引用:アマゾン
登山での遭難の多くは道迷いがきっかけの滑落事故や体力消耗による歩行困難です。その道迷いの多くは、アウトドアコンパスと地図を正しく使えば防せぐことができたと言われています。しかし、意外とアウトドアコンパスを持っている登山者は少ないのが現状です。今回は、アウトドアコンパスの知識やおすすめをご紹介します。
アウトドアコンパスを知ろう
コンパスとは、地磁気を利用して方位を知る道具です。これは知らない方はいないと思います。
コンパスの利用シーン
コンパスを使う場面は、登山道の分岐点や、歩行中不安になった時に、進む方向が正しいのか確認を行う時などになります。登山前に、地図の磁北線と目的地の方向により、コンパスのベースと方位目盛を設定するという前準備を行う事により、正確な計測が可能になります。
通常のコンパスとアウトドアコンパスとの違い
1. 通常のコンパス
一般的に生活で使われるコンパスは、針の周りの方位目盛は固定で、北であるNから、E(東)、W(西)、S(南)とそれぞれを等分した目盛りが付いた程度で、北の方向がわかる程度です。
2. 登山用のコンパス
登山用のコンパスは、ベースプレートの上に、可動式の方位目盛があり、その中に方向示す針があります。また、その針の容器はオイルを充填し凍らないようになっています。このように登山用のコンパスは、登山での使用で最大限の威力が発揮されるように設計されています。
3. スマホや電子機器のコンパス
スマホアプリや、デジタル腕時計やナビゲーション機器にもコンパスは付属しています。しかし、それらはあくまでも参考用と考えましょう。バッテリーの心配や、気温や天候などの環境によっては使えなくなります。
アウトドアコンパスは慣れが必要
アウトドアコンパスはとても単純なアイテムですが、使い慣れないといざという時に役に立ちません。書籍で勉強したり、簡単な山でも日頃から使うようにして、地形や方向に対する、地図とコンパスの関係をよく知っておきましょう。
この本はビギナーからベテランまで、おすすめです。
アウトドアコンパスの選び方
アウトドアコンパスは、機能や形、デザインなどはほとんど同じなので、大小やブランドイメージ、口コミなどで選ぶことになります。従って、アウトドアコンパスと言われる製品の必須機能をご紹介します。
筐体が透明
アウトドアコンパスは、地図上に置いて使う事が多いので、透明である必要があります。
使用可能温度範囲
極寒の極地であっても、灼熱の砂漠であっても正常に稼働できる使用可能温度の範囲が必要です。そのために、針のカプセルはオイルなど簡単に凍らない液体で封入されています。
自由に動く方位目盛
進むべき方向を確認するため、方位目盛りが自由に動く必要があります。
ルーペ
地図の細かい等高線などがわかりやすいルーペが必要です。
そのほか、便利機能がありますが、これらを備えているものが、アウトドアコンパスと言われますので、必ず、アウトドアコンパスを購入しましょう。
おすすめのアウトドアコンパス
おすすめのアウトドアコンパスをご紹介します。
ド定番 SILVA No.3
登山家であれば「アウトドアコンパスと言えば、SILVA(シルバ)の№3」と答えるほどの定番品です。高い透明度、スムーズでありながら不意に動かない目盛り、方位の信頼性など、昔から多くの登山者や、探検家の必須アイテムで、今も、多くの愛用者が多い製品のひとつです。もし、何を買おうか迷っているなら、これで間違いありません。初心者の方も、これを持っておけば一目置かれるかもです。
夜間登山に SUUNTO A-30
重量:34g
使用温度範囲:-35~60度C
機能:ルミナスベゼル、ルーペ、マーキングホール
こちらも定番のアウトドアコンパスです。スントと言えば、アウトドアウォッチでも有名なので、ご存知の方も多いでしょう。機能や使いやすさなどは、前出のシルバ製品と大差は有りませんが、方位目盛りが蛍光性なので、暗い場所での視認性がよくなっています。夜間や早朝など、暗い時間の行動が予想される場合は、こちらをおすすめします。
やっぱり日本製 YCM OL-6R
SILVA(シルバ)は、スウェーデン、SUUNTO(スント)は、フィンランドのメーカーですが、このYCMは日本製です。YCMは、大正14年に方位磁石を作り始めたという老舗で、陸上自衛隊でも採用されています。このOL-6Rは、機能や使い勝手は申し分なく、大型のルーペが特長で、より正確に地図を確認したい方におすすめです。
コンパスはお守りではありません。
山に入ると、周りの木や険しい地形で、今自分がいる現在地の把握が難しくなります。現在地がわからなくなると、進むべき方向がわかりにくくなり、間違えてしまうと遭難という事態になります。そうならないように、日頃から地図とコンパスを使い慣れておきましょう。そのためにも、信頼できるアウトドアコンパスを持っておくことをおすすめします。コンパスはお守りではありません。