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山の天気は変わりやすい、とよく言われますが、1,000~2,000m級の山でもそれは実感することができます。よって、登山時の天気は、日常生活以上に気を遣う必要があります。
そんな登山の際の天気予報で最も役に立つのが天気図となります。ちょっとした本格登山を行う場合、天気図が読めるのは当たり前の世界です。本格登山と天気図は切っても切れない関係にあります。
登山の天気予報、天気図ならピンポイント予想が可能
引用:写真AC
山の天気を知るにはどうしたらよいか?まず最初に思いつくのは天気予報でしょう。しかし、各地域の天気予報でも、登ろうとしている山の天気までは解説されないことがほとんどです。
日帰り登山であれば、山の近郊の天気を知った上で行くかどうか判断すれば済みますが、宿泊登山の場合は、その後荒れるという天気の予想を知らずに行動を開始すれば、命の危険が生じる場合もあります。特に冬山登山の場合、晴れていてもアッと言う間に天候が崩れてホワイトアウト、ということもあります。
よって、天気予報では解説されない、ピンポイントとも言える天気予報が本格登山には欲しいところ。現実問題として、そんなことできるのかと言えば、できます。以前より、本格的な登山を行う登山家は自ら天気図を書いて、その天気図をもとに天気を予想して行動するか否かを決めていました。天気図を作成して正確に読むことができれば、ピンポイントに近い形で天気の予想が可能になります。
携帯電話やスマホが普及し、今や天気図もテレビでなくても見ることができる時代ですが、この天気図は本格登山の必需品とも言うべき存在なのです。
少なくとも天気図を読めるようになるべき
引用:ぱくたそ
普段ニュースの後半に放送されている天気予報を思い出してください。天気予報の前半部分、各地の天気の解説に移る前に、天気図の解説が行われることがほとんどです。普段テレビで天気予報を見ていると、流して見ていない天気図ですが、本格的に登山に取り組もうとするのであれば、天気図が読める、というのは必須の能力です。
今まで天気予報で天気図を気にしたことありますか?
大半の方が、ないと仰ると思います。天気図には現在の天気及び今後の天気を予想する、非常に多くの情報が詰まっています。テレビの天気予報では、各地の天気の解説が行われ、それを見れば普段の生活に十分役に立ちますが、実は天気図を読むことができれば、解説なしでもあらゆる地域の今後の天気の予想ができます。
たとえば、山小屋に宿泊してテレビで天気図を見たとして、今登っている山の天気の解説はされませんが(夏の信州は各山系毎に天気の解説がありますが)、天気図が読めるようになれば、今自分が登っている山のその後の天候が自分である程度予想できるようになります。山小屋やテントを利用した宿泊登山、そして冬山登山をしたい、というのであれば、自分で自分の身を守るためにも、少なくとも天気図から今後の天気を読めるようになっておくべきでしょう。
理想は天気図の作成を自ら行うこと
引用:イラストAC
天気図は自ら作成することも可能です。天気図の作成用紙は登山専門店に行けば販売されています。また、天気図を作成するための情報は、NHKラジオ第二放送で放送されています。
ラジオを聴きながら該当箇所に数字や印を正確に入れてゆき、最後に等圧線を引けば、天気図の完成です。素人目には難しそうに感じますが、ラジオを聴きながら順次情報を書き込んでゆくことが中心なので、慣れればそれほど難しくはありません。等圧線の引き方に若干コツがありますが、数回も練習すればコツはつかむことができます。
登山をするのにそこまでする必要があるのか?と思われるかもしれませんが、テント泊でのアルプス縦走や雪山登山をするのであれば、当たり前に身に着けておくべき技術です。大きな山小屋に泊まるような登山であれば、テレビの天気予報を見て天気図が読めればOKとも言えますが、もし雪山を含めた登山を視野に入れているようであれば、何があってもいいように、天気図が作成できるようにしておくべきです。
天気図が作成できると自然に天気図も読めるようになる
引用:写真AC
天気図を作成することで、実は自然に天気図が読めるようになります。天気図を作成することで、天気図の仕組みが分かり、また風や雲の流れから雨の地域の推移が見えてくるので、必然的に天気図が読めるようになります。
よって、天気図の読み方を勉強するのであれば、自ら天気図を作成することが一番の近道となります。なお、現在は気象庁のサイトで、NHKラジオ第二で放送された原稿がそのままアップされているので、まずはそちらを見て天気図を作成するところから始めてみてはいかがでしょうか?
まとめ~思っているより簡単な天気図作成
天気図というと、気象予報士などの限られた人が利用するもの、という印象を受けますが、本格登山を志す方にとっては、天気図の作成そして天気図を正確に読むという技術は、以前から必要不可欠とされていました。
都市部では天気のピンポイント予想もインターネット経由で可能になりつつありますが、山でのピンポイント予想も天気図を利用すれば十分可能です。
時間も手間もかかりますが、宿泊登山を行いたいというのであれば、少なくとも天気図は読めて当たり前の世界です。これを機会に天気図の作成から始めて、天気図を読めるようになってみませんか?
思っているより難しくなく、数回書いてみると慣れますし、その後の天気も読めるようになります。ぜひ一度お試しください。