになりました!
にしてもあれ?ゴツ、ゴツくない・・・?
タイヤのあまりの立派さに、突然ビビり始める私。
(こんなゴツいタイヤで通る道も、当然ゴツいよね?)
集合場所である松崎海洋センター前のスペースで、マウンテンバイクの基本動作を学びます。
ブレーキの掛け方やMTBの基本中の基本をわかりやすく教えてくれました。
さて、YAMABUSHI TRAIL TOURでは、3つのコースから参加者の体力や経験に合わせて選ぶことができます。
【EASYRIDE】▶︎未経験・体力のない女性やお子さん向け四季折々の西伊豆の自然を感じながら街中を巡るツアー(半日・1日ツアー)
【FUN RIDE】▶︎本格的に山道トレイル、再生した古道を走るツアー(半日・1日ツアー)
【EPIC RIDE】▶︎ガチ勢向けの玄人ツアー(1日ツアーのみ)
私たちは【FUN RIDE】を選びました。
実は前夜まで、私たちのSNSのグループトークではまさかの不安を打ち明け合う流れがありました。
「運動不足だからな〜」
「私は脚が不安。」
「体力さえ持てば1日やりたい。」
私「1日コースで大丈夫ですって!イェイイェイ!」
というわけで、山に来ました。ちなみに車中では、蒼白な顔で無言を貫きました。
(これだけ車で、登った山を下る・・・だと?)
みんなもう基本の乗り方マスターしてるし・・・!
カメラ小僧、木立の中を必死に追いかけます。
木立を抜けると公園がありました。その先に参加者が全員集合。
街を見下ろして、山や地形など、土地の説明を受けます。
ここでしか聞けない小話がとても面白かったのですが、ネタバレになるので書かない!!
いやはや、まだ開始1時間だけどこの景色見れただけでも満足度高いです。
同じツアーにご参加された親子連れの方々は東京からのお客様。確かに、観光にもオススメです。
景色を見た後は、広場でもう少し本格的な練習です。
凸凹とした穴の越え方、木の根の越え方などなど、実際にマンツーマンで見てもらえるので安心。
ちなみに私は割とスイスイ乗れていた(つもり)だったので、見てもらった後ドヤ顔で
「できてました?!」
と聞いたら、全然できていませんでした。
イメージと現実が、早速乖離してる!!!
正しいフォームを教えてもらうと、確かに感覚としてはっきりと分かるほどに姿勢が変わります。
ただ、感覚だから。実践出来るかなと不安。でもなんとかなるような気がして来た。
本当に山だったので(語彙力)、ビビりすぎてこの時の記憶があまりありません。
木漏れ日が心地よいですね、写真で振り返るとシチュエーションの良さに気づきます。
余裕がなくて全然楽しめていませんでした、勿体無い!
古道の前の午前中ラストの内容は、山のショートコースを走ってみること。
落ち葉の小道をぐんぐんと進んでいきます。
S字カーブを降りていきます
結構な落差があるのが分かるでしょうか?
S字カーブ・・・絶対無理!と内心バクバクで強行、なんとか行けました(結果的に)。
進む方向に視線をやる、体制をしっかりと保つ、口の中でブツブツ言いながら進みます。
こちらのコースを二本こなし、午前中が終了です。
私は午前中の行程を終え、実体の定まらない感じ・・・といいますか、初めての体験への高揚感やドキドキで感情がフル回転をしてふわふわしている感じでした。
ただ一つわかっているのは、「もっとやりたい」という気持ちだけ。
お昼時には、伊豆の美味に舌鼓を打ちます。
お刺身と干物のランチセット「美味しいランチ」をいただきます!
古道トレイルのための練習をした午前中の3時間を終えて、お腹はペコペコ。ボリュームたっぷりの定食を完食しました。
カンパチ・イサキ、金目鯛のお刺身に松崎のひじきを炊いたもの、わさびの茎漬・麹入の塩辛など、地場のものを美味しくいただきました。伊豆の醍醐味〜!
