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引用:pixabay.com
クライミングとは岩場を登るスポーツのことで、ロッククライミングとも呼ばれます。命綱の有無や登る目的(山頂を目指すのか登ること自体を楽しむのか)等で細分化されており、フリークライミングやアルパインクライミングなどさまざまな名称があります。最近では命綱なしで限られた高さの岩壁を登るボルダリングが流行となっています。今回は、クライミングに必要な筋力を鍛える体幹トレーニングについてお伝えします。
クライミングで重要なのは「体幹」
岩場を登るクライミングというと、昔の栄養ドリンクのコマーシャルのように指先だけを支えに腕の筋力で力づくで登っていくようなシーンを想像する方も多いかもしれません。しかし実際のクライミングでは、上級者であるほど体のバランスやルートの取り方に気を配り、むしろ軽々と簡単そうに登っていくものです。いかにもパワーのありそうな筋肉質の男性よりも細身の女性のほうがクライミングが巧い、ということも良くあります。
クライミングでは、腕や脚などの局所的な筋肉よりも「体幹」と呼ばれる胴体全体の筋力を鍛えていくことが大切です。そして、筋力の強さと同時に、バランスの良さや重心移動など体の使い方も重要なポイントです。他のスポーツ…例えば野球を経験された方なら、ピッチャーが速い球を投げるためには、ボールの握り方や腕の振り方だけでなく、下半身の踏み込みや上半身との連動など体全体の使い方が大切だということが理解できるのではないかと思います。
クライミングも同様で、体幹の筋力をパワーアップしていくトレーニングと、体の上手な使い方をマスターしていくことの両方が必要です。
道具は必要なし!自宅でできる体幹トレーニング
クライミングの上達のために体幹トレーニングをしたいと思うのであれば、スポーツジムなどで専門のインストラクターにそのことを伝え、自分のレベルにあったメニューを組んでもらうのが最も理想的です。しかし、定期的にジムに通う余裕はなかなかないという方も多いですね。そこで、自宅でできる手軽な体幹トレーニング方法をご紹介します。
まず、横向きに寝た状態から、下側の手を地面について腕を真っすぐに伸ばします。頭から足首まで体の軸が真っすぐになるよう意識してください。その体勢から、上側の手と足を同時にゆっくりとあげていきます。体全体が大の字になった状態で静止します。まずは10秒間キープを目標に、難しければ5秒間程度から初めてみてもよいでしょう。キープできたら、元の姿勢に戻るようにゆっくりと手足をおろします。5セット程度を目安に、反対側も同じように行います。慣れてきたら、キープする時間を伸ばしたり、セット数を増やしたりしてみましょう。
バランスディスクを使った体幹トレーニング
道具を使わないトレーニングは手軽ですが、忙しい毎日の中で習慣化していくのは難しい面もあります。何かトレーニング用のアイテムがあったほうが「やろう」という気になる、というタイプの方には、バランスディスクを使ったトレーニングをおすすめします。
バランスディスクとは、元々はリハビリなどの医療用として使われていたアイテムです。直径30cmほどの柔らかいディスクにぶつぶつの突起が多数付いている形が特徴的です。
バランスディスクの上に乗ってみると、柔らかく不安定なので、バランスを取ろうと体幹を中心としたさまざまな筋肉が働くのがわかります。ただ両足で立つだけ、クッション代わりに座って手足を床から離すだけでも体幹トレーニングとして有効です。バランスディスクを2つ使って、腕立て伏せのときに両手それぞれの下に置くという方法もあります。
近所の公園などで鉄棒を使った体幹トレーニング
近くの公園にぶら下がれる高さの鉄棒があれば、ランニングに出かけたついでに体幹トレーニングを行うのも良い方法です。
鉄棒を使ったトレーニングというと懸垂が思いつきますが、体幹というより腕の筋力のトレーニングになってしまいます。体幹を鍛えるためには、ぶら下がった姿勢で膝を胸のほうに引き寄せる運動が取り組みやすいのではないかと思います。慣れてきたら、左右にひねりを入れる、膝を曲げずにつま先を90°の高さまで持ち上げてみる、など少しずつレベルアップしてみましょう。
体幹トレーニングの参考になる書籍
体幹トレーニングは最近注目度が高く、参考になる書籍もいろいろと出ています。
サッカーの長友選手によるこちらの本は、DVD付きで分かりやすく大変好評です。
スポーツのためのトレーニングを目的としたもののほか、ダイエットやスタイルアップに焦点をあてたものもあります。
体幹トレーニングでクライミングのレベルアップ!
本格的にスポーツジムに通わなくても、普段の生活のなかで少しずつ体幹を鍛えていくことも充分可能です。ある程度体幹の筋力がアップすると、ますますクライミングが楽しくなっていくのを実感できると思います。ぜひ、続けやすいトレーニング方法を見つけて取り組んでみて下さい。