引用:ぱくたそ
「槍ヶ岳(やりがたけ)」は、長野県の松本市と大町市、岐阜県の高山市の境にまたがる「飛騨山脈」に位置する標高3,180mの山です。その名のごとくまるで天を目指して槍を突き上げるかのような形が特徴で、「日本のマッターホルン」とも称されています。日本百名山・花の百名山にも選定されている槍ヶ岳ですが、ここでは代表的なルートやおすすめの時期・必要な装備などの情報をご紹介しましょう。
槍ヶ岳基本情報
まずは、知っておきたい「槍ヶ岳の基本情報」からご説明しましょう。
【山岳名】
槍ヶ岳(やりがたけ)・登山家の間では「槍」の通称で呼ばれることも。
【アクセス】
槍ヶ岳へのアプローチは以下の方法があります。
1.上高地
・松本駅下車→松本電鉄上高地線「新島々」(約30分)→バス「上高知行き」(約1時間25分)
・松本駅→上高知の直通バスあり
・車の場合は、長野県側は沢渡、岐阜県側は平温泉に駐車しバスかタクシーを利用
2.新穂高温泉
・大阪・名古屋・糸魚川方面→JR高山駅→バス「新穂高温泉」(約1時間35分)
・車の場合は、新穂高温泉の駐車場に駐車
3.中房温泉
・東京・名古屋・糸魚川方面→JR穂高駅→バス「中房温泉」(約1時間)
・車の場合は、南安タクシーの駐車場に駐車
服装や装備は?
【必要な装備】
槍ヶ岳は、基本的に1泊2日〜2泊3日の日程がおすすめです。そのため、日帰り登山よりは荷物が多くなるので自分の荷物量にあったバックパックやリュックを準備しましょう。
季節に寄っても服装は異なりますが、年間を通じて必要な服装は、トレッキングパンツ(長いレングス)・フリースかセーター・長袖シャツ・ニット帽(もしくはハットタイプ)です。また、冬場は厚手、夏場は薄手のダウンジャケットを持って行きましょう。7〜8月以外は、アンダータイツ・手袋・ネックウォーマーなども必要です。また、ウエストポーチ(カメラや地図など何度も取り出すものを入れる用)・登山靴・登山用靴下も準備しましょう。
【持っていってよかったもの】
・地図:「山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 北アルプス」(昭文社)とコンパス
・レインウエア:山の天気は変わりやすいので必須アイテムです。防水性・透湿性のある品質のいいものを選びましょう。
・ザックカバー:バックパックが雨に濡れないようにかぶせるカバーです。
・手袋:手の甲の日焼け防止と、転んで手を付いた時などのケガ防止用に!ぴったりフィットしつつ通気性もある「トレッキンググローブ」がいいでしょう。
・日焼け止めとリップクリーム:日焼けと乾燥防止にお忘れなく!
・ビニール袋:山で出したゴミは自分で持ち帰るのがルールなので、ゴミ用のビニール袋を用意しましょう。
・水筒:1〜2リットル程度のサイズがおすすめです。
・ストック:膝への負担を軽減できます。
難易度や初心者におすすめのルートは?
【代表的なコースと難易度】
槍ヶ岳は、初心者〜中・上級者向けのルートがありそれによって難易度は異なります。代表的なルートをご紹介しましょう。
・上高地コース:初心者やお子さん連れでも楽しめる上高地らしい「自然探勝路」をハイキングするコースです。所要時間は約2時間30分ほどで見て周れます。
・槍沢コース(初心者〜中級者):最も一般的なのが上高地から出発する槍沢コースです。上高地を散策して「槍沢ロッジ(※1)」で1泊してから山頂に向かいます。
・表銀座コース(中級者以上):中房温泉方面から登り、「大天井ヒュッテ(※2)」に1泊し「槍ヶ岳山荘(※3)」から山頂に向かいます。
・新穂高コース(中級者以上):新穂高温泉から槍ヶ岳山荘→山頂に向かいます。健脚な人なら1日で登れ、穂高の遠景を楽しめるコースです。
・槍・穂高縦走路(上級者):上高地から前穂高岳・奥穂高岳・北穂高岳に進み槍ヶ岳まで向かうコースです。
※1槍沢ロッジ:上高地→槍ヶ岳頂上までの登山ルート中間地点にある山小屋です。
『槍沢ロッジ』
※2大天井ヒュッテ: 表銀座縦走コースの中継地にある眺望が素晴らしい山小屋です。
『大天井ヒュッテ』
※3:「槍ヶ岳山荘」は、槍ヶ岳の頂上直下に立つきたアルプスを代表する山小屋です。
『槍ヶ岳山荘』
【イチオシポイント】
イチオシはやはり、頂上から見渡す360度の絶景でしょう。槍ヶ岳山荘から頂上までは往復約1時間ですが、道も険しくなるので大きな荷物は山小屋に預けて登って下さい。最後は、断崖絶壁をハシゴで登っていくので高いところが苦手な人にとっては怖いかもしれません。初心者で登っている人もいますが、自分の体力・脚力を相談しながら無理をせず登って下さいね。
「山頂からどんな大パノラマが見られるのか知りたい!」「どれだけキツイ岩場なのか知りたい」という方はこちらの動画をどうぞ!
『槍ヶ岳山荘より山頂往復』
【混雑している時期空いている時期】
1番混雑するのは7月末〜8月の週末です。また9月の連休も好天に恵まれると山頂は渋滞ができるほど混雑します。夏休み前の平日は空いているので狙い目でしょう。また、時間帯では4時〜5時半は山頂からのご来光を見るために多くの人が集まるので10時頃が空いているようです。冬場の槍ヶ岳は、冬山登山と山スキーのエキスパートでないと難しいでしょう。
【おすすめルート】
1番人気があるのは「槍沢コース」です。こちらでは写真付きでコースの様子を見ることができます。
『新まつもと物語』
十分な計画と装備で出かけよう!
槍ヶ岳は初心者でも登れるコースがある…とはいえ、無理は禁物です。しっかりと必要な装備を準備して、登山計画もきちんと立ててから出かけましょう。山荘に宿泊する場合、ハイシーズン中は混み合うので予約もお忘れなく!
★★登山準備にはこちらの記事を参考に★★