午前中はめちゃくちゃビビったり興奮しすぎたけど、午後はなんだかいける気がする。
山の上部までの搬送、車に揺られ20分弱、別の山へ
さて気持ち新たに、「もっとやりたい」の気持ちが午後の古道へと急かせます。
四駆じゃないと走れないような道を車で登って来ました。
いきなり鬱蒼として来た。
ですが不思議と恐怖や不安が、午前中の行程を経たことで消えていました。
コースに合わせて開拓をされた山々が繋がります。中には10kmのコースまであるというので驚き。
脱力をしてリラックスの状態で、ハンドルを握ること。
無意識にぎゅっと握りしめることで午前中に手汗で濡らしたハンドルを、優しく握り返しながら古道へと入っていきます。
少し余裕が出て来て、コースの様々な景色や表情に目を向けることができるようになって来ました。東京から参加していた親子連れの女子二人は、参加したどの大人よりも上手。
「私の年齢の半分くらいの子も参加してるし、そんなハードなコースは行かないだろう、えへへ」
などと思っていた朝イチの私、その考え、撤回!!
トレイルの最中に各所各所で足を止め、道の背景や歴史の説明を受けます。
木の根を越えたり、切り通しのような道を走ったり。
スリルに次ぐスリルですが、もう全部が楽しい。
参加者もみんなペースを掴み始めていて、みんな笑顔。
細い尾根を越え石や落ち葉の道をぐんぐんと抜けていきます。
古木を切って陽の光が入るように調整されているので、景色も飽きることがありません、どんどん表情が変わっていく!
「運動不足が解消されるかな?」
昨夜のあの会話はフリでしかないですよね?!
実際は山道の傾斜に一番ビビってたのは私なわけですし、もう騙されないと誓いました。
「スノーボードの林間コースの感覚と一緒だよ」
との事です。しゅるしゅる行ってた・・・
私はスノーボードをやらないので分かりませんが、冷静に考えたら「降りるアクティビティ」としての共通点はあるのではないのかな?と思いました。
途中何度か、立ち並ぶ仏像たち
コースも終盤に差し掛かります、あっという間すぎてびっくりしちゃう。
ちなみにこちらは”馬頭観世音”だそうです。初めて聞いたワードなので、ググりました。
昔この地域で大事にされてきた、馬を祀った像の裏側には手形が。
途中コースのところどころに仏像が立ち並んでいましたが、それらも古道再生の際に発掘し、在る場所に戻したものだそうです。
馬とともに当時生活していた人がここに居たという事実に、胸が熱くなります。
YAMABUSHI TRAIL TOURを実施してきた代表の松本さんらが、それまで人の寄り付かなかった山を歩き”道”という命を吹き込んできたことで、こんな風に胸を熱くするような感動に出会えるんですね・・・。
最後待ち受けるのは西伊豆の海
古道に後ろ髪を引かれながら街へと繋がる道を越えた先に待って居たこちら、とびっきりの風景すぎませんか?
この帰り道の私の頭の中には「また来たい」しかありませんでした。
朝のビビりようはなんだったんでしょうか。
全国各地からお客さんが来るというYAMABUSHI TRAIL TOURですが、コースを終え集合場所に戻ると、県内西部から来ていた方達が!・・・一瞬でわかる玄人っぷり。
今年で参加5年目という、10人前後で参加されるガチ勢たちです。
にしても皆さん良い笑顔、しかも超気さく。
他県のグリーンシーズンが終わった後、決まってこの季節にいらっしゃるそうです。
トレイルだけ、食事だけ、ではなくて古道の歴史に触れるなど全体としての完成度が高く、なんと普段はラフティングなどのアウトドアガイドをされているという方も常連さんでした。
東京からもアクセスのしやすい伊豆、海や海鮮だけじゃないんですね。季節によってまた景色が変わるのだろうな。
MTBから降りる時の足の向きを教わるところからスタートの私でしたが、1日の行程を終え、次の参加時期を悩んでいるところです。
普段は”登る”・”歩く”山道を、また違った方法でアプローチが出来たYAMABUSHI TRAIL TOUR。
山あり海あり歴史あり。なんでも揃った西伊豆の、熱い男たちの手によって再生された古道で。
いつもと違う特別なアウトドア体験に挑戦してみてはいかがでしょうか?
文・写真 Kajo
取材協力:YAMABUSHI TRAIL TOUR
【YAMABUSHI TRAIL TOUR詳細】
住所:〒410-3611
静岡県賀茂郡松崎町松崎379-2
電話番号:0558-36-3737
URL:http://yamabushi-trail-tour.com